12話目 なり切ったぞ~ぅ やり切ったぞ~ぅ
「みんな、どうしちゃったの。今度生まれ変わるときはワンコでもにゃんこでも、Gでもいいから、今よ、今。
今はこの社を解放する方が先じゃない。
きっと解放した者が来世で、女子の勝ち組になれるはずよ。
誰もやらないなら私がやるわ。
どうせ、祠の呪文は土魔法術士じゃないと唱えても効果がないし。
社の開放と祠の呪文を両方やれば来世は勝ち組。
聖戦士のご指名がわんさか来るわよ。
誰にしようかしら、でへへへへへぇ。
あのロン毛のイケメンもいいし、あっちの角刈りも私の趣味だわ、でへへへへへぇ、それともあの・・・・・・・・」
「えーっと、書記長がエリナ・トリップ状態に陥りましたので、残りの水魔法術士のエリナ教の教祖様に魔族の炎を消していただきたく存じます。
それではよろしく。」
「それでは僭越ながら、エリナ教の教祖の私が魔族の炎を消して進ぜよう。それ。」
魔族の炎が消えた。
これで、書記長の来世での聖戦士祭りはなくったな。
「続いて、シュウ大聖戦士殿、魔石を設置してくれたまえ。」
「お任せください、エリナ様。それではジェンカ大司教殿、緑の魔石をお貸しください。」
「わかりましたわ。大聖戦士さま。これは民の希望の石です。これをお渡ししますので人類の未来を切り開いてくださいませ。」
「大司教様。私、大聖戦士のシュウにお任せを。」
「誠に申し訳ございませんが、エリナ様。エリナ教究極奥儀低空飛翔を私の母の形見のこのナイフに転写いただけないでしょうか。」
「わかりました。
それがあのルーエンの秘宝のナイフですね。
お母さまは確かそれを狙った魔族との戦闘で大けがをされて、それをあなたに託して・・・・。
わかりました、魔族からこの社を解放するために使用する転写用装備品としてはそれ以上相応しい品はございませんね。
それ、これであなたは飛べるはずです。
さぁ、魔族への復讐を果たすのです。」
「申し訳ございません。私は自分の私怨のためにこの社を解放するのではございません。
大司教様のお言葉通り、民の願い、人類の希望をつなぐために、私はこの魔石を使用するのです。
エリナ様にはお心遣いいただきありがとうございます。
母とのことは美しい思い出の中にしまってあります。
決して、恨みなどという闇の中にあるのではございません。
それではこの社を解放しに行ってきます。」
「人類の希望をお示しくださいませ。大聖戦士様。」大司教
「そして、シュウ大聖戦士は魔石を先ほどまで禍々しく燃えていたた魔族の炎があった場所に緑の魔石を置いた。
置いて少しすると社全体が淡く光り、この光はまるでジェンカ大司教の言う人類の希望、民の願いを表しているようだった。
このままでは滅亡を覚悟するしかなかった人類の最後の希望が灯った瞬間だった。
この光に触れた民は神が降臨したかの如く皆ひれ伏した。
その頼りのない光はそれほどまでに人々の心に希望という言葉を刻み付けたのだ。」語り部は副会長
「さぁ、シュウ大聖戦士殿。社の中に入り、転移魔方陣を探しましょう。
人類の希望の光が燃えているうちにです。」教祖様
「そうして、数々の冒険の果てに手に入れた緑の魔石を使用して解放した社へ。
この社もまた数々の尊い犠牲の上に発見したものである。
社の中にに入るエリナ様、大司教様、そして大聖戦士。
その中は以外な程に質素で清楚であった。
入口をから2つ目の部屋に、目的とする転移魔方陣があった。
転移魔方陣は魔力溜12基の比較的小型でのものであった。
その魔法陣が設置されている部屋の床には無造作に魔力溜が転がっていた。」
「大聖戦士殿、まずはあの魔力溜めに魔力を注いでいただけますか。」
「承りました、教祖様。」
「大聖戦士は魔力溜を集め、そして、あっという間にそれらを魔力で一杯にした。」
「さぁ、どなたか教会本山に行って、祠を取りに行っていただけますか。」
「祠の重量からすると風魔法を使えるものでなければなりません。
そうしますと私か語り部さんしかおりません。
私は魔族が転移魔法を使って出現した場合の備えるのが教祖と心得ますわ。
大変申し訳ございませんが、語り部さん、教会本山に行っていただけますか。
人々の希望があなたの決断にかかっております。」
「しかし、私がここを離れますとこの茶番をまとめるものと、解放の巫女から魔族の呪いを解くもの者がいなくなりますが。」
「私がその呪いを解きますわ。大司教である私が呪いを解き放ちましょう。
何でも民の間にはハリセンチョップなる究極の民間解呪法があるそうです。
少々危険ですが私はこれまでの修行のすべてをその一撃にこめて、絶対に解放の巫女を呪いから目覚めさせてやります。」
「まとめ役の方ですが、私が語り部さんが戻るまで代理を務めましょう。」
「しかし、それでは聞いている方々が大聖戦士様と語り部さん代理と混同してしまいます。」
「お任せください。ルーエンにある私の大聖戦士家には代々このような場合を想定した秘法がございます。」
「して、それはどのような。
将来妾が嫁に入りした場合に備えて教えていただけませぬか。」
「エリナ様そんな恐れ多い。我が家は所詮田舎の聖戦士家にすぎませぬ。そこに降家するなど。」
「大聖戦士様。何度もかまわぬと言っております。
家格の差など私たちの愛の前には何の意味もございません。
さっ早く、ねっ、ねっ、」
「エリナ、両手を広げて待っていても、抱きしめることはないから。」(小声)
「流れから言っても、ここは抱きしめないと後が続かないでしょ。」(遠慮なく大声)
「ここは堪えてくだされ、お代官様。きっと、期限内に年貢を納めますだ。
だから、人目もはばからずここで抱きしめることはご勘弁くだされ。」(小声)
「うほんっ、それで大聖戦士家に伝わる秘法とはいかなるものですかな。」
「「「うおーっ、強制的に戻したよ。さすが語り部さん。かっけえぇ。」」」
「我が聖戦士家に伝わる秘法とは・・・・・。」
「「「秘法とは?」」」
「それは、「○○〇」(ここは語り部代理が言ったこと)の表記です。」
「「「おおっ、それは伝家の宝刀、とりあえずなんでも説明しておけですな。」」」
「漸く安心しました。それでは私、語り部が教会本山に行って祠を取ってまいります。では。」
「語り部さんが意を決して、教会本山に向かった。」(ここは語り部代理が言ったこと)
「私たち残留組ができることは、ハリセンチョップで解放の巫女を魔族の闇の呪いから解放することですね。」
「と、ダジャレをしれっと入れてくるおちゃめなエリナ様」(ここは語り部代理が言ったこと)
「なんか語り部さんのイメージと違うわね。大司教様が語り部代理を兼務することに変更しましょうよ。」
「おめぇら、いつまでエリナ教ごっこをやってんじゃい。」
「「おおっ、解放の巫女が怒りの呪いの追加で大魔神様に変身したーっ。
別の設定に急いで変更しなきゃ。配役は・・・・・」」元教祖様と元大司教様
「「まだ、やるんかい」」
一時間後に語り部さんが祠を持って帰ってきて、役に戻って語り始めようとしたところ、お前は亀の役だと乙姫役の書記長に言われ、持っていた祠をあわや落としそうになったのはあの時の良き思い出であると、後にシュウがクズミチに語ったという。
言っとくけど、ちゃんと元解放の巫女こと乙姫様が祠を祭壇に設置して、呪文を唱えたよ。
「こいつらを本当にかのお方に合わせて、世界の秘め事を明かしてもいいのかよ。」
「かのお方も似たようなもんじゃろ。妾の役は何じゃとか言いだすと思うがのう。」