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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第5回放送

「7時になりました。こんばんは。7時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第5回目を、放送時間を延長してお送り致します。キャスターはいつものまねき猫です。

それでは、前回放送以降の調査の進展についてDデレクターに報告してもらいます。それではよろしくお願いしますにゃ。」


「はい。よろしくお願いします。

本日は地球の調査依頼者様より手痛い質問が来ていますにゃ。」


「手痛い質問ですか。具体的に教えていただきますかにゃ。」


「前回の放送のインタビューアーはN氏だとご紹介しました。放送の中でN氏が氷漬けにされ、飛ばされて龍さんに助けてもらったというくだりがありましたにゃ。」


「あっ、確かに現地の落ち込んでいる生徒さんとお話をさせていただいて、N氏がそんな話をされていましたね、そういえば。ありましたにゃ。」


「第1回放送で氷漬けにされ、飛ばされ、龍さんに助けてもらったのはN氏ではなく、I氏だったと思うとのご指摘でしたにゃ。

でも、I氏は白黒の額が八割れのにゃんこで、N氏はキジトラのにゃんこでどちらが氷漬けにされた本物のかとの問い合わせでしたにゃ。」


「確かにそういわれれば、そんな気もしてきましたにゃ。」


「実はその点について、今回の放送でまずは説明をさせていただきたいにゃ。」


「何かまずい点でも出てきましたかにゃ。」


「調査依頼者様と視聴者の皆様には、まず、誤解を招くような報道をしてしまったことをお詫びいたします。

実はI氏とN氏は同一のにゃんこですにゃ。」


「えっ、白黒とキジトラで全く別ニャンコだと思っていましたにゃ。」


「これには矢も負えない事情がございまして、その辺をご説明いたします。


事の発端は、取材で軍の編成についてリーナ様とかいうナイスバディのご婦人にI特派員が突撃インタビューを敢行したことですにゃ。」


「はい、確かに第一回目の放送でそのようなことがあったような、なかったような記憶がございますにゃ。」


「その時、そのリーナ様は非常にご機嫌が斜めだったらしく、自らの氷魔法でI特派員を氷漬けにし、側使えの召使に命じて風魔法で龍さんの住処まで蹴とばしました。

龍さんがたまたまそこに通り掛らなかったら、I特派員は凍死の上、確実に化けにゃんこになっているところでした。


ペットにもにゃんとにゃん権があることをご理解いただきたいですにゃ。」


「ああっ、その凶暴な淑女には覚えがありますにゃ。」


「実はその凶暴な女性がですね、I氏の突撃インタビューを契機に教会本山のセキュリティレベルを数倍あげました。

そのため、面が割れているI氏は特に教会本山での取材活動に支障をきたす様になりました。


以前は「猫耳かわゆす♡」とか言っていた女子も白黒八割れにゃんこをみると、一様に砂を投げるようになりましたにゃ。


我々猫族はきれいな砂をみると、あの、その、お食事中の皆さん大変申し訳ございませんが重要な報告ですのであえて言わせていただきます、もよおさずにはいられないというかにゃんと言うか。

本当にお食事中の方申し訳ございませんでした。


その結果、お尻が休まる暇がなく、ただれて、これ以上の取材続行は困難となりましたにゃ。」


「それはI特派員は大変でしたね。


そこまでされると社内コンプライアンスの観点からかの地での取材継続は安全性に問題があると判断され、強制帰社の措置がとられるのが普通かと思いますが。

そのまま、現地で取材を実行したということでしょうかにゃ。」


「その通りです、実はI特派員はすでに特別ボーナスに当たる調査依頼者様よりいただいた宗田ガツオ節3か月分をすでに3日で食べてしまっていた後でした。


ボーナスの前払いをすでに消費した後となっては本社局に戻すに戻せない、一生そこでただ働きしていろアホ猫とか、一生そこから戻ってくるな駄猫とか言う全社の一致した、まあ猫族だけですが、意見に従って、そのまま現地で調査費用分は働いてもらうことが決定しました。


当局は決してブラックではありませんよ。入社希望の方はその点を誤解無きようにお願いします。

また、すでに内定式を終えられた方は、諦めが肝心ですにゃ。」


「限界を超えたお尻を抱えて取材を続行と言うのは、一般的に言えば鬼畜のごとき決定ですが、宗田ガツオ節を一人で食べた後ではむしろぬるい処置かと思いますにゃ。」


「この決定に絶望したI特派員は痛いお尻を抱えて、最後にこの地の親友である龍さんのもとへ行ったようです。

そして、龍さんの住処の近くにある断崖絶壁の岩の上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・して、化けにゃんこになってしまいました。


ほんとうにご愁傷さまです。

宗田ガツオ節のニャンコばばという近年まれにみる重大犯罪を犯しかけた彼ですが、そこまでしてそれを償わなくとも・・・・・。誠に残念です。」


「確かに最重大犯罪ですが、そこまでしなくともと言うことは犬族の社員からは聞こえてきました。


ところで、それがN特派員とどういうつながりがあるのでしょうか。後先ほど一部音声の具合が悪くて、同じスタジオでもよく聞こえてきませんでしたにゃ。」


「あっ、聞こえていませんでしたか。あっにゃ~っ。それは申し訳ございません。大事な部分ですのでもう一度くりかえしますね。


断崖絶壁の岩の上で、変身魔法の得意な龍さんに白黒八割れ猫からキジトラ猫への変身させてもらいまして、化けにゃんこになってしまいました。


そして、N特派員と名前を変えて、取材活動を再開して、今日に至っております。

親からもらった大事な体を変身させるとはよっぽどの覚悟が必要にだったと思いますにゃ。」


「確かに生きた化けにゃんこですからね。彼を知っている者から見ると本物の化けにゃんこ以上に不気味な存在となりますので、よっぽどの覚悟が必要ですね。


しかし、宗田ガツオ節の猫族に対する影響は絶大ですねにゃ。」


「これで地球の捜査依頼者様のご指摘へのご回答になれば幸いですにゃ。」


「それでは本日の特番のメインテーマに移らさせていただきます。

引き続き、Dデレクター、調査経過報告の方をよろしくお願いいたしますにゃ。」


「本日のメインテーマはですね、前回に引き続き、名無し星での人類の一般市民の生活の様子です。

これを放送しないと、かの星のことを真から理解することは難しいと考えています。


前回は余りに人がいなかったため、今回の放送の前に十分に市民動向調査を実施しました。その上で最も好ましい取材日を設定しています。


ただし、自然な市民生活を取材するという観点からVTRに頼らず、あくまで突撃生インタビューにこだわって取材させていただきたいと思いますにゃ。」


「Dデレクター、さぁこれからと言うときに大変申し訳ないですが放送の終了時間が来てしまいました。

今回もさらに延長してこの特報を続けさせていただきますが、その前に30分間いつものニュースを放送します。


その間に現地でインタビュー可能な方を探しておいていただけますか。


視聴者の皆さん、大変申し訳ございません。

30分間、いつものニュースを放送した後に、再び特報をお送りいたします。

チャンネルはそのままで、ニュースと特報延長戦を引き続きお楽しみくださいにゃ。」



「それでは、8時30分になりました。こんばんは。7時と9

時のニュースを合わせて放送させていただきます。

報道特集の第5回目は9時より再度放送させていただきますにゃ。

まず、本日のトップのニュースです。


7時よりチャンネルわん・にゃんで放送しておりました報道特集 あの世界の秘密 第4回目の放送でインタビューしたN特派員は実は化けにゃんこであることが判明しました。

お尻の負担を避けるための一大決心したとのことです。

生きたまま化けにゃんこにできるという名無し星の技術水準の高さは、星間科学技術本省が改めてかの地のトップとの交流の機会を伺う算段・・・・・にゃ。」


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