7話目 親睦
訓練を終えて、寮生5人で仲良く、男が俺だけなのでハーレム? 状態で帰って来た。
「シュウ、お前がハーレムとか考えた瞬間、えりながおめぇをにらんでいたぞ。」
げっ、なんで俺の考えがわかるんだ。
まさか、メイドさんが・・・。
「私はご主人さまの考えていることはわかりましたが、チクったりしていませんよ。
前にも申し上げたじゃございませんか。
ご主人様の考えていることが単純であればあるほど、いつもご主人様を観察している奥様にはわかってしまうんすわ。
エロイことを考えるのはご夫婦の間のことだけにした方が良いのでは。」
ううっ、さすがエリナ、俺のエロイ考えはお見通しだったか。
でも、エリナでエロイことを考えるのはOKなのか。
一旦寮の部屋に帰り、礼拝とエリナにクリーンをしてもらって、食堂でまた5人で一緒に夕食取ることにした。
このところボルバーナたちはオオカミさんたちに囲まれて、一緒に食事を取るような雰囲気ではなかった。
「しかし、相変わらずのモテ期だなあ、アリーズたち。
いつも囲まれているよ。
毎年あんななの。」
「そうだぜ、まだ、入学一週間目ぐらいだろ、当分続くさ。ペアが決まるまではな。
まぁーっ、来週の生徒会主催の歓迎会が山だな、いつも。
死人が出そうではらはらするぜ。」リンダ
えっ、寮の歓迎会以上に荒れるってこと。
「これじゃ、ペーテルたちを紹介するどころか同期の俺でさえ近づけないよ。
昨日、ボルガに今度門前町に買い物でもと誘いに近づいたら、周りのお姉さん方に、「ペアが決まった男なんて用無しなんだよ。あっちいけ、しっしっ。」と追払われたよ。」
「もう失礼な方たちですね、私の旦那様をワンコ扱いなんて、もうっ。」
「あのなぁ、ペアが決まった男はワンコ以下、彼女がいる男はニャンコ以下、結婚が決まった男はゴミクズだ。
それが世間水準だ、独身・彼無しの女から見たらな。
シュウがまだワンコなのは、エリナがあの婚約発表騒動で女の株をめちゃ上げからな。
その分、おめぇらカップルの株が上がって、シュウはワンコ止まりと言うわけだ。
わかったか。わかったら返事は。」
「ワン。」
エリナがワンと言ってどうする。
「おれ、ゴミ扱いでなくてよかったよ。」
「やっぱり、聖戦士とペアなんて無理ね。
ペアじゃない人がほとんどだし、さっきも言ったけど私たち3人のチームで卒業を目指しましょう。」リンカ
「そだよ。私が足を引っ張ってばかりで2人にはいつも迷惑かけているけど、頑張るから見捨てないでほしい。ぐすん。」シュリ
「あったりめぇだろー。進級も、卒業も、入隊もこのチームで行こうぜ。」
「リンダさんたち先輩3人は仲が良いんですね。
私はシュウと仲がいいですよ。
入隊どころか近々夫婦官舎に入る予定ですし。」
「えっ、寮を出て夫婦官舎行くの?、二人で? 」
「もちろんです。」
「マジか。負けた、完全に負けた。女として。うえーん。」
「・・・・・うらやましい・・・・・いつか私も・・・・・・」
「うふふふっ、一人前と師匠と後見役に認められたらですけどね。シュウと私なら来月ぐらいには・・・・」
おーいっ、エリナ様、一ヶ月で一人前になる宣言ですか。
お互いの思いを語り合い、俺たちは互いのことを少しづつ好ましい小隊メンバーとしてとらえていくのであった。
次の日、講義も終わり、また、5人で昼食を取っていた。
「さっき、ちょっと訓練場を覗いてきたら、芦高さんが急いで寄ってきて、「きゅい、きゅい」言って、足を高く上げたわ。
見た目はあれだけど、あれだけなつかれるとかわいくって。」
「・・・・私は恥ずかしいので手を出したら、芦高さんが足を出したので、握手した。・・・・ かわいい。ぽっ。」
「芦高さんスゲーな。100mぐらいを一気にジャンプして寄って来たぜ。くっそー、俺もあれくらい飛べればなぁ。」
「シュリさんに烈風で押してもらえば行けるんじゃないの。」
「シュウ、それは半径3mの自分の属性フィールドだけで敵のど真ん中に放り出されるのと同じだ。
属性フィールドの展開が間に合わんぞ。」
「じゃ、芦高さんにもあまり張り切って自分だけ突出しないように教えないとね。
今日はカロラさんの魔法訓練だから、そのような状況を作って芦高さんに体験してもらいましょうね。」
「今日はあの伝説のレディース特攻隊長のカロラ様が指導してくれるのか。マジか。
それで剣術は熊教官のイムレ様だろ。
お前ら、どんだけ指導者に恵まれてんだ。
死神教官のエレオノーラ様も芦高さんに魔法を教えていたもんな。
魔物に魔法を教えるなんて、とんでもない発想だよな。」
「・・・・それ以上に指示通りに魔法を使いこなしていた、芦高さんって何者・・・・」
「まぁいろいろありまして、ペットの世話はちゃんとやるようにしましょうという流れだったかしら。
芦高さんを飼うまでの顛末の他にもいろいろトラブル続きで、なんでこうなったかわからなくなってきたわ。」
「まぁ、死神さんが特攻隊長に死ぬほど怒られていたところは思い出した。」
「芦高さん素直でかわいいから、こうなってよかったのよ。」
俺たちは、ずっと話をしながら昼食をすまし、そのまま訓練場にやって着た。
そこにはもうすでに芦高さんに芸(魔法)を仕込んでいる(指導している)死神さんが来ていた。
「早く魔法をしっかり覚えて、リストランク6位と8位を捕まえに行こうね。芦高ちゃん。」
ターゲットが一つ増えてる。それも上位だ。
「きゅいいいーんっ。」
「芦高が人を捕まえるのは嫌だって、捕まえるのはオークだけと言ってぞ。」
通訳うるさいさん
「エレオノーラさん、昨日しばらくはランク狩りを止めるって言っていませんでしたっけ。」
「そうなんだけど、どうせ魔法を教えるならランク狩りに役に立ちそうな魔法をって、思いなおしたの。
そうしたら魔物に魔法を教える研究とランク狩りが同時に進行するでしょ。
私、頭いいわね。」
しつこくすると芦高さんに糸で簀巻きにして、火山の火口に放り込まれるぞ、死神さん。
「ランク狩りじゃなくて、オーク狩り、魔族撃退に役に立つ魔法の指導をお願いします。」
「ぶーっ。」
「あっ、芦高さん、オーク出現。早く捕まえて。」
芦高さんはこの機とばかりに死神さんを糸で簀巻きにしてしまった。
後は火口に放り込むだけですね。南無ーっ。
そこにカロラさんがさっそうと登場。
「君たちが新しい訓練希望者ね。
シュウとエリナだけじゃチームの連携とか、小隊の連携とかができなくて悩んでたの。
ちょうどよかったわ、あなたたち。頑張んなさい。」
「「「これからよろしくお願いします。」」」
「リンダとシェリ、シュウは私が教えるわ。
死神教官殿は後衛のエリナとリンダ、ペットちゃんをお願いね。」
「ふふふふっ、ははははっ、リストランク狩りの部下が3人に増えたは。ひゃはははは。
待っていろよ、ランク6位と8位。必ず解剖したやる。」
ひゅっ、「あれーーーーーっ」、バッゴーン
芦高に飛ばされ魔法障壁に激突した死神さん。
向こうで、血をだらだら流しながら自分にヒールしていた。
不死身さがトレードマークです。