こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第4回放送
「7時になりました。こんばんは。7時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第4回目を、放送時間を延長してお送り致します。キャスターはいつものまねき猫です。
それでは、前回放送以降の調査の進展についてDデレクターに報告してもらいます。それではよろしくお願いしますにゃ。」
「はい。よろしくお願いします。
今回もまた地球の調査依頼者より、お手紙をいただいております。
調査依頼者も生徒会長さんの願いが叶うように、仏壇という各家庭にある地球に特有な祭壇におはぎというこれまた地球特有な甘い主食をお供えしてお祈りしているそうですにゃ。」
「やはり、そうでしたか。調査依頼者は心がお優しい方とお見受けしておりますから。
この放送をご覧の皆さんからも同様なご意見のお便りを多数当局宛てにいただいておりますにゃ。
せっかくですので、そのうちの一通をご紹介させていただきます。
キャロ〇星の不思議な国にお住いのア〇リさん、7歳からのお便りです。
< 前回の放送を見て、すごく感動しました。
私と白いウ〇ギさんも生徒会長さんの願いが叶うように毎日お星さまにお祈りしています。>
と書かれておりました。
このような小さなお子さんの心を煩わせなくて済むような世界になってほしいと改めて思いますにゃ。」
「続けさせていただきます。
調査依頼者様からのお手紙の後半には別の調査依頼内容が記載されておりました。
調査依頼内容は教会本山の門前町の様子を知りたいとのことでした。人々の生活の様子を知ることは、名無し星のことをさらによく理解するために必要だと思っています、とのことですにゃ。」
「なんと、それは盲点でした。軍の仕組みとか魔法とか社会の成り立ちや珍しいものばかり目が行って、肝心なそこに生活する人々の様子を取材しないとは何たる失態。
深く反省すると共に番組をご覧の皆様に深くおわびいたしますにゃ。」
「私もデレクターとして番組を作成する責任者の一人ですが、かの地のごく普通の人々の生活の様子を取材していないとは切腹もの? 切腹とはなんだにゃ。何かそんな言葉が頭に浮かんだにゃ。
失礼いたしました。余りの自分の不甲斐なさに目が回りまして、ありえない幻想に取りつかれたようです。
重ねて、お詫びしますにゃ。」
「と言うことは、今回の調査はかの地のごく普通の生活を取材することでしょうかにゃ。」
「その通りです。かの地の教会本山の門前町でぶら田藻梨を実行しますにゃ。」
「それは非常に楽しみでね。我々の失点を挽回するような精力的な情報の提供を期待しますにゃ。
それでは改めまして番組を進めさせていただきます。
本日のゲストは星間異文化科学研究所で異世界の食文化についてご研究をされておりました、星間異文化学の権威のC名誉教授にお越しいただいでおります。
皆様ご存知のように、C教授は砂糖の消費量と包丁の形状を指標にした敬語の発達についてご研究をなされていました。
かの星でもお菓子に砂糖を料理には包丁を、そして敬語が日常で使用されているようです。
人々の生活水準と関係性の深いと言われている文化と言う観点とそれらがどのように結びついているかを直接C先生よりご解説いただけるとのことです。
先生に直接ご解説いただく機会は頭に隕石が衝突する確率と同じくらいと言われておりますので、非常に稀有で貴重な機会と考えております。
超大先生、直接お話しさせていただいたもよろしいでしょうか。それても内容を奏上する者をお召いたしましようか?・・・・にゃ。」
「それには及びませぬ。ご過分なご紹介、ありがとう存じます。
そう固くならずとも良いではございませぬか。
以前はならいざ知らず、今はダダの近所のじじぃでございます。
本日はよろしくお願いいたします。
この番組は私が今嘱託で庭掃除をさせていただいたおります星間移動感染病原菌研究所の用務員の休憩室でいつも拝見しております。
非常に興味深い内容を渾身の取材力で大いに堀り上げていらっしゃるところに感銘を受けておる次第にござすます。
本日はどのくらい皆様のお役に立てるかは未知数ですが、ご一緒に楽しませていただければ幸いです。」
「C名誉教授。ご退官後は非常にご苦労されておいでの様子ですね。
本日のギャラは弾ませていただきますね。
うるうる。にゃ。」
「お気遣いなく。早速、始められてはいかがでしょう。
皆様退屈されておりますでしょうに。」
「それでは現地の特派員NさんとKさんを呼んでみたいと思います。
Nさん、Kさん聞こえますかにゃ。」
「良く聞こえますにゃ。」
「本日はよろしくお願いしますワン。」
「早速、お願いします。本日はどのような形でのレポートとになりますかにゃ。」
「本日は私、Nがレポーターとなり、教会本山の門前町を散策したいと思います。
きっとおいしい焼き魚定食を出していただけるお店があるることを期待しておりますにゃ。」
「カメラマン役のKです。おいしいトンカツ定食屋さんのレポートも期待してくださいワン。」
「それでは両特派員さん、早速取材を開始ししてくださいにゃ。」
「まずは、取材に差し当たり地球の調査依頼者様より、我々現地の特派員宛てに頂き物がございました。
これです。
地球の東京バナナとかいう東京駅とかいうところで良く売っている物らしいです。
その東京と言うところはド田舎の地球と言う星にあっても大都会に分類される都市だそうです。
田舎から東京に出稼ぎに来て、田舎に戻るときに一番人気のお土産だそうで、もらった家では紋付き袴という地球での正装にて両ひざをついて、両手を掲げていただく、まさに神物と言っても過言ではないほど褒めたたえられているおみやげたそうです。
これをもらった家からはしばらくの間都会の香りがするという風評が立つということですにゃ。
このような貴重なお土産を10個もいただきました。
1個は特派員のみんなで分けて食べました。
バナナのカスタードが入ったスポンジケーキで美味でした。
宗田カツオ節の猫まんまにははるかにおよびませんけども、子にゃんこがすりすり懐くぐらいは美味でした。
2個は教会本山の祭壇にお供えしました。
貴重な神物級のお供えですから、きっと生徒会長さんの願いもぐっと近づくものと特派員一同は考えています。
残りの7個を何と出血大サービスで、本日、インタビューした方に差し上げようと思います。もうっ、もってけ泥〇。
失礼しました。失言でしたにゃ。」
「N特派員、生放送ですので言葉に気負付けてください。
そのような教育上大変不適切な言葉を放送しますと、大宇宙正しい言葉が健全な心を育む協会の方々が、明日の朝当局の正面玄関前に大弾幕を掲げて抗議にいらっしゃいます。
社長が対応に当たるのですが、ペナルティとして全役員が一ヶ月間ぽつんと研修所でコンプライアンス研修と反省を込めた絵日記を毎日書かされます。
よく考えたら、そのペナルティは我々には関係ないですね。
それでもこの全宇宙の未来を背負った、子供たちの健全な育成のために勢いに任せた発言は控えて行きましょうにゃ。」
「Cです。
さすがは大手放送局の花形キャスターでいらっしゃいますね。
言葉と人格形成は私の専門とする分野の一つです。
他人を思いやる言葉が子供たちのおおらかな人格形成に非常に大事だという論文を30年前に出しました。
それを踏まえて、まねき猫さんの今の提案は非常に好ましいと思います。
放送をご覧の皆さんも言葉をできるだけ選んで話をしていただくことを望みます。」
「おほめに預かり恐縮です。
それではNさん続けていただけますかにゃ。」
「先ほどの発言は大変失礼いたしました。重ねてお詫び申し上げますにゃ。
それではそっそく、ここ教会本山より門前町の方に歩いて行って、インタビュー可能な方を探してみますにゃ。
カメラが映し出す、この名無し星の美しい教会本山と門前町の街並みも併せてご堪能くださいにゃ。」
てくてくてく。
「・・・・・・しかし、人がいませんにゃ。」
てくてくてくてくてく。
「うーん、この昼下がりの時間帯が悪かったのか、人通りがないですにゃ。
まぁ、静かな街並みをご覧いただくのもここの暮らしぶりご理解いただくのに大事な情報ですにゃ。」
てくてくてくてくてく、てくてくてくてく。
「第一待ち人見つからず。とりあえず引き返してみますにゃ。」
「Nさん、Kさん。放送の終了時間が来てしまいました。今回もさらに延長してこの特報を続けさせていただきますが、その前に30分間いつものニュースを放送します。
その間にインタビュー可能な方を探しておいていただけますか。
視聴者の皆さん、大変申し訳ございません。町の様子をお伺いする方が見つかりませんでした。
30分間、いつものニュースを放送した後に、再び特報をお送りいたします。
チャンネルはそのままで、ニュースと特報延長戦を引き続きお楽しみくださいにゃ。」
「それでは、8時30分になりました。こんばんは。7時と9
時のニュースを合わせて放送させていただきます。
報道特集の第4回目は9時より再度放送させていただきますにゃ。
まず、本日のトップのニュースです。
7時よりチャンネルわん・にゃんで放送しておりました報道特集 あの世界の秘密 第4回目の放送でインタビューする方が見つからなく、改めて9時より再度放送をすることになりましにゃ。・・・・・・・・・・」