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9話目 決意と罰

昨日のパーティはいろいろな意味で疲れた。

今日こそは平穏で充実した生活を送りたい、心からそう思う。


朝は、早速言い付けられた当番、食堂の朝食の用意を始めた。


料理をするのではなく、テーブルをきちんと並べたり、トレーやスプーン、ホーク、ナイフをそろえたりと寮の管理人さんが言うように比較的簡単で単純な作業を割り当てられた。


平日の2日に1回はこの作業をする予定だ。


うれしいことに、エリナも同じ日に同じ作業をすることになった。

今までの当番より、凄く楽なので、うれしいと言っていた。


俺はどんな辛い作業でもエリナやペーテルたちと一緒であればなんてもやるつもりはある。


作業終了後は、礼拝をして、そのままエリナと朝食を取ることに。

エリナは何故か顔を赤くして、こちらをちらちら。

たまに、だらしなくデヘヘとにやついていた。


「エリナ嬉しそうだね。」

「もちろん、昨日は婚約発表と結婚宣言したでしょう。

もううれしくって。なかなか眠れなくて。

テンションが下がらなくて困っちゃった。」


「やっぱり婚約発表の場にしたんだ。昨日の寮の新歓を。」

「皆には悪いと思ったけど、どうしてもあの場で私とシュウの関係をみんなに知ってほしかったの。」


「どうしてもあの場で? 」


「どうしても。


これまでは職校の生徒と言う守られる立場。

でもこれからは、軍人として戦い誰かを守る立場。

一昨日までとは全く逆になるの。


これからは自分で考えて、行動し、結果に責任を持つ必要があるわ。

守られる立場から、守る立場に変わることは恐ろしいわ。

自分の考えで、他人の行く道を左右することになるから。

これまではそんな責任を持つことが私は怖かった。


でもね、あなたと一緒なら、違うわね、私はもうあなたに依存しないと決めたから、あなたが見ていてくれるのならもう怖くはないわ。

自分の信じる道を堂々と他の人に示すことができそうなの。


だから、これまでの他人に頼る自分にサヨナラし、自分の信じる道を堂々と示し、行動することにしたの。


昨日はそのけじめの日にしたかったの、皆の前でね。


昨日の行いは私のわがままだっていうことは知っているわ。

でもね、あれが私の信じる道なの。

あなたと一緒に歩む道が。


わかっているわ、あの場であそこまで自分勝手にやってしまったんだもの。

ペナルティーの対象でしょうね、一ヶ月間の外出禁止令とか。」


「罰か。悪いけどあれはやりすぎ。

罰を受けるのはしょうがないよ。」

「ごめん。やりすぎた。」


「その時は、俺も罰を一緒に受けるよ。」

「だめよ。いけないことをたくらんだのは私。

私の信じる道を示したのは私。

そして、罰を受けるのも私。」


「でも・・・・」


「今回のことは旦那様は私を信じて見てて。

最後まで自分の信じる道を示した私の顛末を。

まぁ、全然罰と思っていないから。てへ。」


「そんなに罰が楽しみなの。」


「罰をもらっても、今回のことは反省しないから。

自分の正しいと思う道を選んだんですもの、反省する必要はないわ。


ただ、やりすぎたとこも事実なので、罰は甘んじて受けるわ。」


「エリナ、なんか変わったね。

何というか、かわいい美少女から妖艶な美少女へ。」


「誉め言葉として受け取っていいかな、旦那様。

でも、シュウに対してはいつもの私よ。」


「さっ、朝食を早く終わらせて講義に行きましょうよ。」


「ちょっといいですか。エリナさん。」

当直の職校教員が声をかけてきた。


「はい構いませんが。」

「今日の昼休み、講義が終わったらすぐに職校長室に来ていただけますか。

職校長がお話があるそうです。」

「はい。伺います。」

「それではよろしくお願いしますね。」


教員は用件だけ伝えると、俺を見てにやっと笑った。

昨日の大〇事件を思い出したのだろうか。

もう、寮の自分の部屋、駄目だ居るのがばれる、死神さんのところで引きこもりたい。

どうせ誰も来ないだろうし。


「シュウ、悪いけどお昼は先に食べてて。

ちょっと職校長室に行ってくるから。

午後の師匠たちのところには一緒に行こうね。」


「わかったよ。きっと昨日の件だよね、一緒に行こうか、俺も全く無関係というわけじゃないし。」


「一人で大丈夫。先も言った通り私の責任ですもの、どんな罰でも受けるわ。

まぁっ、考えてもしようがないので歯をクリーンしたら、職校に行きましょう。」


「シュウ、職校へ行こうぜ。」

ペーテルたちがオオカミさんたちを引き連れて、迎えに来た。


「今、行くよ。じぁっ、お昼休みここで待っているね。」

「行ってらっしゃい、旦那様。ねちゃだめよ。」


「俺に行っているのか。まだ、職校じゃ寝てねえよ。」ボルバーナ

「講義が始まってないからね。」ボルガ


「なんだとう。

よし、俺は今日は絶対寝ない。

食堂の昼めしに誓おう。

もし寝たら、+ウルトラを+ウルトラWにする。」


「それは寝る気満々でしょ。ボルバーナ」アリーズ

「まぁ、見てなって。寝ないから多分。」

多分に変わった。自信が揺らいできたか。

ボルバーナの自信って、ガラスだからな。


「ボルバーナの件はどうでもいいので、早く行かないと講義初日から遅刻だよ。」

ボルガに促されて、皆で職校に向かった。


次回から、新章が始まります。


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