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シュウ (御一行様? ) 聖戦士職校に入学する 1 話目 いざ、教会本山へ

エリナが教会本山の職校に戻って行った。


俺は町にいる間は教会の宿坊で寝起きし、午前中は道場で先生から指導を受け、クズミチと一緒に稽古。

午後は道場に居残り、午前中の動きを自主練。


夕食後はエリナに手紙を書いた。

主に稽古の内容になってしまうことは仕方がないことだろう。

エリナからの手紙には職校での出来事がすごく詳しく綴られていた。


そして、遠征には前と同じ様に同行させてもらった。

遠征から帰ったきた後は遠征内容というネタがあるのと久しぶりに手紙を書くという高揚感から、町にいる時よりは長めの手紙となった。


遠征中に2度ほどオークの群れに襲われた。


1回目はマリアンナさんとクズミチ、俺で1体を倒し、魔法に頼らない討伐方法と武人たちとの連携を経験した。


2回目はマリアンナさんはサポート役で、俺とクズミチだけで倒すことに。


オークをクズミチと俺で前後に挟み、オークと正面で対峙したときは新たに練習した槍で相手の攻撃を受けないように防御。

その間に後ろに回ったクズミチが剣でオークの後ろから急所を狙う。

オークがクズミチの方を向いたときは役割が逆になる。


正面を向いた時にはオークの打撃系の武器をかわすため、かなり左右前後に動くことになる。

オークもそれに合わせて動きながら武器をたたきつけてくる。

背後からの攻撃は正面の味方の動きとオークの動きを予測して、移動し、攻撃しなければならない。


初めはうまく前後の連携が取れず、防御一辺倒になったが、数度攻防を入れ替えるころにはお互いの動きが見えてきた。

その後は防御に余裕と攻撃に幅が出てきて、オークを圧倒。

ついに俺たちだけで倒すことができた。


そして、数度の遠征を繰り返した後、時は来た。

俺はいよいよ教会本山に向かうことにした。


教会本山には転移魔方陣で行くことを町の教会の上級司祭様が許可してくれた。

これまでの魔力溜めへの過剰な奉仕が評価されたようだ。


俺だけでは転移魔方陣を発動することができないので、エリナが迎えに来てくれた。

まだ見習い聖戦士にもなっていない俺を転移魔方陣で教会本山に入れることは原則できないが、そこはあれ将来の義理の母となる予定の方が転移魔方陣の責任者に、俺が転移後に魔力溜め100基を一杯に充填することで使用許可をもらってくれた。


エリナの話によるとその責任者は転移に必要な魔力溜めの充填で良いと震えながら懇願したらしいが、何も貢献しない者に特別な許可は与えるべきではないとあのお方に言われて、何故か土下座をして、自分の言ったことを取り消したということだ。


かわいそうな責任者さん。お詫びにもう20基魔力溜めを充填させていただきます。


ちなみにエリナは月に一度俺の魔力溜めを利用して、俺に会いに来ていた。シュウ成分の補充だと言っていたが、俺は出し汁じゃないぞ。


転移時の影響が気になったので、おばちゃんの農場で働いている魔族たちが大丈夫か聞いたところ、おばちゃんは、


「知らん、大丈夫じゃろ、この次元に拘束されているわけではないしのう。」


呑気なことをおっしゃっていた。ペットの面倒は最後までって、先生に言われなかった?


魔族は着実に畑を広げ、いろいろな作物を作っているそうだ。

あと、森を伐採して家も建てているとのことだ。ポジティブだね。


さて、そろそろ宿坊から教会の転移魔方陣の部屋に行こうとエリナと久しぶりの再会にデレながら歩いていると、なんだか礼拝堂が騒がしい。教会で騒いじゃダメよ、と思っていると。


「シュウ、試験落ちろー。一緒に遠征隊だー。オークをボコろうぜ。」

「シュウ、落ちても良いぞう。むしろ落ちろ。俺が婿にもらってやる。」

「シュウ君、君なら大丈夫。」

「シュウ君、落ちても私の娘をもらって、この町で頑張ればいいぞー。」


馬車の皆。来てくれたのか。落ちる前提の方が多数いるのは、何の恨みですか。

エリナが、2番目と4番目の発言に牙を剥いています。

不用意な発言は止めましょう。血を見ますよ。


「絶対受かって、聖戦士の見習いになり、みんなに自慢しに来ます。」


俺は宣言した。


「期待しないで待ってるぞ。」クズミチ、最後までムカかつくやつ。


「おうっー、俺が試験に受かったら崇めろよ。ここ教会だからな。」


「行ってこい。いい知らせを待ってるぞ、シュウ。」


クズミチ君、最初からそのように素直に応援してくれたまえ。


「じゃぁ、行ってきます。」と言って、俺とエリナは転移魔方陣のある部屋に入って、転移魔方陣を発動させた。


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