こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第12回放送 延長3回目
11時30時になりました。こんばんは。
今日は報道特集の第12回目を、放送時間を再々延長しても終わりませんでしたので、そのまま続けて特報をお送り致します。
キャスターはいつものまねき猫です。
えっと、気の毒な宇宙海賊さん聞こえますか。唯一の仕事をしましょうかね。
その宇宙には太陽系が1個だけあるとのことですが、惑星等はどうなっていますか。にゃん」
「えっと、ぐすん。
名無し星のある太陽系には7つの惑星があり、名無し星は太陽に近い方から数えて4番目に当たります。ぐっすん。
そして、ほとんど同じ周回軌道を回っている3番目の惑星にも生物が住んでいます。
地表モニターからは名無し星と同じような人類と、頭に角の生えた人類、そして、なんと獣人族が住んでいるのが見えました。ぐっすん、ちーんっ。」
「獣人族ですか、当然、猫族ですよね。にゃん」
「私は熊族だと思う。クマ」
「人類に比較して数はかなり少ないのですが、猫族の仲間、どうも豹族のような気がします。
顔がより精悍で尻尾が細く長いように見えますね。」
「豹族か、微妙だな。にゃん」
「熊はいないですか、熊族は。」
「熊族はいますよ。名無し星に。なんか2匹発見しました。
というか、前々回の特報の居酒屋編にいましたよね。熊さん。」
「あいつらは一応人の範疇じゃなかったのか。あんなのが熊とは熊族に失礼だ、クマ。」
「名無し星とその豹族の星はだいたい同じ軌道で太陽を回っているとのことでしたが、どのくらい離れていますか。にゃん」
「太陽を中心に全く反対側ですな。
若干、豹族の第3惑星の方が早く回っているかなぁ。太陽に近い分だけ。
何百年かするとほとんど重なるかも。ぶつかりはしないけど。」
テロップ by A社長 : kiちゃん特派員たちに今度豹族を取材させてみたいです。
「そういえば、豹族は白、黒、灰色がいました。
kiちゃんと同じ真っ黒な豹もいました。
黒豹です。」
テロップ by 社会部部長 : kiと区別がつくかなぁ。まぁ、猫と豹じゃぁ大きさが違うか。
「ケチな宇宙海賊さん、角があるということは魔族が住んでいるということですか。にゃん」
「そうですねぇ。名無し星に居る角が生えているやつらと一緒ですね。
生命反応の値も一致していますから。」
「Tです。豹族の星には何か熱量測定に影響を与えそうな現象は捉えられていますか。」
「モニターを見る限りこの星は安定していますね。
熱量に変化はありません。
検出できるほどの大きな熱量変化がないものと思います。」
「その後の太陽の活動はどうですか。」
「太陽の活動は安定しているようですが、どうもたまぁに名無し星でドンパチやっているので、熱量計が安定していないように思います。」
「名無し星でドンパチですかにゃ。」
「先月に数回、先週は1回、その後は静かですね。このまま静かになるかどうかはわかませんがね。」
「Tです。そうしますとそのドンパチの瞬間は熱量測定が可能というわけですか。」
「それはどうでしょうか。おれは専門家じゃないのでね、一瞬モニターが大きく変化しただけでエネルギーがあっちからこっちに変換したような詳しいデータは取れていないようですね。
まあ、もっと測定しやすい状況を作り上げれば可能かもしれませんね。」
「キャスターのまねき猫です。ドンパチが起こっていることはどうやって確認したんですか。」
「それはですね、宇宙海賊さんには名無し星の熱量モニタリングの他にも生物反応もモニタリングしていてもらっているんですよ。」
「T教授、くわしく説明をお願いします。」
「ええとですねぇ、まず名無し星の全体の地表の熱量、つまりエネルギーが大量に変換されないかを観測してもらっています。
火山のなどの噴火も本質的にはエネルギー変換ではありませんが、地表にマグマが出てきたとにはこれもエネルギー変換として観測されてしまいます。
この熱量と共に生物反応を、つまり地表の二酸化炭素の分布と30~40℃の熱源を観測することで生きている何者かがいると判断しているのですが、これを細かく観察しています。
生物反応が突然消えたということは、普通は亡くなったと判断しても良いかと思います。
ちなみに今回の生物反応の観測については名無し星の太陽周回軌道上からであれば個人の観測が可能なほど高い精度があります。
これは生物反応測定装置の他に地表を観測しているカメラと組み合わせることで可能な技術となっています。
熱量変化、つまり、エネルギー変換があり、生物反応能も消失したということは、これまでの蓄積データから、地表でドンパチがあったと考えても良いと思います。
まぁ、熱量変化が観測されたことから大型爆弾の集中爆撃や大規模破壊兵器の使用、ここ名無し星では大規模攻撃魔法が発動されたと考えて間違いありませんね。」
「T教授、ということはドンパチで大規模攻撃魔法を施行した人物を特定して、その方にお願いして、できるだけエネルギー変換が起こっていない安定した場所でもう一度大規模攻撃魔法を使ってもらえば、詳細な熱量観測が可能ということでしょうか。クマ」
フリップ by 謎のトランプマン : 可能というな、命は大事にな、一つしかない。お前の家族のもな。
議論に集中しているみんなの中で、スタジオの入り口付近で出されたこのフリップに気付いたのはT教授のみだった。
「いえ、先ほど宇宙海賊さんも言っていたように、太陽の状態が安定していてもエネルギー変換の軌跡は追えていないような話でした。
相当に測定条件を厳選し、同じ条件で何度も大規模攻撃魔法を発動してもらい、少しづつデータを積み重ねてみないと結論は出ないと思います。ブル」
「魔法を発動してくれる方との信頼関係が確立しないと難しいようですね。一回二回であれば金で釣るということも可能かと思いますが。にゃん。」
「そうですね、まずは大規模攻撃魔法を発動できる方を探して、我々の目的を話して、十分に理解したもらったうえで協力してもらう必要があります。
興味本位で近づいてくる者たちには協力しないように言い含めることも我々の調査班の重要な役割と思います。」
フリップ by 謎のトランプマン : それでいい。そのようにふるまっている限り、お前たちの調査は進むし、成果を放送することも可能だ。そしてなりより、安全が保障される。
「今回の調査報告はここまでです。何と名無し星の他にも人型の生物が住む惑星が発見されました。
今後、当局と相談して可能なら特派員を派遣して、是非、豹族にインタビュー、いえ、お近づきになりたいと思います。
この報道特集は当局が全力で取材を継続していきます。
今日はこれで終了致します。
次回の放送をお待ちくださいね、にゃ。」プツン
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。