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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第12回放送 放送再延長分

「10時になりました。こんばんは。

10時のスポーツニュースの時間ですが、今日も報道特集の第12回目放送が延長したにもかかわらず終わりませんでしたので、放送時間をさらに、さらに延長してお送り致します。

キャスターは引き続きまねき猫です。


それでは、続きを始めさせていただきます。

本日は大変な盛り上がりを見せております。

今日のこれまでの放送は明日朝7時より再放送をしますので、見逃した方は是非ご覧ください。


それでは現地の調査員の方をお呼び致します。


宇宙海賊のボスさん、聞こえますか。にゃ。」


「やっと出番が来たか。良く聞こえているぞ。

あんまり待たすんじゃねぇぞ。

俺には部下と、誰だそれ、違って、残業手当が出ねぇんだ。

深夜手当ぐらいだせや。」


「まぁまぁ、スタジオのRです。

ただモニターを監視するだけの仕事なんだから残業も何もないでしょ。

その上その口調からするとすでに酔っぱらっているんでしょ。

素面だったら深夜手当ぐらい考えたんですけどね。クマ」


「ちぇっ、ばれてるんじゃしょうがねぇか。」


「それでは早速ですが、名無し星のある宇宙はどの程度の大きさでしょうか。にゃん」

「太陽系が1個しかない、ほんとに小さな宇宙だな。

まあ、それぐらいでないと調査は撤退、俺も懲役星の刑務所に逆戻りだぁ。」


「えっと、Rさん。宇宙海賊さんは懲役星を脱獄して、わが社の次元間輸送船を乗っ取り、そのまま行くところかないのでしょうがなく、ほとぼりが冷めるまで名無し星宇宙の調査を引き受けているということでLAですか。にゃん」


「そんな訳あるかぁ。ちゃんと雇われたんだ。」


「ということは、名無し星宇宙の太陽はほんとは2つある所をひとつはブラックホールと化してしまったので、その調査を最後に任せるためにしょうがなく雇ったということでしょうか。


なるほど、宇宙海賊さんは実は刑期が3000年で生きて刑務所を出る見込みがさらさらないため、司法取引として名無し星宇宙の調査と最後にブラックホールの調査をして、生き残れたら無罪放免ということでLAということですね。にゃん」


「刑期3000年て、俺はいったい何をやったんだぁ。そんな刑期、遊びで大陸破壊砲をぶっぱなし、出力を間違って、惑星ごと破壊しないとそんな判決でないぞ。

俺の刑期は高々30年だぁ。」


「30年とはまたケチなことをやって、捕まったものですねぇ。

宇宙海賊なんだから刑期30000年の太陽系ごと破壊したとか、もっと景気のいい犯罪かと思いました。にゃん」


「刑期が増えているんですけど。

太陽系破壊なんて星間軍でも無理だから。ねっ、T先生。」


「さぁ、私は観測が専門で、破壊は素人ですから。」


「ケチな宇宙海賊さん、結局何をやらかして捕まったんですか。


刑期30年なんて美人局に引っかかり、相手のヤの付く自由業の方を殴って、歯を10本折っちゃった傷害事件ですか。

まぁ、ケチな人生を歩んでいますね。もっと派手に行きましょうよ。

せっかく宇宙海賊を名乗っているんだから。


で、何をやったんですか。こんなケチな人生を歩まないようにこの特報を見ている子供たちに教えてあげてくださいにゃ。」


「ケチだから言わない。」


「あっ、すねちゃいましたので私の方から事情を説明します。クマ」


「やめてぇぇぇぇ。」


「お願いしますにゃ。」


「えっと、ケチな宇宙海賊さんはとある惑星の首都に荷物を、まぁ、ケチな麻薬ですね、やっすい純度最悪なものを受け取りに来たんです。

本人は荷物の中身を知らなかったし、また、運搬船に乗せる前だったので刑期が30年で軽かったということです。

知っていたら100年、運んだあとだったら300年だったのに、残念ですね。

まぁ、ケチな宇宙海賊さんなんてこんなもんでしょ。ケチな犯罪に手を染めやがって。クマ」


「ちょっといいですか、Rデレクター。にゃん」

「何でしょうか。クマ」

「今の話からすると宇宙海賊さんはただの運送屋さんじゃないんですか。にゃん」


「まねき猫キャスター、それを言っちゃあ御仕舞でしょ。

本人は格好を付けたいだけなんですから。

響きがいいでしょ、宇宙海賊の方が。

ケチな犯罪に巻き込まれたおバカなただの運送屋さんより、クマ。」


「おおっ、確かにその通りです。変なところに気を回さずに、真っ当な荷物かどうかを確認することに気を回せばいいのに。

まぁ、ケチな似非宇宙海賊さんだから仕方ないですけど。


それでどのような犯罪を犯したかはわかりましが、なぜ当社の調査船に乗っているんでしょうか。にゃ」


「・・・・・・・」


「完全にすねちゃったようなので私から説明します。

今回の調査はすでに星間政府の息がかかっています。

今回の調査に参加すれば30年の刑期が3年に短縮されます。

もしくは調査が3年以上になった場合はその時点で刑期の終了となる司法取引が行われました。

それをケチな宇宙海賊さんは受け入れたということです。クマ」


「しかし、受刑者の方ではなくて一般の方とか若手の研究者とかを雇えばよかったんではないですか、にゃん」


「実は調査は3年以上掛かると予想されています。

その間、小さな調査船で一人でモニターの監視ですよ。

そんな真っ黒なブラックな仕事に誰が応募するんですか。クマ」


「あっ、確かに、気が狂いそうですね。

でも、逃亡したりしないですかねぇ、仮にもケチな宇宙海賊を名乗っているんですから宇宙船を操船できますし。にゃ」


「ちなみに調査船はエンジンを取り外しています。クマ」

「げっ、ということは棺桶状態ですか。太陽に引き込まれそうになったら、貴重な熱量測定装置がどっか~んですにゃ。」


「あっ、それは大丈夫です。

月に一回星間軍が食料等の引き渡しの時に調査船の軌道修正を行ってくれますし、測定装置一式は船外に取りつけられており、いざとなったら調査船から離れて自力で危機から脱出できます。


もちろん調査船は次元間は航行できないやっすい船ですので、例え太陽に飲み込まれても星間政府としては蚊に刺さされた程度にも痛くないというか、宇宙海賊が勝手にいなくなってくれてありがとうと言うか。まぁ、宇宙海賊頑張れの状況なわけです、クマ」


「えっ、俺そんなこと聞いていないよ。」


「また引っ掛かりましたね、契約するときは慎重にねって、犯罪に巻き込まれた時に学ばなかってんですか。


それはどうでもいいですが、自動航行、自動測定して、データだけ送ってもらったり、定期的に回収に行くということでいいんじゃないかと思いましたが。

人が観測結果のモニターを見ている必要はないんじゃないですか。にゃ」


「その通りです。実際データは食料を運ぶ星間軍が回収に行っていますし、クマ」


「えっと、ケチな宇宙海賊さんの役目って、なに。にゃん」


「ああっ、そうですね。それは特報のためですね。


宇宙船で調査中って方がリアル感があるでしょ。

今回のようにインタビュー形式で報告が得られるし。


いや~っ、星間政府と星間軍は当局に相当忖度していますね。

番組の作り手のことまで考えていただいて、ありがたいことです。クマ」


「「・・・・・・・・」」


ケチな宇宙海賊さんのために全視聴者が泣いた。


「ええっと、全視聴者が泣いたところで放送の終了時間が来てしまいました。にゃん」


テロップ by Pプロデューサー :

放送時間が終了しましたが、まだまだ今回の調査報告が終了していませんので、もう一回だけ放送時間を延長して、このまま特報をお送りいたします。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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