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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第12回放送延長分

「9時になりました。こんばんは。9時のニュースの時間ですが、ニュースなんてやっている場合ではないので、今日は報道特集の第12回目放送をさらに延長してお送り致します。キャスターはいつものまねき猫です。


大変な事態が起こっています。

明日、朝7時より再放送をします。

本日7時からの特報を見逃したという悔しさから血の涙、血の汗を流していらっしゃる方は是非再放送の方をご覧ください。


続けさせていただきます。にゃん。」


「T教授、魔法の使用法の解明にエネルギーの変換というものを熱量的に追っていくというのことはなんとなく理解できたのですが、名無し星が所属する太陽系の概要と宇宙の大きさを測定するというのはどのような関係があるんですか、クマ。」


フリップ by 科学部部長 : 実にいい質問だ。俺もそう思ったぞ。

R君が報道部を首になったら、うちの部で引き取るぞ。


「実は魔法を使用した場合の熱量変化、わかり易くするために魔力を薪として話しますね。

例えば薪の持つ熱量が減り、水の持つ熱量が増えたと言うものを測定するのですが、対象が小さいほど測定が難しくてですね、特殊な装置が必要になるわけです。


手に持てるぐらいですと、人工的にエネルギーの閉じた空間を作りまして、そこに測定器を置いて、薪を燃やしてお湯を沸かし、その時の薪の熱量と、炎の熱量、水の熱量変化が測定できるわけです。

閉じた系ですので、言い換えると人工的に小宇宙を作りだすことになるわけです。


もうお分かりだと思いますが、そんな装置は当研究所に1台しかないわけで、持ち運ぶことは到底できません。」


フリップ by Z会長 : わかった。だから星間連合政府が共同研究者として追加されたんだな。魔法使いを名無し星から連行するための口実づくりだろう。


フリップ by A社長 : 会長まずいですって、今の発言は。例の市民団体に知れると明日会長室と社長室に押しかけられ、正座しながら500分のお説教とその書き取り、反省文300ページを書かされますよ。にゃん


「・・・・・・・・、えっ、それマジなの。

よかったぁぁ、もう少しで幼年魔法職校生をら(ブブー)して来るところだったよ。」


フリップ by Pプロジューサー : T教授、今のはマジでヤバイ発言ですよ。たとえ思っただけでも、若〇者●拐未遂じゃないですか。

その計画がばれたら星間軍海兵隊特殊4課の部隊が出張ってきますよ。

やつらの通った後はゴマ粒も残らないって言いますよ。


「よかったぁ、思いとどまって。


で、装置は持っていけない、魔法使いはここに来てもらえない。

結局、次元間輸送船に詰め込める別の小型の熱量測定装置を現地に持ち込むことにしました。」


「おおっ、それではいよいよ魔法使いの秘密が明らかになったと。

んっ、それと太陽系の概要の調査依頼が全くつながりませんねぇ。にゃん。」


「はい。先ほども申しましたように、小さな閉じた系で測定することが必要なんです。」


「ということは、閉じた系とは小宇宙のことだとすると名無し星の宇宙ができるだけ小さい必要があるということですねクマ。」


「その通りです。小宇宙が太陽系規模の小さなものですと核爆弾1個分ぐらいの威力の魔法を使ってもらえば、魔法を使うための魔力がどこにあって、それが爆発のエネルギーとしてどのように変換されたかを疑似可視的に追うことが可能となります。」


「それで、名無し星のある宇宙の大きさを知る必要があるわけですね。

でももう一つ、太陽系の概要を知りたいというのはどういうことてしようかにゃ。」


「はい、この熱量測定には魔法で使ったエネルギーと同等かそれ以上のエネルギー変換体がありますと測定に余計な干渉波が入って、うまくエネルギーの変換を捉えられなくなるんです。」

「例えばどのようなものがその干渉体として挙げられますか。クマ。」


「簡単に言えば太陽です。あれは核融合炉を無数に持っているようなものですから。」

「それじゃ太陽があると魔法の熱量変換が測れないと・・・・。

それじゃ、どこでも測れないんじゃ、にゃん。」


「いえいえ、太陽の活動が安定していればあらかじめ、その干渉波を差っ引いておけますから、太陽が2個ぐらいまででしたら測定は可能なんです。

ただし、太陽フレアー爆発の頻度が安定していることが必要になりますがね。


後は核爆発に匹敵するような巨大エネルギー変換の発生がないことが必要です。

要するに小さな宇宙で、エネルギーの変換が安定していることが魔法の熱量変換測定の条件となります。

まずはその2点について調査をお願いしたという訳なんです。」


「そうなんですか、私はてっきりもう魔法の秘密が解明できないのかと。さっきのブブーするしかないのかと思いました。にゃん。」


テロップ by Z会長 : 俺もそう思ったよ。動揺して入れ歯が落ちたよ。フガフガ。

テロップ by A社長 : 私もビールのコップを落としたよ。もったいない。にゃん

テロップ by Pプロデューサー : 私も・・・・コメントが流れ

テロップ by 報道部部長 : 私も


「ということで、まずはその2点について調査を行いました。

この点については調査が終了しています。


調査に関しては当局が専門の調査会社? に依頼して行っています。

かの星の太陽系の中で太陽フレアーの多発など、大きなエネルギー変化がないか今も監視活動を続けてもらっています。


本日はその調査会社の社長さん? 責任者? ボスに来ていただいて、先の調査結果について直接報告をお願いしています。クマ」


テロップ by Z会長 : そんなことよりも、魔法が当局のスタジオで使えるかどうかなんだ。その点の調査はどうなっている。


「えっと、そんなに早く調査が終了するわけがないじゃないですか。今回は名無し星の太陽系の概要と宇宙の大きさまでです。

冒頭に話をさせていただきましたように、この先どのように調査を進めるかは星間連合政府と当該大学と慎重に連携を取って進めなければなりません。クマ。」


フリップ by 報道局部長 : そんな悠長なことを言っていて、他局に先に実験されて、魔法の秘密をスクープされたらどうするつもりだ。


「もし、当局、星間連合政府、当該大学以外のこの放送を見た誰かが同じことを試みた場合は・・・・・、怖くて言葉にできない。クマ。」


その時、放送が有線無線に関わらずシャットダウンされた。

スタジオにいる皆は議論の行方に集中して誰もその事実に気付いていなかった。


「それはどういうことなのでしょうか。その点をはっきりしないと当局を出し抜くことを考える輩が出てきますにゃ。」


「大学の研究者が本来こんなことは言ってはいけないのでしようが。

敢えて言わなければなれませんね。

いや、きちんと話をするのが研究者の役目でしょう。


今後、魔法の秘密を探って魔法が使える方法が分かったとしましょう。

今回の実験では核爆発並みの威力がある魔法を使用してもらう必要があります。

魔法使いひとりでそれができるとなると、魔法使いが一人で何回もその魔法が使えるとすると。」


「「・・・・・・・」」


「一人で核爆弾を何十発、何百発を抱えていることになります。かの地で魔法使いは何人いますか。

軍人だけでも10個師団もいますよ。

名無し星の魔法使いを戦力として抱えることを考える輩が出たらと思うと震えが止まりません。


しかし、もう一つ、こっの方がより厄介です。」


「名無し星の魔法使いを軍事目的に利用しようとするよりもやっかいなことって何でしょうかにゃ。」


「魔法により、簡単に核爆弾並みの戦闘力を誰もが、例えば一般市民が持つことができるとなると。」

「おそらく社会が崩壊、いや、星間連合の諸惑星が消滅する可能性がありますね。クマ。」


「その通りです。

したがって、勝手に魔法の秘密を探ろうとした輩には星間軍の高速星間巡洋艦により大陸破壊砲が撃たれるでしょうね。

個人を狙うなんてまどろっこしいことをしないで、地域ごとチョンですね、おそらく。他のネズミも一緒に葬れるし。」


「そうしますと魔法が使えるようになることは我々のロマンですが、その方法を公開するかについては、魔法やかの星の魔法使いについてもっと調査を重ねて、一般の人が使っても大きな被害害がでないとか、かの星の魔法使いも核爆弾並みの威力を出せる者がどの程度存在するかを明らかにしてからになりますね。にゃ。」


「その通りです、その点を星間政府も懸念しているので魔法の調査については共同研究でと言ってきています。

これからの費用は全部星間政府持ちと言ってきています。クマ。」


「T教授はいいとして、当放送局がそれに関わってもいいのでしょうか。にゃん。」


「当局を野放しにすると、Z会長の言う様に、勝手に魔法の調査を始めるから、巻き込んだ方が良いという星間政府の判断だと思います。

そして、大きな問題とならない場合は放送が許可されると思いますが、でないと、クマ。」


「でないと何ですかにゃ。」


「取材資料すべて没収、取材担当者と研究者はへき地で軟禁でしょうねえ。」


「それはそうか。そうなりますよね。

いきなり鈍足星間ド級戦艦で首都惑星ごとチョンされるよりははるかにましということでしょう。

まぁ、そこで今回の調査にはそれなりの人を雇うことにしましたがね。クマ。」


フリップ by 放送技術スタッフF : ごめんなさい、今の議論は技術的なトラブルで放送されなかった。ごめん、こん。


フリップ by Pプロジューサー : 取り合えず放送時間がいっぱいになった。延長して、今回の調査について調査員に報告してもらえ。軍事利用どうのこうのは一切放送で話すな。いいな。


「大変申し訳ございません。システムに障害が出て放送が中断してしまいました。 放送時間が終了しましたが、さらに放送時間を延長して、今回の調査結果を報告させていただきます。

チャンネルはそのままで。にゃん。ブル」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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