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47話目 芦高さんの天敵とはだれだ

「シュウたちは雷属性魔法の使い手なんだろう。雷魔法であの黒い霧を晴らせないのかな。」


「確かに雷魔法で黒い霧を取り払うことができますが、芦高さんを入れて全魔力を使ってもおそらく20km四方を裸にするのが精々です。


どのくらいの範囲に黒い霧がかかっているの知りませんが、現状、20km四方よりも広い範囲に黒い霧がある場合には、俺たちの雷属性フィールドよりも強い闇属性フィールドと言うことになります。


つまり、一時は黒い霧を晴らすことができても、すぐに元に戻されてしまうと思います。

それでは占領地の中で獣人族やエルフ族がどうなっているか確認できないと考えます。」


「そうかぁ、もっと広く展開していそうだもんなぁ、あの黒い霧は。


じゃ、大蜘蛛様に占領地に突っ込んでもらい、中の様子を確認してもらって来るというの策はどうだ。

無敵なんだろう、メタル化した大蜘蛛様は。」


「確かに芦高さんは無敵だけど、本当に無敵なんですかね。」

「魔法攻撃も物理攻撃も通らないんだろ。そんな大蜘蛛様にどうやって傷を付けるんだ。」


「我々が知っている方法では無敵だということです。

でも、占領地の魔族が大蜘蛛さんを傷付ける手段を知っているかもしれません。


それと今まで疑問に思ってきたんですが、ずっと過去にエルフ領に現れて大暴れした大蜘蛛さんは、その後どうしたんでしょうか。

エルフ領に甚大な被害が出たことは伝わっていますが、被害を出した後の大蜘蛛さんがどうしたのかわかってないですよね。


大蜘蛛さんより強い者が倒したという可能性は考えられませんか。

とにかく様子のしれない未知のところに俺の家族を単身で放り込むことはできません。」


「悪かったよ。シュウ君にしてみれば大蜘蛛様は大事な家族だもんな。

きっと、俺が同族を思う気持ちよりももっと大事に思っているんだもんな。

確かに、単身特攻は安全な確証がない限り無理な作戦だな。」


「わかってもらってなりよりです。」


「シュウ君。話はそれるが、大蜘蛛様より強者ってどんな存在を考えているのかな。」ソシオさん


「芦高さんって、おそらくオスなんですよね。だから、メスに食べられちゃうんじゃないかと。」


「「えっ、どういうこと? 」」


「芦高さんは高等な生き者なので、オスとメスの交配で生まれてきたと思います。

例えば女郎蜘蛛の場合は交配を目的にオスがメスに近づくと食べられちゃうことがあるそうです。


メスの方が絶対強者なんですよね。


もし、俺たちのように占領地の魔族が大蜘蛛さんのメスを飼っていたら、芦高さんがここでは絶対強者ではなくなると思います。

いないことが分かれば、芦高さんを突っ込ませることができると思いますが。


あと、今思い出しましたが。芦高さんと初めて出会った時に死にかけていました。ねぇ、エリナ。」


「そうだったわ。召喚魔法で人類の領域に召喚された時の魔法の衝撃で死にかけたようなの。メタル化して言葉が話せるようになってから確認したわ。」


「と言うことは、メタル化する前は物理攻撃は通っても魔法攻撃が通じないと言われているのに。大蜘蛛様にダメージを与える魔法が存在するということか。」

「そうです。芦高さんは絶対強者ではないと言うことです。」


「あの芦高さんを死ぬ間際まで至らした者とはいったい誰なんだ、話の流れからするともちろん人類だよな。」イザトラさん


「「「「・・・・・・・・・」」」」


「あれ、人か。」ボソ

「前はギリギリ人だったと思うけど」ボソ

「この頃、本物も瞬殺だと思うよ」ボソ

「私が職校に入った頃はまだ十分に人でしたわ。」ボソ


「シュウ君、何か聞いちゃいけない人類軍の秘密なのかい。」ソシオさん


「秘密にしたいぞ、俺は。今のあの方を紹介していいのか、エルフ領の鰻とスッポンが全滅するぞ。」ボソ

「私、エルフ族に恨まれるのは嫌だわ。」ボソ

「駄女神が天使に思えるよね、やつと比較すると。」ボソ

「神様、お許しください。哀れな子羊をお救い下さい。」ボソ


「かなりやばいことを聞いちまったのか、俺たちは。

あっ、もういい。聞きたくなくなってきた。


皆の引きつった顔と腰が引けているのを見て、地獄の入り口を開けそうになったのは理解したよ。

これ以上開ける前に扉を閉めようぜ。」


「僕は聞いておきたいな。そんなすごい人類がいるのなら。敵対されないようにしないといけないし。」


「どうする、ここで話してみるか。いずれエルフ領に召喚しないといけないしな。」ボソ

「あれをここに召喚するの、ほんとに。ぶるぶる。」

「でも、旧ランク8位をあてがっておけば超上機嫌だよ。

鰻とスッポンは種族滅亡の危機だけど。

あっ、これって大蜘蛛さんと扱いが同じゃねぇ。」

「私は交代で人類に帰らせていただきますわ。ブル。」


「えっと、俺たちにとっては大蜘蛛さんをはるかに超えた恐怖の対象ですが、いずれはここに召喚しなければならないので。

ちなみに召喚してもいいですか。

はっきり言えば俺たちの隊長です。

ただいまの協議の結果、以前は多分人だったということになりました。」


「えっ、シュウ君。

君は大蜘蛛様に致命傷を与える方をこのエルフ領に召喚するというのかい。」


「人類とエルフ族の取り決めに対して人類側の承認者の一人ですので。」


「承認者の一人? 他にも人類側の承認者がいるの。」ソシオさん


「以前にも話しましたが、真の魔王様と言う方の承認ももらっとかないといけないかなぁ。その方が安心だよなぁ。」


「えっ、人類には魔王様がいるのか。」イザトラさん


「魔王様の方がまだ話が通じるかなぁ。多分。」

「もう、シュウ。お母様を魔王だなんて。

お母様はごく普通のどこにでもいる母親だわ。」


「「えっ、お母様と言うことは、エリナさん、いえ、エリナ様様は魔王のお嬢様であらせられましたか。」」


「もうっ、違うの。人類軍ではお母様のことを陰で皆そう呼ぶの。

私にとってはごく普通の母親よ。」


「「一応、その方は人類であらせられるんですよね。」」


「もちろんです。エリナの母親、俺にとっては義母に当たる方ですので。間違いなく人です。」


「できればエリナさんのお母上だけの召喚にしていただけないかと。

もう一方のお方はシュウ君が口にできないほどのお方のようですので。

僕たちでは対応できないかと。」ソシオさん


「わかりました。

まぁ、真の魔王様が承認すれば、死神さんがダメとは言わないと思います。」


「ちょっと待ってくれ、シュウ君。今、死神さんと言ったよな。


もう一人の承認者、大蜘蛛様を召喚し、瀕死に追い込んだのは死神様なのか。マジが。それだったら納得だ。


人が死神になったんだな。

大蜘蛛様を召喚すると死神様になれるのか。

この世の絶対凶者の死神に。」イザトラさん


「えっ、ちょっと話がずれているような、ねっ、エリナ。」

「大蜘蛛さんを召喚すると死神さんになるというのはちょっと違うんじゃない。

それ以外の大事なところは合っているので、ここであえて訂正しなくてもいいと思うわ。」ひそひそ


「ただいまの協議の結果、イザトラさんの話に同意することになりました。」


「そうか、じゃぁ。教えてくれ。大蜘蛛様を召喚する方法をだ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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