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36話目 私の名は、ゴセンちゃん、ちゃうわい怒

俺はやつを手に取って。・・・・・・・・


そっと鼻を近づけた。


かび臭くはないが、ないのだが、ちょっと埃っぽい気がする。


「こりゃ、何をしれっと臭いをかいでいるのですか。レディに失礼な。

私はかび臭くはないわ。

まったくもぉぉぉ、

あなたの駄リングと一緒にしないで。」


"シュウ、どうだった。かび臭くなかった。

かび臭いのを身に着けるのはちょっと・・・・・"


「こりゃ、私を何だと思っているの。こう見えても・・・・・」

「俺と同じように、かび臭いので売られちまったか。ただ同然でなぁ。」

「あなたと一緒にしないでほしいわ。私はちゃんと質屋に・・・・・・・」


"あ~ぁ、流されちゃったのね、あなた。かわいそうに。

やっぱり埃っぽかったのね。

私は土の神殿に長いこといたから、少しは平気だけどね。"

お菓子を食べ終わったソニアが登場


「あなた、お母様を知っているの? 」

"ちっとこの前までは一緒に暮らしていたからね。"


「道理であなたも埃っぽいと思ったわよ。」

"お兄ちゃん、こいつハンマーでべちゃしていい? "


ちょっとまったぁぁぁぁ


「さすがですね、あなたは私の価値をわかっているようですね。」


まだ金を払ってないんだ。払ったら、好きにしていいぞ。


"やったぁ、早く買って。私はハンマー買って来るから。"


「ちょっとお待ちくださいな。お二人とも本気なのですか。

こんなに綺麗で、繊細で、誰もが欲しがるような貴婦人を飾るための腕輪なのですよ。もちろん冗談ですよね。」


いま、店のおっちゃんと交渉して値切ってくる。

こんな埃っぽい腕輪は1万でも高いよな。


「お~い、お店のご主人様。こんな野蛮な、しけた連中に私を売り渡しませんよね、もちろん。」


「おじさん、この腕輪、ちょっと埃っぽいんでかなりまけてもらわないとなぁ、ほしいことは欲しいんだけど。いろいろな意味で。」


「けっ、ばれてしまったか。一番きれいなショーケースに入れとけば誤魔化せると思ったんだがな。


バレちゃしょうがねぇや。

不良在庫は早く処分したいんで、20万でどうだ。」


「冗談でしょう。それじゃ、こっちの指輪の方がいいな。

エリナこっちの35万の指輪はどう。」

「こちらのほうがきれい。ダイヤかしら。どうしようかなぁ。」


「それじゃ、こちらの指輪とこの腕輪で40万でどうだ。すっごいお得だろ。

これ以上まけると儲けがないんだよ。」


「指輪だけを30万にしてもらった方がいいよ、お兄ちゃん。」

「そうだな、どうしても腕輪が欲しいわけじゃないし。

おっちゃん、指輪だけ30万でおね。」


「わかった、もうわかったから、指輪と腕輪で35万でどうだ。

これ以上まけると、一家で夜逃げだ。」


「ちょっと待って、財布を見てみるよ。・・・・・・

あっ、ごめん、30万5千しか持っていないや。

やっぱ、指輪だけでおね。」


「もういいです、それでいいです。指輪と腕輪で30万5千でいいよ。参ったなぁ、」


「あっ、買った。

じゃぁ、ここに代金を置くよ。」


「ああ、今包むから待っていてくれるか。」

「お願いします。」


「まったく、指輪の仕入れ値が25万で腕輪が5千。

結局、儲けが5万か、損していないからいいか。」ボソ


全部聞こえてます。雷ちゃんが念話で拡声してくれました。


「お兄ちゃん、私も一個ほしい。」

「おおっ、良いぞ。おしゃれに目覚めたか、ソニアも。」


「ええと、おっちゃん、こっちの5万の腕輪を5千にして。」

「お嬢ちゃん、それはだめだよ。仕入れ値が4万もしたんだ。まけても4万7千だなぁ。」


「やっぱいいや。

ふ~ん、この腕輪の仕入れ値が4万で、やつが5千だって。ぷぷぷっ。

埃っぽいからだ。ブハハハハハっ。」


おしゃれに目覚めたレディがそんな笑い方をしちゃいけません。


「しくしくしく、どうせ、私なんて埃っぽいから捨てられた身なんです。」

"そんなことはないわ。あなたは素敵な装飾品です。この世に二つとない素晴らしいものです。"


「そっ、そうですよね。私はこの世に二つとない素晴らしい腕輪ですよね。

なんか、あなたとならうまくやって行けそうでわ。


あっちのチンチクリンとは大違いですわね。さすが、大人の女性と言う感じです。尊敬しています。」


"お姉ちゃん、その新しい結婚指輪とこの土腕輪どっちが大事。"

"どちらも大事な、この世に二つとない宝物です。"


「あああっ、私はこのような方を待っていたのです。

私の真の価値をわかってくれるあなたのような方を。

お姉さま、私、あなたにどこまでも付いて行きますわ。

いえ、付いて行かせて下さい。

早速、私をはめて。」


「じゃ、妾をシュウの背中に戻してほしいのじゃ。

よかった、よかった。

そこの土臭い腕輪も良かったのう。拾ってくれる人がいて。」


「私は拾われたのではありません。旦那さんからお姉さまに贈られたものです。

駄剣風情と一緒にしないでください。」


「まぁ、どうでもいいが、おぬしの名は何というのじゃ。」


「きっと、土偶だぜ。」雷ちゃん

「そんな変な名前ではないと思いますわ。

きっと、" 腕輪を作ってみよう教室で素人さんが作って失敗した腕輪 "と言う名前ですわ。」何気に参加してきついこと言うメイドさん


"こいつはゴセンでいいよ。実際、5千バートだし。

それでいいよね、お姉ちゃん。"


"腕輪の名前なんてどうでもいいんじゃないの。名前に価値があるわけじゃないし。"


「さすが私のお姉さま、周りのガサツな女どもとは格が違いますわ。」


で、一応聞くが、本当の名前きなんなんだ。5千の腕輪さん。


「5千ていうんじゃないわよ。

皆さん良くお聞きなさい。私の名は」


あっやっぱいい、そのフレーズを吐く奴はろくでなしだから。もうゴセンちゃんでいいよ。


「うるさいわね、最後まで聞きなさい、私に5千しか出せなかった甲斐性なしが。


私の名はティエラ、大地と言う意味よ。」


"あなたの名前はゴセン、卸値が5千と言う意味よ。ブハハハハハ"


ソニアちゃん、そんな笑い方は止めようね。下品だから。

ゴセンちゃんと同じになっちゃうよ。


「この甲斐性なしは何ていうことを言うの。

私は30万で、そっちの指輪が5千でしょ。」


"それは違うわよ。この結婚指輪が30万で、あなたが5千。

でもね、シュウが買ってくれたものはこの世に二つとない価値を持つの私には。

だからあなたも大事な私の宝物なの。"


"でも私には5千にしか見えないよ。ププププッ。"

"いいの。私には。5千のモノでも億でも買えない価値があるの"


"お姉ちゃんの気持ちはよくわかるけどね。

でも私には5千だよ。ププププッ"


「もう、お姉さま、このチンチクリンを何とかしてください。

んっ、・・・・・・・、あなたは。


おほん・・・・・・・・


チンチクリン様じゃなかった、お嬢様、今日はお日柄も良く、絶好のお買い物日和でございますね。

その上、一段とお美しい。

その高級なお召し物は大変お似合いですよ。」


"どしたの、ゴセン、急に気持ち悪いんだけど。"


「あなた様を、このお姉さまと同じくらい、お慕い申し上げておりますわ、おほほほほっ。」大声


「ちっ、覚醒した使徒だったが、まずいわ。

私の使徒を早く探し出して覚醒させないと。

それまでの辛抱だわ。」こそこそ


なぁ、ゴセンちゃん、そのつぶやきが丸々聞こえているんだけど。


「うっそう、なぜわかるの。」


「アーティファクトの話は全て念話で聞こえているのじゃ。

ここにいる妾らアーティファクトを持つシュウとエリナ、ソニアにはのう。」


「おはば、そういう大事なことは先に言ってよね。んっもう。

ソニア様、今日は段とお綺麗で。」


"マジでキモイんだけど。

お姉ちゃん、やっぱ捨に行こうよ。

何なら私が魔族の大陸に捨ててこようか。"


「こりゃ、チンチクリン、調子に乗ってんじゃないわよ。

私だって、私だって、私の使徒が見つかれば・・・・・・。メソ


今日のところはこれぐらいにしておいてやるわ。プンプン怒」


「姉ちゃん、なんか俺以上ににうるさいやつが湧いてきたんだが。」

「あなたはうるさい自覚があったのね。」

「うるさくて昼寝もできんのじゃ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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