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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第11回放送

「7時になりました。こんばんは。7時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第11回目を、放送時間を延長してお送り致します。キャスターはいつものまねき猫です。

それでは、前回放送以降の調査の進展についてDデレクターに報告してもらいます。それではよろしくお願いしますにゃ。」


「はい。よろしくお願いします。


本日は調査報告ではなく、慰労会を開いて、日頃名無し星でお世話になっている方々をお呼びして、その様子を中継したいと思います。


もちろん、特派員の皆も中継半分、慰労半分で存分に楽しんでもらいたいと思いますにゃ。」


「今回は慰労会ですか。

確かに、現地の特派員は慣れない土地にもかかわらず長期間の取材を敢行しておりますね。

中にはN特派員のような、半分現地に住み着いて、駐在員のような形になっているにゃんこもおりますけど。


しかし、あまりに唐突な感は否めませんが、慰労会を開く何か特別な理由はありますかにゃ。」


「実は再び、地球の調査依頼者様よりお手紙をいただきました。


その中には、これから年末にかけて地球ではクリスマスとか年末年始とか一年のうちでも最も忙しい時期に入ってくるということで、名無し星ではどのような年末年始を過ごすのか調べてほしいとのことでしたにゃ。」


「年末年始の取材ですか。それは大変そうですね。

ここ星間連合の首都でも年末年始はいろいろな行事が目白押しで、我々報道に携わる者は年末年始特有の行事や多発する事件事故の取材で、毎年てんてこ舞いになりますね。


私も去年は4日間局に缶詰め、夜の睡眠時間平均2時間ということもありました。

まぁ、その分昼寝を8時間しておりましたので、何とか乗り切れましたがにゃ。」


「そうそう、私も年末は素人さんクイズ番組の制作で1週間徹夜なんてこともありましたね。

何とか昼寝を13時間とって乗り越えたのは懐かしい思い出ですにゃ。」


テロップ by アナウンス室長 : さぼりニャンコは研修所へ

テロップ by 狛犬 : 去年、貫徹が4日間続いたのはあのニャンコがさぼっていたせいだったのか。驚愕の事実だわん。

テロップ by B取締役 : にゃんこが社長をしてい時点で察しろ、局の現状をわん。


「そんな忙しい年末年始の取材をした特派員たちを労おうという慰労会ですね。

んっ、・・・・・・・・それだったら年末年始の後ですね。

この時期に慰労会というのはどういう意図ですかにゃ。」


「まぁ、先にやるか後にやるかの違いですが、その辺は地球の調査依頼者様の事情によりますのにゃ。」


「調査依頼者様の事情ですか。どのような背景がございますかにゃ。」


「実は名無し星の年末年始の調査依頼? 取材依頼の費用に大量の里芋が送られてきましたにゃ。」


「取材費用に里芋ですか。ちょっと唐突過ぎて私の理解の範囲を超えていますにゃ。」


「実は私もそうなのですが、調査依頼のお手紙を読み進めて行って納得しましたにゃ。」

「どのようなことが書かれておりましたかにゃ。」


「地球の山形県というところではなんでも、秋になると河原で里芋を煮て食べる"芋煮会"と言う宴会というか恒例行事があるらしく、特派員やこれまでインタビューしてきた人をこの里芋を用いた芋煮会でもてなしてほしいとのことです。


当局の特派員には名無し星での年末年始の風情を取材してほしいので、特に労わってほしいとのことですにゃ。」


「まとめると年末年始の取材に備えた慰労の先渡しを芋煮会なるものでやってほしいということですかにゃ。」

「そのとおりですにゃ。」


「私も研修で疲れたので、労わってほしいにゃ。」

「私もにゃ。」


テロップ by A社長 : 毎回、テロップとフリップ出しで疲れたので労わってほしいにゃ。

テロップ by B取締役 : 社長のそれ以外の仕事は日向で昼寝だから、慰労の必要はなし。俺なんて、例の当局爆破未遂騒動の事情聴取で星間軍に1ヶ月間拘束されたぞ。俺こそ労われ、わん。


「しかし、芋煮会とはどのようなものですかにゃ。」


「そこは抜かりはありません。

当局の社食のコックさんが以前地球を旅行したときに静岡おでんと共に芋煮会のメニューも習得していましたにゃ。」


「それは素晴らしいですね。もしかして我々の慰労会もありますかにゃ。」

「そこは抜かりはないです、お任せください。我々も慰労してもらえる手はずにゃ。」


フリップ by 社食のコックさん 「豚肉と牛肉どっちがいい? 」


「えっ、ちょっとお待ちください。フリップでおかしな質問が出てきました。

牛肉と豚肉のどっちと書いてありますね。


そんな選択はありえませんね。

何かの手違いですね、きっと。にゃにゃにゃ。」


「そうですね、そのどちらかの選択なんてありえません。


きっと初めてのフリップ参加で、緊張して、コックさんも書く材料を間違ったのですね。それで納得です。

正しくはタラか鮭のどっちが良い? ですね。


ちなみに私は鮭です。にゃ」


「えっ、鮭? ここはタラでしょ、タラ。

お鍋の定番、白菜と双璧をなすタラですよ、にゃ。」


フリップ by 社食のコックさん 「芋煮会のたんぱく質は豚肉か牛肉なんだよ。

どっちがいい? 」


「えっ、そんな・・・・・・にゃ。」

「そんなはずはない。

地球の山形県庁の観光振興課に問い合わせろ。

今すぐにだぁ。

ありえんぞ鍋物に肉なんて。・・・・・・・・にゃ。」


フリップ by A社長

「そんな、慰労会を楽しみに今日は会社にスキップしながら来たのに。この世の終わりだぁぁぁぁぁ。


ちょっと待てよ、地球では肉かもしれんが、ここ星間連合首都での芋煮会は魚にすればいいんだよ。

そうだよ、トレンド発信の当局がそうすればいいんだよ。


肉なんて芋煮会では邪道ということを星間、次元間で広めてしまえば勝ちじゃね。


よし、今日から芋煮会のたんぱく質は鮭だ。にゃ~ぁ」


「鮭、・・・・・肉よりはましですけど、お鍋に鮭はいまいちだと思います。


私、まねき猫の権限で今日より芋煮会のたんぱく質はタラと決定致しました。

視聴者の皆さん、タラで広めていきましょう、にゃぁぁぁぁぁ。」


「何を言っているんだ、まねき猫アナは。研修所で協調性を学んできたんじゃないの。

ここは社長のおっしゃる通り、鮭で決定だ。にゃ。」


フリップ by A社長 「協調性のないまねき猫は研修3ヶ月、その間、お魚定食一切なし。お魚に接触禁止3週間とするにゃ。」


テロップ by B取締役 : ただいま臨時役員会が開催されました。

Hワンコ取締役の動議で、番組で事実を捻じ曲げて放送することを強要したA社長の職務を3か月間停止することに決定いたしました。


その間は海の孤島のぽつんと第2研修所でコンプライアンスと放送倫理について研修してもらうことが決定。

また、研修中は焼き魚の匂いをおかずに焼肉定食を毎日食べてもらいます。


さらに、研修中はお魚に接触禁止です。

浜辺に打ち上げられたお魚に勝手に触った場合は研修期間をさらに6か月間延長します。


なお、研修後の煮干し1本は廃止です。


次に、事実を捻じ曲げて放送したまねき猫アナとDデレクターもA社長と一緒に研修してもらいます。

、以上


「大変失礼しました。キャスターを交代します。

いつもの代理キャスターの狛犬です。


当局の放送に一部誤報があったため、お詫びするとともに改めて放送を始めます。

大変ご迷惑をおかけいたしますが、チャンネルはこのままでお願い致します。


なお、特報番組の放送終了の時間ですが、豚肉か牛肉かの決着がついておりませんのでこのまま放送を続けさせていただきます。わお~んっ」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


10/5より、「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。


この物語は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

死神さんと旧ランク8位が結婚式のために故郷に帰ったときの物語です。

時間的には本編と同じ時の流れになっていますので、別伝としてお伝えすることにしました。


シュウが風の大精霊と会合した後の本編の進行に大きく影響してくる別伝ですので、本編ともどもよろしくお願い致します。



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