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23話目 カロリーナ、無双する?

「話を蒸し返して悪いけど、大事なことだね。

エルフ族と人類との外交に当たっての寿命の違いという理は。


我々はその短さゆえに短期での成果を求めるだろうし、エルフ族はその寿命の長さから急な変革は嫌うだろうし。


いずれにせよ、相手のことをまずよく理解することから始めるよ。

駄女神さんの焦りももしかしたらその辺に起因するのかもしれないね。」


「駄女神さんの焦り?」


「そう、駄女神さんは今はすべての事柄を前に進めようと焦っているよね。

エルフ男若衆狩りなんてのもその証だよね。


まずは何かきっかけにして、話や仕事を一緒にしてみて、相手を知るところから始めないといけないのにな。

もう、彼氏を作る形にこだわって、そこに相手を強引にはめ込むことに専念しているね。


今回の魔族との戦いの指揮もそうだった。

戦う相手も良くわからないのに、戦いに勝った前提で予定が決まっていたよね。」


「そういえばそうだったわね。

その予定を聞いた時に余りに明確なものだから、優秀な指揮官だと思っちゃったわ。」


「そういえば指揮は俺任せで、予定だけを決めていたような感じだったな。


相手の情報を確認もしないで、とにかく現地に行けと言われて、行って第22師団から俺たちが敵の情報を聞き出したな。


もう少し、第23基地で事前に情報を確認すべきだったな。俺たちの油断だよね。」


「一つの焦りが全体の動きを良くない方向に引っ張って行くことはよくあるよ。


僕は焦らず下交渉をするよ。

最悪、今回の交渉で何もまとまらなくてもエルフ族と言う新しいと友と知り合いになれただけでも普通の人が一生経験できないような素晴らしい体験だからね。


だから、シュウ君たちの冒険組も風の聖地が見つからなくてもエルフ領の旅をできただけでも一生の宝と思って、決して風の聖地の発見と言う成果を上げることに焦らないでほしいな。」


「ありがとう。そうするよ。

探索は焦らずに、旅を楽しんできます。」


「ほんとは僕も冒険がいいけど、焦りまくりの駄女神さんを一人にしては置けないからね。今回は旅は諦めるよ。」


「その代わり私がタ~っプリとかわいがってあげようかねぇ、カメさんとやらを。

むひひひひひっ、おいしそう。」


あっ、焦っている方をもう一人発見。

カロリーナさんはエルフ族なんだから駄女神さんみたいに男に焦らなくてもいいのではないかな。


「さっ、ちょっと早いけど、お昼にしなよ。

午後からは遠くマドリンまで行く者もいるんだろ。

早く出発して、マドリンの宿にいったん落ち着いた方がいいよ。


今日来るとは思わなかったので、こんなものしかないけどね。

腹は膨れるからいっぱい食べてってね。」


そう言って、村長の奥さんが近所の奥さんエルフと一緒に大きなさらに湯気がいっぱい立てている蒸し饅頭、肉まんかな、を持ってきた。


「それと汁物は豚汁だよ。

もう、来るときは事前に行っとくれよ、シュウ。


全くそういうところが甲斐性がないというか気が利かないというか、エリナちゃんも旦那をきちんとしつけておかないと子供が生まれてから苦労するよ。


私なんて苦労しっぱなしさ。

新婚の頃もっと締めとけばよかったよ。」


あ~あっ、よその奥さんエルフの前でも俺の甲斐性なしのうわさをばらまいているよ。

これはもう全エルフおばちゃんに知れ渡って、そのまま、職校生エルフ女子や中学生エルフ女子にも伝わったな。


終わった、俺のエルフ領での極秘ミッション"エルフメイド戦隊ご主人様お世話しま~すズ"の結成が砂上の城と化したな。


マジで、誰もエルフ女若衆が寄ってこねぇよ。


「シュウは甲斐性なしなのかい。」

「そうなんです、カロリーナさん。

うちのシュウは甲斐性なしなんで妻の私が一所懸命に支えていく必要があるんです。

すごく苦労しています。

はぁ、ストレスで禿げそうなくらい。」チラッ


エリナちゃんそのチラッはなに?


"うへへへへへっ、これでシュウにちょっかいを出すエルフ女子は皆無だわ。

村長の奥さんナイスホロー。"


まさか、村長の奥さんとエリナ、ソニアがグルになって俺にエルフ女子を近づけないようにしているのか。


「あっ、エルフの若い女の子は違うけど、成人したエルフ女子は男が甲斐性なしでも全然問題ないから。

エルフ男は甲斐性がないのがデホだから。


パキトなんかのようなやつが例外だから。

甲斐性ないし男、どんとこい。


私は甲斐性なしエルフ男衆に避けられているから、人類の甲斐性なしに興味が湧いてきたんだ。

まぁ、寿命が違うけど添い遂げたら、次を、もしかしたらその次までは行けるかもな。


人類女子は甲斐性なし男を避けているのか。じゃ、私の天下だな。

甲斐性なし人類男、待ってろよ~ぉ、このカロリーナ様がまとめて娶ってやるからね~♡。


ねぇ、エリナちゃん、シュウもいらなかったら頂戴。ペットにするから。」


「だめぇぇぇぇぇぇ、絶対にだめぇぇぇぇぇ。

シュウは夜以外は物凄く甲斐性があるの。

3年で結婚資金と新築の家が買えそうなぐらいの稼ぎもあるわ。


だから、甲斐性なし男好きのカロリーナさんには全く合わないと思うわ。


あっ、カメさんならいいわよ。今フリーのはずだから。

何ならのしを付けておきましょうか。

もうすぐ年末よねぇぇ、お歳暮に送りますわよ。


下交渉の間に十分に堪能してくださいね、カメさんを。」


「エリナがカメを切り捨てたのじゃ。

哀れなカメじゃ。

本来ならここで浦島何とかが助けに来るのが本筋じゃがのう。」

「誰もいねぇな。」


タイさんがいるよきっと。俺は怖くてこの二人の間に近づけん。


「だから甲斐性なしと言われるのじゃ。ここは男としてどんと・・・・・。」

「どんとなんだ、おばば。」


「無理じゃ、甲斐性があっても無理じゃ。

甲斐性があったらあったで、どちらにせよカロリー●イトの餌食になるシュウの未来しか見えてこんのじゃ。」


「おばば、それはまずいぜ。

カロリー●ロにシュウが取り込まれたら俺の愛人兼美人秘書として立場がなくなるぜ。


そうすると当然、またタンスの奥に逆戻りだぁぁぁ。

何とかしてくれシュウ。このカロリーゼ●をよう。」


「カロリーナさん、カメさんは大事な交渉相手ですので、交渉前に捕食にするのはちょっとまずいのではないかと思わないでもない、いや、やつぱり思わないかなぁ。」


「シュウはほんとに甲斐性がないな。別に私はそれでもいいよ。

カメちゃんも一緒に私に囲われればいいじゃねぇ。」


「シュウはだめ。カメさんはいいわ。」


「ついに天然平目ちゃんの本音が出たのじゃ。

前は楽しく皆で龍宮城なんちゃらを演じておったのにのう。」

「まぁ、月日は人を裏切らず平等に過ぎていくが、月日で人は変わってしまうということじゃねぇか。」


「それはエリナが成長したということかのう。」

「まぁ、小狡くなってのは確かかな。」


「僕の意思が全く反映されていないことらついて、シュウ君ひとこと。」

「あきらめて、カメさん。」

「・・・・・・」


「まぁ、男の取り合いもいいけどまずは腹ごしらえをしてからにしな。

カロリーナさんもあんまり人類をからかっちぁ、人類に変な噂が広がってしまうよ。


ソシオ様について行って、人類領に移住してみたいんだろう。

移住する前から変な噂が立っては、ほれ、移住の目的が達成できないじゃないか。


だからここはおとなしく、昼めし食って、早速カメさんと交渉を始めなよ。

交渉中に何が起こっても、見て見ないふりをしてやるからさぁ。」


「何が起こってもみてみないふり、何が起こってもねぇ・・・・、

何かが起るかもね、カメちゃん。でへへへへへへ。」


「・・・・・・僕って、死神さんに拉致された旧ランク8位の方と同じになっちゃうんじゃないかなぁ・・・・・」

「いや、カメさん。カロリーナさんはまだ人扱いしてくれるって。

その上この美しい若若さがずっと続くんだよ、たぶんカメさんがよぼよぼになっても。


エルフ女子だから。

やっぱエルフ女子はお買い得だよな。」


「シュウ、ちょっとこっち来なさい。

まさか、エルフの愛人を囲うことを考えているんじゃないでしょうねぇ。

全く油断も隙もないわね。

まだあきらめてないのエルフメイド戦隊なんちゃらの設立。」


「あ~ぁっ、エルフメイド戦隊にまで話が戻ってしまったのじゃ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


10/5より、「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。


この物語は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

死神さんと旧ランク8位が結婚式のために故郷に帰ったときの物語です。

時間的には本編と同じ時の流れになっていますので、別伝としてお伝えすることにしました。


シュウが風の大精霊と会合した後の本編の進行に大きく影響してくる別伝ですので、本編ともどもよろしくお願い致します。


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