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22話目 人の理 エルフの理

村長の奥さんやカロリーナさん、アイナ、アラナのエルフ女子の前を通り過ぎるときに、なぜが一歩引いたような形になってしまった。


甲斐性なしがエルフ女子に知れ渡っている。きっと。


"これで一安心だわ。シュウの甲斐性なしのうわさが広がってくれれば愛人候補としてすり寄ってくるエルフ女子もいないでしょう。

その上、エルフメイド戦隊ご主人様お世話しま~すズの結成もエルフの木々の朝露となって消えたも同然だし。

これで安心して、エルフ領を冒険できるわね。"


"お姉ちゃん、良かったわね。

ただ一つ気を付けなければいけないことがあると思うわ。"


"何のこと、ソニアちゃん。"


"そんな甲斐性なしのシュウをかわいいと言ってすり寄ってくる年下好きのお姉さまエルフがいないとも限らないわよ。

むしろ普通のエルフ女子の方が追っ払いやすいかもね。


あのカロリーナさんなんて危ないんじゃない。

駄女神と似たような境遇だし。"


"確かにまずいわね。2人で引き続き注意を怠らないようにしましょう。

いいわね、ソニア隊員。"

"了解です。エリナ隊長。"


と言うような言葉を2人で交わした後、俺とカロリーナさんの間に常にエリナかソニアが入ってくるような立ち位置を取っていた。

いくら何でも警戒しすぎでしょ。


村の門のところで簡単な挨拶を交わした後、人類と集まってくれたエルフたちと一緒に村の集会場に移動した。


芦高さんは群がってきたエルフの子供たちと集会場隣の広場で遊び始めた。

外から見てると芦高さんにエルフの子供たちがじゃれついているような感じだ。


子守をさせているようで申し訳ないが、芦高さんが楽しいと言うのでしばらく遊んであげていてくださいな。


集会場の中で簡単な再会のあいさつの後、村長さんの奥さんが入れてくれたお茶とタイさんが持ち込んだクッキーを食べながら今回の訪問の目的や予定を改めて確認することになった。


本当はお互いの料理を持ち寄って食事会をする計画もあったが、料理をする時間を確保できるほど駄女神さんを制御することができなかったので、村長の奥さんにその辺を話して、互いの料理を楽しむ食事会はまた次回と言うことで了解をもらった。


「今回の目的ですが、まずは人類とエルフ族が外交を行うに当たって、その道筋を付ける下交渉をすることを希望します。


この辺は人類側はカメさんと駄女神・・・・・、交渉の場に姿を見せなければ、カルさんが後で駄女神さんに報告をお願いします。


今のところ、この下交渉の成果は死神さんと言う、我々旅団の中隊長、実質、旅団の支配者、人類の2大恐怖が確認を行い、その後に本交渉に入ると思います。


本交渉には死神さんともう片方の大恐怖様、真の大魔王様と言う方のご意向も反映させたものになります。

ちなみに、人類の2大恐怖はどちらも人類、たぶんですけど、確かめることが不可能なので、もう2大恐怖魔王でいいか。


この2大恐怖魔王が承認すれば旅団とエルフ族で取り決めたことなどは直ぐに人類側で有効になるはずです。


この辺の本交渉から取り決めへの流れなんかも今回の下交渉で確認してもらえばと思います。


これでいいですよね、カメさん。」


「う~ん、そうだね。

本交渉での取り決めは誰の承認を有効とするかは一度人類領に持つ帰って、死神さんと相談することになりますが、流れとしては今シュウ君が言った通りになると思います。


他の部分についてはシュウ君が言った通りで構いません。」


「エルフ側の下交渉役は人類担当の外交行政官である村長の私と王族と族長会議よりカロリーナさんが参加する予定です。


外交の取り決めなどを行う場合はさらに、王太子が交渉に入ってくる予定です。

取り決め等の承認者は国王です。」


「交渉はこの村で行うことになりますか。」カメさん


「その方がいいでしょう。死神さんと言う方、大魔王様? にも直ぐに連絡が取れるでしょうから。

エルフ族は王族と族長会議との連絡チャンネルは既に開かれた状態です。」


「それではこの集会場を交渉の会場に使用させていただきますね。」カメさん

「そう致しましょう。」


「えっと、次に俺たち風の聖地の冒険組ですが、人類側は俺とエリナ、ソニア、タイさん、そして、芦高さんです。


こちらは俺たちの休暇の旅行と言うか興味というもので、それにエルフ族の皆さんを巻き込んでしまって、申し訳ありません。」


「それは気にしなくていいよ。私たちも風の民と自称するエルフ族ですから、風の聖地があるとすれば是非行ってみたいと思うんだ。


万が一、空振りでも、人類の方と一緒に旅を、冒険を通して交流することがとっても楽しみですよ。

だから、気にせずに一緒に冒険を楽しみましょう。


場所的に夏場であれば楽しい登山なのだけれど、今の季節はさすがに冬山登山になるので、案内人や装備などはできるだけ整えるけど、油断しないようにお願いしますね。


エルフ族の同行者は私、ソシオ、この村からはパキトとアイナ、アラナの3兄妹

です。

目的地のバルデス山脈の最寄りの町、マドリンで案内役を数人雇い入れる予定です。これは現地に行ってからだね。


実は現地の地域行政官に人選を任せているから、私もだれが来るかは今は知らないんだ。

まぁ、最も適切な人員を紹介してくれていると信じているけどね。」


「わかりましたよろしくお願いします。

ところで出発はいつですか。」


「ここで昼食後に、王都に隣接する城壁都市に転移し、そこからまたマドリンの町に転移と言う予定だよ。


王都にも是非滞在してもらいたいんだけど、今回は冒険と言うことで日程が読めないので、冒険の帰りに王都に寄ってもらおうと考えているよ。


国王も皆さんにお会いすることを楽しみにしていました。

特に、姪にあたるソニアさんには是非にお会いしたいとのことです。


まぁ、エルフには時間がありますので、まずは人類の方々の用事を済ますのが優先だね。」


「ありがとうございます。そうさせていただきます。

ソニア、おじさんだって。会いたいかい。」


「お母様のお兄様なのよね。

先日はお母様が人類領に戻ってからのことを王太子とソシオさんに聞いたので、今度は、お母様の小さい頃の話を国王様に聞きたいわ。

それとお爺様のこと、お婆様のことも知りたいわ。」


「ソニアちゃんのルーツね。どんな方だったのかしら皆さんは。

私もソニアちゃんの新しい家族として是非、国王様にはご挨拶をしておきたいわね。

シュウもそうでしょ。」


「もちろんだよ。この場でこんなことを言っていいかわからないけど、俺とエリナはいつかはソニアをエルフ族の親族に託さなければならない。

つらいけど別れは必ず来る。


それが人とエルフが交わるという理だよ。

寿命と言う両種族の理を十分理解して、付き合っていく必要があると思う。」


「お兄ちゃん、その理はわかっている。

でもね。まだ家族として始まったばっかりよね。

その話は徐々にしていこうよ。」


「悪かったよ。今は家族として一緒に前に進んで行こうな。」

「「うんっ。」」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


10/5より、「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。


この物語は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

死神さんと旧ランク8位が結婚式のために故郷に帰ったときの物語です。

時間的には本編と同じ時の流れになっていますので、別伝としてお伝えすることにしました。


シュウが風の大精霊と会合した後の本編の進行に大きく影響してくる別伝ですので、本編ともどもよろしくお願い致します。


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