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13話目 戦いの後はペット魔族さんの出番なんですよ

さぁ、魔法を叩き込もうというその瞬間。


"闇魔族は雷属性フィールドでやられて戦闘可能な者はいないようなんだな。


わずかに残った炎魔族が抵抗しようとしているからサンダーアローよりもアイスアローを高密度で僕が展開した雷属性フィールド全体に打ち込んでほしいんだな。"


芦高さんからの情報と依頼が届く。


しかし、ソニアはすでにサンダーアローを生成し終わり、叩き込むだけになっており、今更魔法のキャンセルはできない。

戦闘不能な闇魔族にさらに止めを刺すのは俺たちの戦い方ではない。


「ソニア、生成したサンダーアローを後方に置き去ってきた敵偵察部隊に向けて打ち込んで、そのあと改めて魔力1/5でアイスアローを高密度生成。

芦高さんの雷属性フィールドを覆うように打ってくれるか。


エリナはアイスシールドを展開。炎魔族の反撃を遮断して。」


「「了解。」」


ソニアが生成済みのサンダーアローはその行き先を急遽変更し、俺たちの後方に向けて飛ばした。


そして爆音と光の乱舞。

それと同時に俺は頭上にから震えがくるほどの冷気を感じた。

ソニアのアイスアローの生成である。


こちらも一本一本は魔法の氷の矢であるはずなのだが、確認できるのは大きな氷の塊。今にも俺たちに落ちてきそうで怖いんですけど。ぺちゃなんですけど。


しかし、固まりに見えるなんて、どんだけ高密度なんですか。


「ソニア、掃射。」


氷の塊がものすごいスピードでまさに落下していく。

次の瞬間、爆音とこちらの方は白い煙と黒い煙が。

白い煙は地面に衝突したエネルギーで氷が水蒸気に変化させられたもの。

黒い煙は白い塊の衝突で地面がえぐられ、土や砕けた岩が巻き上げたられたもの。


結局、前方にも後方にもでっかいクレーターができましたとさ。


芦高さん大丈夫か。


"土まみれになったんだな。でも、僕のメタルボディは土なんて弾いちゃうんだな。"


全く変化ないようです、心配ご無用仕様です。


「さすが風の使徒だな。俺よりもクレーターがでかくて深いよ。」

「また、一つ伝説のクレーターが生まれたということね。」


「社は大丈夫かしら。」

「社って、壊れるのか?」

「形あるもので壊れないのはメタル芦高さんだけよ。」


「芦高ちゃんはどこ行ったの。

あっ、居た。

何かを探し回っているみたいだけど。

もしかして、社の残骸を拾い集めているとかかなぁ。」


「芦高さんはねぇ、緑の魔石と大きい白い魔石、社、他には魔族の生き残りを探しているの。」


「魔族の生き残りを? 止めをさすために?

生き残っている魔族は今の攻撃でいなさそうだけど。あっ、数体いるわ。

それを芦高ちゃんが糸でぐるぐる巻きにして、引っ張っているわ。


止めを刺す、もしかして餌にするつもりなの。

生きている魔族が芦高ちゃんの食事になるの?」


「ソニア、そのことは後から説明するよ。まずは社を探索してくれるか。

エリナは緑の魔石の探索をお願いするよ。


クレーターの端っこに移動しながら探索してくれないかな。」


「わかったわ。」「了解です。」


俺以外は戦闘終了後のいつもの探し物をし始めた。

何か大事なことを忘れているような。

まぁ、忘れたぐらいだからきっと大事なことじゃないんだな、きっと。


クレーターの端っこにたどり着く前に探索は終わっていた。

風の使徒がいるのがなんとも心強い。


「お兄ちゃん、社を発見したよ。

クレーターの向こう側、ここから10時の方向、約3000mのところにあるわ。

今のところ魔族軍の気配はないわ。


しっかし、このクレーターが邪魔ね。少しだけ回り込まないといけないわ。

誰、こんなもの作ったのは。皆の迷惑じゃない。プンプン怒。」


「「・・・・・・・」」


ソニアももしかして、天然平目ちゃんか?

区別がつかなくなるから天然カレイか。

あっ、カレイは俺の役だったなぁ。


「緑の魔石は芦高さんが回収したそうよ。

今、ぐるぐる巻き魔族4体を連れてここに来るって。」


「それじゃ、芦高さんを待って、クレーターを迂回しながら社に向かうとしますか。」


2分後、芦高さんが背中に4つのぐるぐる巻きを括り付けてゆっくりやって来た。


「ご主人様、今回の生き残り魔族は4体なんだな。

急いだ方が良いんだな。皆、かなりの重症なんだな。」

「わかった、ぐるぐる巻きを外してくれるか。」

「了解なんだな。」


芦高さんは魔族から糸を回収し始めた。

ぐるぐる巻きから現れた魔族はいずれも凍傷と外傷だらけだった。


「エリナ、いや、ソニア治療してくれるか。」

「えっ、芦高ちゃんの餌を回復するの。生じゃないと食べないの? 」


「まぁ、今事情を説明するからまずは死なないように回復してくれるか。」

「わけわかんないけど、もう命が消えそうなんでとりあえず全員にハイヒール、それ。」


ソニアはハイヒールを掛けたが、受けた傷がやばすぎて、意識が戻るほどは回復できないようだった。


「一回じゃ無理ね、もう一回やるわね。」

「あっ、そこまではいいんだ。とりあえず命の火が消えなければそれでいいんだ。」


「ますます訳が分からないわ。

助けるなら意識が戻るぐらいは回復した方が良いと思うのだけれど。」


「彼らを完全に元に戻すのは俺たちの役割ではないんだ。」

「えっ、じゃ誰が回復してくれるの。」

「うふふふっ、ちょっとシュウを見ててね。」

「?」


「おばちゃんかメイドさん、例の空間に繋げてくれるか。」

「妾は昼寝中じゃ。」

「んっもう、ご主人様が御用なのに昼寝で断るなんて。

そんなぐうたら生活していますとボケますわよ。」


「zuuuu」


「困ったおばば、駄剣ですわね。

今繋げますので、少々お待ちください。

はい、繋がました、どうぞ。」


「ペット魔族さん、聞こえる?」

「聞こえていますよ。今日も戦闘がありましたか。皆さんの方はご無事ですか。」

「俺たちは何ともないが、また、多くの魔族の魔族の命の火を消してしまったよ。」


「それでも私を呼び出したということは、少しは助けていただきましたか。」

「そうです、4体だけですが。とりあえずは命の火が消えることはないようにこちらで対処しました。

後はいつものようにお願いしてもいいですか。」


「わかりました。こちらに送ってください。」


メイドさんの力で倒れている魔族をペット魔族さんの空間に搬送した。


「いつも同族を救っていただき、ありがとうございます。」


「そちらの様子はいかがですか。何か必要な物はありませんか。」


「そうですね。魔族もだいぶ増えてきましたので、村づくりをしようかと思っています。

農業も順調ですし、酪農も始めたばかりですが、まずは順調でしょう。


できれば鶏と豚がまたほしいころです。

輪作をするために休耕地が結構出そうなので、牛なども可能でしたらいただけたら。


乳からヨーグルトやチーズが作れます。余った作物はお渡ししますよ。牛の代金には程遠いでしょうが。」


「今度、農村に行ったら当たってみます。それよりもヤギを増やした方が良いのでは。飼いやすいでしょ。」

「ヤギ、ヤギねぇ、ははははっ。」

「ヤギがどうかしましたか。」


「いやぁぁぁぁ、この前いただいたヤギたちですが、いやぁぁぁぁ。」

「なんか悪さをしましたか。性格が悪いヤギだったとか。」

「とても素直で働き物なのですが、これが、また働き者過ぎて。」


「働き者過ぎて?」

「雑草を食べつくして、作物にも手、じゃなくて口を出し始めちゃいまして。」

「えっ、菜っ葉類を食べちゃったんですか。」


「いゃぁぁぁ、困りましたね。」

「それは困りましたね。はははははっ。」


「お兄ちゃん、困りましたね。はははははっ、じゃないでしょ。

何魔族と農夫会話を弾ませているの。いったいどういうことなの。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


10/5より、「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。


この物語は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

死神さんと旧ランク8位が結婚式のために故郷に帰ったときの物語です。

時間的には本編と同じ時の流れになっていますので、別伝としてお伝えすることにしました。


シュウが風の大精霊と会合した後の本編の進行に大きく影響してくる別伝ですので、本編ともどもよろしくお願い致します。


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