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今さら遅いけど、ノームの懺悔の部屋へようこそ 私は6人目

「アクアちゃん、お疲れなのじゃ。漸く一区切りついたわい。


ゆっくりと例の店のクッキーを堪能するとしようかのう。」


「ノームちゃんもお疲れ。190年か、長かったような、短かったような。


クッキーが湿気ちゃったのは悪かったけど、仕方ねぇんだからな。

俺の体はそういう仕様なんだからなぁ。」


「儂がソフィアからソニアちゃんを取り上げてしまったんじゃ。

それでソフィアは完全に心を閉ざしてしまったのじゃ。


そして、閉ざした心を再び開いたのがソニアちゃんの巫女であるソシオか。

そのソシオが今度はソフィアの遺言をソニアちゃんに伝え、ソニアちゃんの風の使徒としての覚醒を促しんじゃ。


運命の会合とはこういうものじゃな、輪廻に集いし者どもにとっては。


なんと太い糸でつながっているものよな。


しかし、ソニアちゃんが頑張って乾かしてくれたのじゃが、味は元には戻らんな。」


「ソニアちゃんが風の使徒であることはなんとなく感じていたが、土と水の属性であるソニアちゃんがどうやって風の使徒に覚醒するのかがとんと予想がつかなかったよな。


それが輪廻の会合に集いし者どもの中心にいる者のシュウと光の公女(仮)のエリナとから、きっかけはどうあれ、家族として慕い慕われていたんだ。

そして、風の大精霊のシルフィードちゃんたちのおひざ元のエルフ領に渡り、ソフィアの溢れんばかりの娘への愛情をその全身で浴びて、覚醒したか。


だから、俺に乾き物を買わせちゃダメだってあれほど言ってんだろ、チンチクリン×2め。」


「儂とチンチクリンは各属性の使徒が誰であるかおおよそは感じ取れるが、それを覚醒する方法までは良くわからんのじゃ。

今まで覚醒したのは闇と風の使徒か。


しょうがないのじゃ。儂は出禁だし。

最近の教会のお供えはカツオ節だのおあげだのと、もらっても困る物ばっかりなのじゃ。東京バナ●、また来ないかのう。


まっ、全くお供えのおの字も来ないお漏らし神殿よりははるかにましじゃがな。」


「チンチクリン×2が行ってはいけないことを平然と言い抜けやがったな。


お前の土埃りの神殿だってだれもお供えを持ってこないじゃないか。

お供えを持ってくるのは教会へだ。勘違いしてんじゃねぇぞ。」


「なんじゃ、チンチクリンが。

悔しかったらカツオ節の一つでも供えてもらってみせろなのじゃ。

あっ、ダメだなカツオ節がふやけるからな、お漏らし神殿じゃ。ぷぷぷっ。」


「なんだとう、・・・・・」


こつこつこつ


ガチャ


「 ようこそ、おいでくださいました。

まだ、遅くありません。悔い改めなさい。

この部屋にはあなた以外・・・・・・・、


あれ、誰も居ませんね。

今確かに人の話す声が聞こえたような気がしたのですが・・・・・・。


あれ、床が濡れていますね。

あち~ぁ、そこに土が混じって泥だらけになっていますね。


おかしいですね。

昼間掃除をしたばっかりなんですれどね。

その後はこの告白部屋は誰も使っていないと思いましたが。


窓から入った?

こんな月明かりの日に雨水が入るはずはないですがね。

きっと、泥遊びをした子供たちがここでかくれんぼもしたんでしょうかね。

仕方ないですね。


ふ~ぅ、やっときれいになりました。

さて、次の部屋を見回りますか。」


がちゃ。


「お前、土遊びをした子供だって。

くくくくっ、そのままんじゃねぇか。

くくくくっ。」


「あほ~っ。

おぬしの方こそ漏らしたのを水遊びと思ってもらったようでよかったのう。

ほんとはお漏らしなのに。」


「「・・・・・・・・」」


「えぇぇぇと、何を話しておったのじゃったかのう。」

「覚醒した各属性の使徒のことだぞ、多分。自信はないがな。」


「そうじゃった、そうじゃった。風と闇の使徒が覚醒したが、どうやったら覚醒するかについて話そうと思っていたのじゃ、儂は。」

「それはどうやってだ、わかんのか。」


「おそらく、多分、そうだったらいいなぁという程度の予測であるのじゃが、アクアちゃん聞いてくれる? 」

「いつでも俺はノームちゃんの話は聞いているぜ。

で、どうやったら覚醒すんだ。」


「うむ、笑う出ないぞ、言う方も結構はずいのでな。」

「わらわないからいってみそ。」


「それでは僭越ながら。

それは愛に目覚めたからじゃ。

その目ざめのきっかけに巫女が関係しているのではないかな。」


「ええとっ、その説が正しいとして、ソニアちゃんはシュウに恋でもしたのか、あるいはソシオのやつに。

ソシオめ、しれっと後から出できて、私たちのソニアちゃんの心をかっさらっていくとは許せん。

ソシオの泥棒猫に天誅が必要じゃねぇか。」


「まてまて、慌てるでないぞ、アクアちゃん。

ソニアちゃんは色恋に目覚めたわけではないと思うのじゃ。」

「じぁ、誰が好きになったというんだ。」


「誰が好きとか嫌いではなく、ソニアちゃんは家族の愛情、家族愛に目覚た、いや家族の愛情を一身に受けた、家族愛で覚醒させてもらったのではないかと思うのじゃ。」


「う~ん、あっ、そう言えばノームちゃんがソフィアのやつからソニアちゃんを奪い取つたときに、ソフィアに向かって、最後の一仕事が残っているようなことを言ったのはこのことだったのか。


すげぇな、こんな展開を予測していたなんて。ノームちゃんすげぇ。」


「待つのじゃ、アクアちゃん。

ソフィアに言ったあの一言は使徒を覚醒させろといった意味ではないのじゃ。


まぁ、他界して正気に戻った時に娘の幸せを祈れ的な意味で行ったのじゃが。

結果的に風の巫女がソフィアが生きているうちに正気に戻し、生きているうちに娘の幸せを祈り、それをソニアちゃんに届けることができたわけじゃな。


風の巫女は凄いのじゃ。」


「まぁ、母親から娘を取り上げることについては俺らも思うところがなかったわけでもねぇが、結果として、ソニアちゃんには両親の愛を届けられたし、愛されていることを理解したようだし、良かったな。


そして今は輪廻の会合に集いし者どもの中心にいる者のシュウと光の公女のエリナに妹として大事にされていることを、家族として愛されていることを自覚したことで、風の使徒としての使命にも気が付いた、目覚めたということかな。」


「さすがはアクアちゃんなのじゃ。使徒の使命への目覚めまでもを推察してしまうとは。」


「まぁ、それよりも闇の使徒はどうなんだ。どんな愛に目覚めたんだ。」

「まさかとは思うのじゃが、あれ、地下19階にあるという、それじゃ。」


「ゾンビ愛、違うなぁ、死霊愛に目覚めたというんか。それはこえぇな。

でも、闇の巫女のシュリちゃんもほれ例の旧ランク8位、今堂々のランク1も生きているぞ。」


「アクアちゃん一つ聞きたいのじゃが良いかのう。」

「改まってどうした、ノームちゃん。」

「旧ランク8位のやつ、あれはほんとに生きているのじゃろうか?」


「えっ、ノームちゃん、何を言い出すんだ。ちゃんと心臓も動いているぞ。ちゃんと生きているぞ。」

「生物学的にはという意味ではな。でも、人として、人の道を歩んでおるのじゃろうか。」


「つまり、傀儡と変わりないと。」

「そうじゃ。死霊愛、傀儡愛に目覚めたというのはどうじゃ。」


「なるほど、闇の使徒として覚醒はしたが、傀儡では使徒の使命までは覚醒させられないということか。」

「本当のところはわからんのじゃが、この説明だと理にかのうておるのじゃ。」


「なるほどなぁ。使徒の使命の方の覚醒はシュリちゃんに期待か。

どのような運命の会合が死神とシュリちゃんの間にあるんだろうな。」


「まだわからんのじゃ。シャドウのやつもどこにいるかわからんしな。

これからもやつらのことは見守っていくのじゃ。シャドウの代わりにな。」

「わかったよ、ノームちゃん。そうしような。」



活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


10/5より、「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。


この物語は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

死神さんと旧ランク8位が結婚式のために故郷に帰ったときの物語です。

時間的には本編と同じ時の流れになっていますので、別伝としてお伝えすることにしました。


シュウが風の大精霊と会合した後の本編の進行に大きく影響してくる別伝ですので、本編ともどもよろしくお願い致します。


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