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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第10回放送延長分

「9時になりました。こんばんは。9時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第10回目放送が予定通りに終わりませんでしたので、放送時間をさらに延長してお送り致します。キャスターはいつものまねき猫です。


それでは、続きを始めさせていただきます。


kiさん、熊さんたちの区別はついたということでよろしいでしょうかにゃ。」


「はい、区別がつくようになりました。

黒い胴丸の方、前回も出演していただいたのがヒグマさん。

新顔の白い胴丸の方がシロクマさんだそうです。

それでいいですよね。もうめんどいのでにゃ。」


「良くないわい。俺は熊じゃねぇ、人だ。」

「良くないわい。俺も熊じゃねぇ、多分人だ。」


「微妙に主張が違ってきましたが、まぁ、誤差の範囲でしょう。

熊さんは熊さんということで。


それでは今日はシロクマさんに居酒屋さんを紹介していただきます。

シロクマさん、今日はどのお店をご紹介していただけますかにゃ。」


「今日はこのヒグマが俺たちの師団に移籍してきたんで、その歓迎会を兼ねてだな、居酒屋で一杯。

まぁ、寒くなって来たんでな。寒いといえばなんだ。」


「お鍋ですか・・・・・にゃ。」

「お嬢ちゃんは鍋は嫌いかな?」


「好きか嫌いか言う問題ではなくてですね。私、こう見えても猫族なんですよにゃ、にゃ、にゃ。」

「猫族? 見た目通りだが、それがどうした? 」

「だから猫族だにゃ。」


「シロクマは頭にガスが詰まっているから遠回しに察しろというのが無理だぞ。はっきり言ってやらないと。」

「そうだぞ。時々ガスが抜けるからメタンガスをブフォッと発生させてだな吸い込まねぇとな。ガハハハハッ。」


「飲んでもないのにオヤジギャグを。これはヒグマさん以上にガサツな熊を捕まえてしまったようですにゃ。」

「まぁまあ、そうがっかりするな。わかっているぞ。猫舌なんだろ。

今日はその辺を考えて、この店にしたんだ。」


「このお店ですか。おでん"たね"と看板に書いてありますにゃ。」


「おでんであれば多少冷めてもおいしと思ってな。

当然、熱々がおいしいがな。食べられないんじゃしょうがないな。」

「シロクマ早く入ろうぜ。今日はお前のおごりなんだろ。当然全員のな。」


「しょうがないな。まぁ、これぐらいの人数であれば問題ないしな。

よし入ろうか。」


蠅暖簾をくぐり店内へ。


「オヤジ、皆入れるか。あと、取材とかいうのも良いか。」

「座れれば問題ないぞ。

取材とは何かわからんから他の客に迷惑をかけないんであればいいぞ。」


カウンター8席のみの小さな飲み屋だった。

取材班は案内役の熊さん2匹、龍一さんとビオラさん、インタビューアーのkiちゃん、カメラマンのKさん(孤族)、音声のKさん(犬族)の7名であった。

店内には誰もおらず、まさに取材班の貸し切り状態だった。


「なんにするかね熊さんズ。」

「米酒」

「麦酒」

「微妙に熊さんでも好みが違うんだにゃ。」


「麦酒は外に出してあるんで冷えたものを容器ごと持ってきて勝手に飲んでくれ。

米酒はどうする。」

「もちろん燗で。」


「自分でこの容器にあの樽から移して、向こうにあるお湯が張った鍋に入れて適当にあっためてくれ。」

そう言うと店主はヒグマさんに陶器の細い容器と小さな杯を渡した。


「他のお客さんはどうする。おすすめは米酒の自分で燗は付けましょうだ。

なんせおでん屋だからな。」

「皆さんお勧めでよろしいでしょうかにゃ。」

「「「「異議な~し。」」」」


「それでは残りはとり合えず燗でお願いしますにゃ。」

「あいよ。」


そう言うと先ほどの容器を3つと小さな杯を5つ渡された。


「あとは適当に自分でやってくれ。さて、肝心のおでんはどうする。」

「まずは適当に1人前づつ皆に盛ってくれ。」

「熊さん、あいよ。」


店主はお皿に、大根、こんにゃく、はんぺん、ちくわ、さつま揚げ、卵を盛って皆に配ってくれた。


シロクマさんが麦酒の入ったコップを持って、立ち上がった。


「それではヒグマさんの入隊と、えぇぇぇぇと猫娘ちゃんたちの取材の成功と、そこの熱々カップルに乾杯。」

「「「「「「乾杯」」」」」」

「「「「「「「うめ~っ」」」」にゃん」こん」わん」


「それではおでんをいただきましょう。

皆さんはどんなおでん種が好きですか。」


「俺は大根」

「俺も」

「我ははんぺんだな」

「じゃ、私もはんぺん」

「巾着」こん

「牛すじ」わん

「なんか皆さんバラバラですね。ちなみに私は少し冷ましてから食べますね。

私が好きなのは練り物全般です。」


「スタジオのUです。出汁は何がベースですか。」

「ご主人、ここのおでんの味の決め手は何ですか。」

「海藻だぞ。味が柔らかいだろう。」


「私は猫族舌でまだ食べられないんですにゃ。」

「それはかわいそうだな。

まぁ、少し冷めてもおいしいから早めに注文して冷まして食べてくれ。」

「ありがとうございます。」


「スタジオのDです。ちくわぶはメニューにありますかにゃ。」

「ちくわぶって何ですかにゃ。」

「あのおでんの聖地、地球の日本という国の関東地方のみに伝わるという伝説の小麦粉を練り上げてゆでた製品ですな。

確かにあの食感とおでん出汁との相性が抜群ですね。」


「すいません、ちくわぶっていう物はありますか。」

「ちくわぶってなんだ。わしゃ、知らんぞ、そんなおでん種。」

「なんでも小麦粉を練り上げてゆでた製品らしいですにゃ。」

「練り物は魚のすり身以外はないね。

でも、そんなものをおでんに入れておいしいのかね。」


「スタジオのUです。おでんには必要な種です。大根と並ぶ主役と言っていいでしょう。」

「と、居酒屋似非帝王がおっしゃっておりますにゃ。」

「そんなにすごいものなら是非試してみたいな。そのちくわぶを分けてくれるか。」


「ええと、kiさんスタジオでフリップが出ました。ええと


"今の放送で地球でちくわぶの買い占めが横行。

現存するちくわぶがすべて売り切れ、1年先まで予約で一杯。

すでに入手困難。 フリップ by Pデレクター "


ということで、残念ながら私たちも入手できない状態の様です。

申し訳ない店主さん。

あっ、またフリップです。


"言い出しっぺのUプロデューサーが何とかしろ。

出来なけりゃ罰ゲームだ。 フリップ by A社長 "


ということでUさんの罰ゲームが決定した瞬間でした。

kiさん、スタジオの罰ゲームは気にせずにインタビューを続けてくださいにゃ。」


「続けます。ご主人、ちくわぶは当面手に入らないようです。

ごめんなさいにゃ。」

「それは残念だな。まぁ、大好きなおでんについて新しい情報をもらっただけでもありがたいよ。

今度手に入ったら是非持ってきてくれよ。


それよりももっと食べてくれよ、俺の自慢のおでん。」


「いただきますにゃ。」


「あっ、そこの狐族さん。巾着だけでなく別の物も食べてよ。

里芋なんてどうだい。つるつるしておいしいぞ。」

「あっ、つい好きなものだけを頼んじゃった。

出汁がおいしくて巾着うまうまですね。

でも、里芋もくださいこん。」


「スタジオです。ちょっとお待ちください。

ええぇと、またまた、フリップが出ました。


" 放送時間が終了しましたが、さらに放送時間を延長して、特報をお送りいたします。フリップ by Pプロデューサー "


ということでこのまま特報を続けさせていただきます。」



活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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