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シュウの冒険 目指すは風の神殿 1話目 風の転移魔法陣の功罪

エルフ王族との面談はソニアの風の使徒としての力とその使命に覚醒するという、思いがけない結果となった。


さぁ、これで今回のエルフ領でやり残したことはない。

「エルフメイド戦隊ご主人様お世話しま~すズの結成はいいのか。シュウ。」


今回は諦めます。どうせ、またすぐ来るし。

その時には絶対。


"お兄ちゃん、私に黙ってそんなくだらないエッチな計画を進めていたなんて。

そんなものは作らせませんからね。

しばらくお兄ちゃんの言動を見守らせてもらうわ。"


「ソニア様、私も協力致します。

奥様のためにご主人様の計画を完膚なきまでに粉砕しましょう。」

"お~ぉっ、頑張ろうね。"


終わった、俺のエルフメイド戦隊ご主人様お世話しま~すズの結成計画が崩壊した瞬間だ。

風の使徒と風のアーティファクトの監視を潜り抜けるなんて無理だ。

俺の言動がすべて筒抜けになってしまうんだからな。


"次は風の大精霊にご挨拶ね。

今度はエルフ領を長く旅するから余計に気を付けなくちゃ。

お兄ちゃんがフラフラとエルフ女子のお尻を追いかけて行かないように。"


"ソニアちゃん、メイドさん。しっかり監視をお願いね。

私もできるだけシュウと密着して、夜もお布団は一緒で、ギュッとして、エルフ女子に対して余計なことをしないようにするから。


あっ、もちろん私に対してはあれやこれや、あんなことをしてもOKよ。"


"「「あれやこれや、あんなことを詳しく!」」"


「えぇぇとっ、次は風の聖地を探索する予定です。ソシオさんも一緒に来ませんか。」

「僕が一緒に行ってもいいのですか。」

「もちろんです。是非お願いします。」


「ソシオ、いずれは人類領で暮らすのだ。

シュウ殿たちに同行し、人類の習慣やものの考え方を学んだらどうだ。」

「わかりました。是非同行させてください。」


「それにソニアちゃんに、お母様のことをもっと話してあげてほしいしね。」

「私ももっとお母様、できればお父様のことももっと知りたい。」

「わかりました。僕の知っていることをお話ししましょう。」


「もう一つの依頼の件ですが、王族と族長会議の承認が得られましたので持参しました。」

「すいません、ソシオさん何の話でしょうか。」

「依頼されていた風の転移魔法陣の譲渡の件です。」


「あっ、忘れてました。申し訳ありません。

ソニアの件で頭がいっぱいいっぱいになって、自分でお願いしたことなのに。」


「いいんですよ。

結論から言って、譲渡ではできます。

譲渡するに当たって、次の条件が付けられました。


・人類領域でちゃんと作動することを確認すること。

・動作確認には私が同行すること。

・転移魔法陣の一つは人類領域にある特一風見鶏と一緒の場所に設置すること


以上になります。


私が同席するのは使い方に慣れているからです。

人類領で作動させたらへんな動きをするといけませんからね。

私の方で譲渡用の転移魔法陣を受け取っていますので、作動確認の日時を決めてもらえれば持参します。」


「いろいろありがとうございます。

是非、試してみたいですね。いつにしようか。」


「次回の風の聖地への旅が終わってからでいいんじゃないかしら。

今の段階でエルフ領のことを人類に持ち込まない方がいいと思うわ。」


「お兄ちゃん、それがいいよ。

次回、駄女神とカメさんがここにきてエルフ側と交渉するんだし。

人類側、特に軍にいろいろ知られる前にその下交渉を済ました方がいいと思うの。

例の旅団権限を拡大解釈すれば人類側の交渉の代表は旅団とすることも可能だと思うしね。


特にその携帯型の転移魔法陣の持ち込みは慎重に進めた方がいいわ。

エルフの王族方もいるので聞いてほしいのだけれど、人類領域での転移魔法陣は全部が土の転移魔法陣で固定式なの。

そこに移動できる携帯型転移魔法陣があるとなると革命的な事が起こるような気がするわ。


何か商品を買い付けるときには手間をかけて輸送する必要がないし。商人は転移魔法陣だけを持って各地の商品を買い付けるだけだし。商人にとっては喉から手が出るほど欲しいアイテムかもね。


一方、軍事利用する場合には、少数の偵察部隊が携帯型転移魔法陣を敵の後方に設置することで、大軍が瞬時に移動できるようになるわ。


人類軍はそれで戦いを優位に進められるということで、軍司令部としては、これを有効活用して魔族に必要以上に戦いを仕掛けるようになると思うわ。


人類軍はお兄ちゃんとお姉ちゃん、そして芦高さんがいるので今は勝てているけど、これまでの人類軍では魔族軍に歯が立たないのが本当のところよ。


それがこの携帯型転移魔法陣を用いて、戦いをどんどん魔族に仕掛けたら、疲弊するのは人類軍。

そんなことを続ければ人類軍が崩壊し、結局、人類が滅亡することを促進してしまうわ。


もう一つの懸念は、これをもってよこせと人類軍がエルフ領に侵攻しないかと言うことよ。

せっかく、友好的な関係で人類とエルフ族のお付き合いが進みつつあるのに、敵対関係にならないなるとも限らないわ。


いずれにせよ、きちんとこういうものの取引をどうするかをある程度決めてから人類側に持ち込んだ方がいいわ。」


「人類と魔族との戦いにこの風の転移魔法陣は使わない方がいいわね。


有用だからバンバン使用すると、エルフ族が人類の戦いに協力しているように見えるわね。

そうするとエルフ族と魔族の戦いにも微妙な影響が出ると思うし。


まずはエルフ族との戦いを優先しようとして、人類領域にいる魔族軍をすべてここエルフ領に転移させられたらエルフ族が本当に困った事態になるわ。

逆でも同じだけれど。」


「そうだね、軍事的な利用価値の高いものは慎重に人類側に持ち込んだ方がいいね。

やはりこういうものを持ち込むためにも、駄女神さんとカメさんにエルフ側としっかりと交渉してもらおうよ。」


「軍事的な価値ですか。友好のつもりでお渡ししようとしたのですが。

これからは少し慎重に我々も考えていきたいと思います。

そうすると、しっかりとした交渉窓口が必要となりますね。

もう一度、そのあたりについては王族と族長会議でもんでみたいと思います。」


「王太子様、よろしくお願い致します。」


「新たな武器か。そういうのがあれば、人類の領域奪還も早まるかも知れないわね。」


「エリナさん。一般に新たな武器は自分たちだけでなく、敵ももうすでに持っているかもしれませんよ。

結局、同じ戦場で戦うのだから、自分が考える有用な新たな兵器は敵も有用と考えている可能性がありますから。


まぁ、昨今の魔法主体の戦いでは、魔法属性に戦い方が左右されるので、我々が有効と考える風魔法は魔族では使い手が少なく、使用し難いという面がありますね。」


「ソシオさん、それは人類も同じです。人類には闇魔法が有効ですね。一方、魔族には雷魔法が有効です。」


「まぁ、今はエルフ族と人類が仲良くしていくためにどうするかを考える時期です。

いずれは一緒に魔族と戦う日も来るかもしれませんが。

そのためにもお互いの信頼関係をしっかりと築いて行く必要がありますね。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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