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23話目 旅でも親交を

記憶玉とクビチョンの恐怖におびえながらも順調に旅は進んだ。

さすがエルフ領。ずっと森の中でした。

こりゃ、風魔法術士がいないと自分がどこにいるか全くわからんな。

同じような風景が永遠と続いている。


その中でも木々が途切れて、光が地面にたっぷりと注いだ場所に出てきた。

光がたっぷりと注いでいるにもかかわらず、下草などの雑草は生えておらず地面が踏み固められたちょっとした広場になっていた。

さらに、どこからか水が湧いているのか細い小川があった。


「さぁ、少し休憩にしましょう。」


出発して2時間ぐらいが経過した後に休憩となった。

おそらくここは村と村を繋ぐ街道の休憩地として普段使われているのだろう。


「じゃ、お湯を沸かしてお茶にしましょうね。駄女神さん、鍋に入れた水を沸かしてもらえますか。」

「・・・・・いいよ・・・・・」


こいつはまだもじもじしているのか。いい加減エルフイケメン男衆に慣れろや。

いつものガサツさはどこ行った。


だいたい女神と言うより怒特攻大魔神様の方が似合っているのに、いまさら小娘を気取ったって、あのアラナさんやアイナさんのような可愛げさが出るはずないのに。


「・・・・・シュウ、余計なことを考えると記憶玉をエルフ女子共に渡すぞ・・・・」

と美と慈愛の女神様様が直々に耳打ちしてきました。

第一の信徒を脅すとはなんたる駄女神だ。絶対逆らえないけどね。


エリナとソニア、そして、手が出せないどころかチラ見もままならないエルフ女子様たちはお茶と言うかソニアが持ち込んだ例のケーキ屋さんのクッキーを振舞って、プチ女子会に興じていた。


時々、俺の方をチラ見してこそこそ話したり、にやにやしたりするのは止めれ~ぇ。

俺について何か話していそうで、すげ~ぇ気になるんですけど。


駄女神さんはエルフ男若衆たちに何やら話しかけてもらっているが、話しかけられるたびに顔を赤くしてどんどんうつむいてしまっていた。

そんな、顔を赤くするような話ではなく、人類領域での日常生活について聞いているだけだと思うのだが。もう、早く慣れろよ。


でも、慣れたら慣れたで、エルフ男若衆無双しそうで怖いけどな。


そして、俺の周りには芦高さんとだいぶ芦高さんに慣れた村長とパキトさんが鎮座していました。


俺も女子会の方に行きたい。


「隣村とは頻繁に往復しているんですか。」

女子会に行きたいが諦めて、俺はせっせと情報収集しましょ。


「そうですね、隣の村は歩いて丁度1日ほどの距離です。

隣の村は農村ですね。そこから食料や我々の生活に必要な物を運んでもらっています。


もちろん我々の村も農作業はしておりますが、我々の村は、昨日もお話したように、特殊な村で人類との窓口の役割を負っているます。

こう言っては申し訳ないが、やって来た人類が我々に危害を及ぼすかどうかの見極めと、その場合の1次対処も我々の役目です。


そのたのめ、我々の村人は子供を除き、全て戦士で構成されています。

その戦士の養成機関も兼ねています。」


「それではエルフ族の戦士レベルは村長やパクトさんを見ればわかると?」

「なかなか答えにくい所をズバリとついてきますな。」

「すいません、俺も職業として聖戦士をしています。まだまだ、なり立てのひよっこですが。」


「それでは、人類の戦士のレベルはシュウ殿のよりも高い所にあると考えていいのですか。」

「パキトさん、剣や弓などの物理的な力と言う意味では俺よりも強い人たちはそれこそ山の様にいます。

その頂点に居る一人が、熊師匠です。」


「やっぱりそうですか。昨日はただ飲んでいただけですが、その強さはひしひしと伝わってきました。

ツボに頭を突っ込んでいた時にはもちろん感じませんでしたがね。ハハハハッ。」


「私も始めた会った時には熊師匠の強さに圧倒されそうでした。

まぁ、そこにいらっしゃる大蜘蛛様の比ではもちろんありませんでしたがな。あっははははっ。

比べる対象がまずかったですかな。」

「芦高さんには物理攻撃も魔法攻撃も無効らしいですからね。」


「一度熊師匠には稽古をつけていただきたかったですのに、帰ってしまわれたとは。」

「パキトさん、帰ったのではなく強制的に戻しました。

いくら師匠とはいえ、途絶えていたエルフ族との再会にあれはちょっとないかなと思いまして。」


「やはり、今回の人類側の代表者はあなたなのですね。それを再確認できてよかった。

昨日の話では、この大蜘蛛様よりもあなたは強いとか。」


「俺はそんなに強くないですよ。

後で是非、パキトさんには剣技の稽古をつけてほしいです。

熊師匠を強制送還してので、稽古をつけてくれる人がいなくて困っていました。」


「私で良ければお相手しますが。しかし、稽古になりますかね、大蜘蛛様よりお強いのでしょう。」

「俺が強いのは、エリナとのコンビでと言う意味です。聖戦士と言うのは知っていますか。」

「人類側にそのような役目の戦士がいるということは伝わっていますが。詳しいことはわかりません。」


俺は人類の聖戦士について詳しく説明した。特に隠しておく必要はないと思えたので。


「そういうことですか、わかりました。

しかし、それであなたの攻撃力が大蜘蛛様より強いというのはどういうことですか。そこがまだよくわかれません。」


「一つは俺の持っている魔力が非常に高いということです。芦高さんよりも倍はありそうですので。大型の魔法を連射可能です。


それとエリナが風と水の魔法術士だということが大きいですね。

特に対魔族戦では。

闇属性魔族は俺たちに全く歯が立ちません。

炎属性魔族は芦高さんに氷属性を転写して戦います。」


「なるほど理解しました。エリナさんは雷属性魔法が使えるということですね。そして、異常に大きい魔力タンクのシュウ殿と全く攻撃が通らない上に大きな魔力タンクを持つ大蜘蛛様を小隊を組んでいるということですね。」


「ぶっちゃけ言うと、さらにもう3人います。こちらは戦略、戦術担当ですね。

我が小隊の頭脳です。


彼らは先輩に当たりますが、人類の軍人養成学校でトップの頭脳を誇ります。

俺たちと行動を共にして、魔族と戦い経験を積んでいるところです。


本当は最低限、彼らを連れてくればもう少しまともな外交的なものがうまく回ったのかもしれませんが。


彼らの上を行く我が旅団、いえ人類軍の頭脳の一人があそこに居る駄女神さんなんですが、まさかエルフ領でここまでポンコツになるとは・・・・。

これが今回の我々の旅での最大の誤算です。

駄女神さんが外交的なところはうまくまとめてくれると思ったんですがね。」


「その点については・・・・・・。

まぁ、次回もありますし。旅は続きますので慣れてくるかもしれません・・・・・。」

「その沈黙はあまり期待はするなと言うことでしょうか。」


「まあ、これからも何度も我々と人類側で交渉する機会があると思いますので、今回であわてて取り決めなどを行う必要はないと思いますよ。

今回は親交を暖める程度でもいいかと。


村に戻ったら、おそらく王族と族長会議の使者と会っていただきます。

しかし、今回は外交と言うよりも、あそこの女子会のように、親交を進めるという形でいいと思います。

いつものシュウ殿のように対応してもらえれば結構ですよ。」


「村長、そろそろ行かないと日が暮れるまでに隣村に着かないと思うぞ。」

「ありゃ、しまった。

親交を暖め過ぎて、旅の目的を忘れるとこだった。

さぁ、皆さん片付けて出発しましょう。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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