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19話目 エルフ領での初めての夜は歓迎会

昼食の後は、村の中や周りを案内してもらい、さらにエルフ族との交流を深めた。


駄女神さんは何とか復活して俺たちについてきたが、周りをエルフ男衆に取り囲まれたため、気絶まだは行かなかったが、借りてきた猫のようにおとなしくただ皆について来る。


これが人類最凶と言われた元レディース特攻隊長の姿とは・・・・・、現役の特攻隊長に謝った方がいいんじゃねぇと思うぐらい迫力と凛としたものが全く失われていた。

ところで、現役の特攻隊長ってだれ? そもそもいるの?


一方、森の熊さんは、まだ寝てました。

俺は森に返した方がいいんじゃねぇと提案した。皆の幸せを考えての発言だ。


しかし、ちょっと気分が沈んだようなソニアが、あんなんでも一応私の、なぜか知らないけど、きっと誰かの陰謀かもしれないけど、ペアなんで、教会本山に戻って別の聖戦士を見繕うまではとりあえず責任をもって飼うと言うので、そこまで言うのなら今日のところは森に返さずに集会場で寝かしておくことになった。


本当の理由は重くて誰も運べなかったからだ。


風魔法で運ぶことについては熊を捨てるのに魔力を消費したくないとの全人類と全エルフ族の一致した意見だった。

特にエルフ族は無駄な魔力を使いたくないと言っていた。

きっとエルフ族は魔力の保持量が結構少ないのかもしれない。


そして、一番心配なのはソニアの様子だ。

急に母親のことを調べて知らせてくれると言われて動揺しているのか、いつもの快活さが鳴りを潜めて、駄女神さんと同じように少し思いつめた様子でみんなについて来ていた。


ソニアのその憂いを含んだ表情がエルフ女子たちの何か特別なスイッチを押してしまったらしく、労わるようにあれこれ話しかけたりしているが、心がここにあらずと言った様子だった。


ちなみに、芦高さんはエルフの子供たちが離してくれず、村の広場でずっと遊んでいた。

芦高さんの年齢は知らないが、子供っぽいところもあるのでエルフの子供たちとたくさん遊んでほしいと思う。


エリナは途中でエルフ女子とソニアを連れて、歓迎会の料理をしに行ってしまった。


残されたのは、俺とエルフ男衆、そして、それに取り囲まれた逆ハーレム状態の駄女神さん。

これでもうこの世に思い残すことはありませんよね、駄女神さん。

イケメン逆ハーレムなんてもう二度と体験できませんよ。


そんなおいしい入れ食いの状況なんだからすこしは話をしましょうよ。いちいち俺を通訳にするのは止めて。

俺は俺で村長やパキトさんと雑談をしてエルフ領のことについていろいろ知りたいんだから。


あっ、だめですか。


執事は執事の仕事をしろと。

いつから俺は駄女神さんの執事になった・・・・・、あっ、人類側の風見鶏を見つけて朝帰りした時だ。


執事と言うか信徒、そう言えば美と慈愛の女神の初級司祭に指名されたような気がしないでもないな。


んっ、なになに、女神のお世話は最後までって、教会本山の総司教様が言っていたって。

でもね、総司教様が毎日礼拝しているノーム様は捨ててもいいって言うと思いますよ。

だいたい、似非女神じゃねぇのか。


もうっ、駄女神さんももしかしたら妙齢の女子なんだから、できるとは思わないけどポーズだけ料理をしに行ってはどうですか。


特攻隊長や女神さまが料理などできるわけがない。あっ、そうですか。


まぁ、結局俺だけが午後は駄女神のせいで無益な時間を過ごしちまったぜ。


そして、夕方になり、歓迎会が始まった。


村人のほぼ全員が出席を希望したらしく、集会場には入りきらないため、集会場前の村の広場で火を焚いて明かりを取りながら、歓迎会は始まった。


熊師匠は酒の臭いを嗅ぎつけたのか、ちゃっかり加わって、もう飲み始めていた。


まずは村長のご挨拶でしょ、普通。

ちゃんと聞こうよ。ソニアのしつけが疑われちゃうよ。

すぐ乾杯なんだからさぁ。


人類側のあいさつは駄女神を出そうとしたら、まだイケメンに取り囲まれ、ご満悦。

それ以外は断固拒否のつもりなのか俺の視線に気付くと手で×をつくって、必死にアピール。


エルフ男に囲まれて、いや、ありゃ囲っている方か、話ができるようになったか遂に。長い一日だったな。


しょうがないので、俺が挨拶をすることに。

まぁ、結局は人類とエルフ族で仲良くしていきましょうという話を中心に当たり障りのない挨拶を1分ほど話してとっとと料理の方に意識を切り替えました。


挨拶が終わると10人ぐらいのクループを作り、その中にできるだけ人類を入れるという形で食事が始まった。


駄女神さんは当然、エルフ男衆の独占。


エルフ女子はソニアを独占。


子供たちは芦高さんを独占。

芦高さんは子供たちにちゃんと座って食事をさせるのに四苦八苦。

ありゃ、幼稚園の保父さんだな。


熊師匠はもう飲み友達ができたのか、エルフの大人や老人たちと歌いながら杯を重ねていた。


そして俺は、エルフ女子とムフフフ、ができるはずもなく、若奥様がエルフ女子の接近を妨害しつつ、俺の世話を焼いています。

俺たちのグループには村長とパキトさん、そしてエルフの皆さんが20名ほど一緒です。


料理を食べ、はちみつ酒を、俺たちは果実のジュースだな、飲みながら、また、お互いの情報を雑談と言う形で交換した。


料理は、野菜と果実が多かったが、穀類、そして肉や魚もあり、味付けや料理法は両種族で違いはあったが、食材についてはところでナニこのゲテモノはといったものはなかった。

本来はあるのかもしれないが、俺たちを驚かさないように気を使ったのかもしれない。


何十年前までは人類領とエルフ領間でわずかながらでも往来があったわけで、人類領で何が食べられているかの情報は案外エルフ族に伝わっていたのかもしれない。

人類領ではエルフは菜食主義者で肉類は全く食べないという伝説が残されていた。


これも両種族の寿命の違いと風魔法の優劣が情報の正確さの違いに出ているのかもしれないと大好きな鶏の串焼きをハフハフって噛みながら考えていた。


食べるものもなくなり、エルフの子供たちが芦高さんに持たれてうとうとし始めたころにメインの歓迎会は終了した。

まぁ、終了したのは子供たちだけだが。

子供たち以外は今度は飲み物でそのまま交流会を続けた。


あっ、また熊師匠がはちみつ酒の入ったツボの中に頭を突っ込んでいびきをかいている。

飲みすぎだよ。明日速いよ。移動には酒は持って行かないから。


あっ、そう、エルフの案内がいるから俺はここで安心して飲んだくれていると。できれば1ヶ月ぐらい旅から帰ってくるなと。


わかりました。熊さんはやっぱりあの向こうの森に捨ててきますね。


駄女神さん、いい加減今日は一人に絞りましょうよ。

そんなに侍らしてどうするの。手も握れないくせに。


一人だったら持ち帰ってもいいから、多分だけど。エルフ男が嫌でなければ。


えっ、昼は全員で、夜は一日交替でお世話してもらう。


何を言っているんですか、明日から旅に出ますよ。

お世話係は付きません。

欲張ると一人も獲得できないので、一日一人を目標に頑張りましよう。


えっ、エルフ女の方ですが。それは、エリナのブロックが固くてすべてはじき返されているようです。

それにエルフ女子の人気はソニアに持って行かれました。


ちょっと、寂しいです。目標はエルフメイド戦隊の創設だったんですが、無理そうです。


と言うわけで俺だけエルフ女子とムフフがないのは面白くないので、駄女神さんも一緒にエルフ男衆を一網打尽にすることをあきらめましょうよ。


えっ、いやだって。何てわがままな。

俺たちが旅に出ている間、一日一人を目標にエルフ男を落とすことにするって?

旅には俺たちだけで行けって。


わかりました。新たなエルフ女子との出会いを求めて俺は旅に出ます。

途中で上等なエルフ男がいたら捕縛して、連れて来いってか。

やだよ~ン。


人類の恥部がわがまま全開で歓迎会の夜は更けていった。

もう、俺知らねぇぞ。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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