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12話目 シュウたちの真の目的

「クレトさん、俺たちがエルフ領に来た目的がはちみつ酒探しと美と慈愛の女神の信仰を広めるためではないと言うのですか。」


「数十年ぶりに発見された特一風見鶏がどこに繋がっているか調査しに来たというのならわからなくはないです。


しかし、どこに行くかもわからにない転移魔方陣でいきなりはちみつ酒探しと信仰を広めに来たというのは、どこに繋がっていて、そこがどういうところかわかっていないと計画できないことだと思いますが。」


「確かに初めての場所に来るにしては目的が具体的過ぎましたね。」


「もう一つ、あなた方のリーダーはお若いがシュウ殿とお見受けした。

村に案内した年上のお二人は申し訳ないが冒険者のリーダーとはとても思えない。


どういう経緯で今回の我々エルフ領を冒険するメンバーを集めたのかはわかりませんが、少なくとも実質的なリーダーはあなただ。

そうすると村に行かずにここに残ったということは真の目的がはちみつ酒の入手ではなく、別にあると考えました。


更に大蜘蛛様を従えている。これはいくら何でもありえない。

あなたがとんでもなく特別な存在でない限り。」


「芦高さんは、どこからか無理くり召喚されて、その召喚時に大けがを負って死にかけていました。

そこをエリナが救ってあげたんです。


そして召喚者が面倒を見切れないということで、捨てようとしたところをエリナがペットとしたいというので面倒を見ることにしました。


それ以降ずっと一緒です。ペットではなく家族ですね。

その後に何故か進化してメタリックボディとなったわけです。」


「それでも、大蜘蛛様とそのように意志を通じ合えるとはやはりあなたは、エリナさんも含めて何か特別な方と思います。


そんな方がただのはちみつ酒ごときでここまでやってくるでしょうか。


いえ、たとえそれが目的だとしても失われたと思っていた特一風見鶏を発見し、転移魔方陣を発動させるなど、とても運がいいだけでは片付けられない、そう、強い運命的な出会いを感じます。


そして、これが一番の理由ですが、先ほどあなたは私が責任がある立場とお聞きになった。

これは一般のエルフではなくもっと立場が上とか、多くの知識を持った者に会いたいということかと考えました。


あなたたちの真の目的は大きな、もしかしたら人類、そしてエルフ族の将来に関わることではないでしょうか。


もし、私に目的の詳細を語れないのであれば、どのような立場と言うかどのような知識を持った方とお会いしたいのでしょうか。

それを教えていただければその目的の方に、あるいはその知り合いに渡りをつけるぐらいの権限は持っていると思いますが。」


「そこまで、観察されていたとはさすがに風属性魔法の地ですね。

情報を隠しておくことが難しいですね。


確かに俺たちの目的、ここに残っている者の目的ははちみつ酒とは違います。

しかし、これ以上の情報をあなたに行っていいものかどうかは、今日出会ったばかりなので判断がつきません。」


「シュウ、私たちだけで目的が達成できそうか、ここでもう一度相談しない? 」

"風のアーティファクトの意見を聞いてみたらどうかしら。"


「わかったよ。クレトさん、ちょっと向こうで我々だけで相談していいですか。」


「もちろんかまいません。

私は日課の社の掃除を、特に風見鶏は念入りに磨きたいと思いますので。

ゆっくりご相談ください。」


俺たちは漸く社が目視できる地点まで移動した。


「アーティファクトの念話を使いたいので、う~ん、そうだな、ソニアこの大剣を背負ってくれるか。

これは水のアーティファクトの吹雪おばちゃんだ。

ソニアは水属性なので問題はないだろう。」


「そっちの小娘に背負われるのかのう。

なんかいやじゃな。

背負ったら妾の先端が地面にめり込んでしまいそうじゃ。

ちんちくりんじゃから。」


「たかが剣のくせに人をちんちくりんいうな。地面の奥底に沈めるぞ。」

「のっけから牽制し合って駄目だな。おばちゃんもいい年なんだから大人の対応をしなよ。」

「いやなものは嫌なのじゃ。妾は若い男の背中が良いのじゃ。」


「おばちゃんは駄女神さまの背中が一番似合ってるな。類友だしな。

おばちゃん同士で仲良くできそうだ。


ついでにイケメンの前では何も言えなくなる駄女神の通訳をやってやんなよ。イケメンと話ができるぞ。」


「それはなかなかの捨て難い提案じゃな。

若いイケメンと楽しくお話。良いかも、そうしようか。

鞘氏、駄女神の元に飛んで行こうかのう。」


「お嬢様、まじめにシュウ殿のお手伝いをしないとアクア様とそれにノーム様にも叱られますよ。

また、石棺に閉じ込められたら趣味の夜の外出もできなくなりますな。」


「ゲッ。そっ、それはまずいな。まぁ、しょうがない一時だけ小娘の背中に乗ってやるかのう。」


「ソニア、話し合いの間だけこのおばちゃん剣を持っていてくれるか。特に背負う必要はないからな。」

「いやだけど、内緒の話ができないので今回だけは我慢して持ってやるよ。」


「シュウ、それよりも風神様をソニアちゃんにはめてあげた方が良いんじゃない。もともと彼女がはめるはずのものだし。


結婚指輪はまた今度ちゃんとしたのをねっ、お給料も上がることだし、ねっ、それぐらいのご褒美はあっても、ねっ、私はシュウから指輪をもらいたいなぁなんてね、ねっ、ねっ、ねぇったらぁ~。ダーリン聴いてるの~ぉ。」


「もちろん良いよ、僕の大事なお嫁さんだもの。結婚指輪はちゃんとしたものを送るよ。


でも、風神様をソニアに今譲るのは待ってほしいな。

風のアーティファクトである風神様を風の使徒であるソニアがはめた場合、覚醒する可能性があるよね。


風神様をダダはめるのが覚醒の正しい覚醒のやり方なのか、あるいは覚醒することによるソニア自身や周りへの影響がどうなるのかわからないよね。メイドさんどう思う。」


「はめるだけで覚醒するかどうかはわかりかねます。

知っているとすれば私の両親である風の大精霊様だけかと。

正しい覚醒法というものがあるかはわかりませんが、確かに私をソニア様が身に着けることが覚醒の条件の一つかもしれません。


ご主人様の今回の冒険は風の大精霊にお会いることが最大の目的かと思います。

特に今すぐ私をソニア様が身につけなければならない理由がないのでしたら、私の両親にその辺りをご確認されてからでもいいのではないでしょうか。」


「と言うことで、ソニアはおばちゃんを握ってね。」


「「ちぇっ、しょうがねぇなあ。」」


「あのよう、さっきから気になっていたんだが、今更念話で話す必要があんのか。聴かれちゃまずいことをさっきからペラペラ話していると思うんだけどなぁ。」


「「「「「・・・・・・」」」」」


「まぁ、なんだ、一応秘密保持に努力しました的な意味ではこれから念話で行くぞ。いいな皆。」

「「「「お~ぉっ。」」」」

「みんな納得してんならいいけどよ~ぉ。」


「芦高さんはクレトさんが風魔法を使ってのぞき見していないか探知しておいてくれるか。」

「今のところその気配は感じないんだな。社の掃除に集中しているんだな。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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