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7話目 ついに、エルフ領に来たよ

大地が揺らいだあと、目を開けるとそこは緑の世界だった。


緑の中に立つ、社と風見鶏。

俺たちは知らない社の目の前に転移されてきたのであった。


多くの木々が立ち並び、木の葉の隙間から漏れ出た光が美しい。

穏やかな風に吹かれて木が揺れる。

それにつられて木の葉もゆれ、光もゆれる。


風に運ばれてくる花の香と光のゆらぎ、そして圧倒的な緑。

人類の領域でもめったに見られない、深緑の楽園だ。


「ここがエルフの領域かぁ。緑一色だね。」

「風に運ばれてくる緑の香りと花の香りで一杯ね。なんか落ち着くわ。」

「こんなに木々が育っているなんて、一杯雨が降るのかなぁ。」


「はちみつはどこだ。花の臭いのする方に行けばいいのか? 」


「エルフ男はどごだぁ~、隠れてないで出てこいやぁ。」


「女神様地が出ちゃってますよ。

カチコミじゃないんだから、穏便に事を進めないと怖がってエルフが逃げちゃいますよ。


特にエルフ女が。キタイシテイルノニ。」


「シュウ、妄想が半角カタカナになって、口からあふれ出ているわよ。

女神さまの妄想癖がうつったのね。


ちょっとここに来て正座して。

今の半角カタカナの妄想の意味をきちんと説明して。怒怒」


「いや、だからね、女神さまの求めるエルフ男もエルフ女のおしりを追いかけている確率が高いと思うんだ。

そのエルフ女が怖がって近寄ってこないと女神様的には困ったことになるかなぁと思ってさ。」


「ほんとに~ぃ。」


「そうなんですね。エルフ女を餌にエルフ男を呼び寄せて、そこをエルフ男だけを一網打尽にしようと言う作戦ですわね。


さすが、美と慈愛の女神を崇めるシュウ信徒ですね。

もうすぐ初級司祭への昇格も近いんじゃないかしらね。

もっと、励むように。」


「わかりました女神様、私がエルフ男を捕まえて女神さまにお届けすればよろしいのですね。」

「よくお分かりですね。

もちろん、エルフ男を呼び寄せた後にはエルフ女はどっかに追っ払ってくださいね。」


「もちろんです、お任せください、女神様。


完璧なアフターフォローが私の自慢です。

責任をもってエルフ女は女神様から遠ざけておきます。

ソノアトハムフフッ。」


「あっ、また半角妄想になってる~ぅ。お兄ちゃん、何エロいことを想像しているの、バカッ。」


「ソニア、俺は何もエロいことなど"創造"してはいないぞ。


俺はただ、女神さまのご意思の実現のために献身したいだけだ。

俺がエロいことをやっているように見えるのなら、それはすべて女神さまのご意思なのだ。俺は悪くない。」


「シュウ、やっぱりちょっとこっちに来なさい。

女神さまの意思とは何かちゃんと確認させてもらうわ。」


「ええっと、つまりその。女神さまと俺はオナジアナノムジナデス。」

「ぼそぼそ言っていないではっきりと言いなさいな。」


エルフ領と言う風の支配地に着たエリナの似非女神さ~まに使える俺に対する風当たりが心なしか強くなった。


「なんか来るんだな。向こうの方からすごいスビートでこちらに向かっているよ。」

芦高さんが何か来る方向を足を指して示した。


「ガードして、芦高さん。」

「エリナ、芦高さんの指す方向にアイスシールドを展開して。」

「ソニアも同じ方向に土壁を形成して、高さ3m、幅10m。」


「もうすぐ、接触するんだな。」


ドッカーン。べちゃ。


何かが芦高さんのメタリックボディに激突して、・・・・・つぶれた。

何がぶつかったんだ。

しかし、物理攻撃にノーダメの芦高さんに特攻するとは、知らないとはいえ・・・・南無ですね。


ぶつかったのは巨大イノシシか、未知の魔物か、んっ、人っぽいぞ。

「おい、お前たち。

俺たちの隊長に何をしたんだ。」


芦高さんの向こうに知らない(イケメン)が槍を前に構えて立っていました。


知らないイケメン、そして、ここはエルフ領・・・と言うことは、獲物ですね。

美と慈愛の似非女神さ~まの。


おれは女神さ~まの方をちらっと見た。

見なけりゃよかった。


あれは獲物を狙う女豹の目だな。女神さ~まも悟ったか。そして捕まえろと俺にアイコンタクトを取って来たよ。

わかりました、不肖第108独立旅団第3小隊長の名に懸けて、必ず生け捕りにしてみせましょう。


ふへへへへへぇっ。こいつを餌にして。


バッコーン、そこにエリナのハリセンチョップが炸裂。

「エリナ、その究極の対G兵器をどっから出した。」


「それよりもシュウ、そのおっきな虫取り網をどっから出したの。」

「企業秘密だ。

ちなみにこれは対エルフ男捕獲装置だ。手作りだぞ。」


「じゃ、おばちゃんと一緒に背負っている網は何なの。」

「これは対エルフ女捕獲装置だ。」


「シュウ、何故二つもエルフ捕獲装置を持っているのですか。」


「女神様、こちらの対エルフ男捕獲装置は網の部分が荒縄になっております。

捕獲したらすぐに縛り上げて、且つ、女神さまがその場で安全に品定めができるようになっているという忖度仕様になっております。


一方、こちらの対エルフ女捕獲装置は網の部分がシルクからできておりまして、丈夫な上に柔らかいので女性の肌を保護する仕様になっております。


また、頭に被せると外が見えない仕様になっておりまして、暴れてこちらを攻撃しないような安全仕様になっております。


さらに、すっぽり包んで縛れば女神さまが望んでいられましたようにその姿を見ることなくそりままどこかに廃棄することが可能な超便利仕様になっております。」


「お兄ちゃん、縛って捨てるなんてご飯が食べられなくてかわいそうだよ。

お腹が空いちゃうよ。」


「ソニアよ。そこは大丈夫だ。

ちゃんと後でお兄ちゃんがご飯を上げるつもりだから。」


「シュウ、まさか、餌付けして懐かせて、ムフフをするつもりじゃないでしょうねぇ。」


「そんなつもりはさらさらないぞ、よく聞くんだエリナさん。

これはエルフ女を捕まえて我が家の専属メイド戦隊を作ろうというの今回の作戦の一環なのだ。


この作戦の山場は何かというと、エルフ女を捕まえ、窮地から救い、餌付けすることで俺に忠実なメイドたちとして獲得するという作戦遂行上最も困難な部分なわけだな。」


「そうなんだ、忠実なメイドさんを雇うためには仕方ないわね。」

「そうなんだよ、捕獲した後のメイド教育は風神様がメイドとての基本を仕込んでくれるというから、その部分は安心だな。


そうなるとやっぱり、誠実なメイドさんの確保が必要なんだよな。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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