こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第9回放送 延長2回目
「10時00時になりました。こんばんは。今日は報道特集の第9回目を、放送時間を再延長しても終わりませんでしたので、そのまま続けて特報をお送り致します。
キャスターはコンプライアンス研修から帰ってきましたまねき猫です。
現地のkiさん、先ほどの続きをお願い致しますにゃ。」
「kiです。それでは先ほどの続きをお送りいたします。」
「先輩は自分だけとっとと防具を付けて、勝手に麦酒を注文して飲み始めているし。
一応特派員なんだから仕事してよ。
何ゲストってんのよ。もうっにゃにゃにゃ。ひっかいちゃるねこぱんち」
「ねぇちゃん、防具が無理なら俺が守ってやるから、入り口の反対側のこっちの席に座んな。
あと、変な箱をこちらに向けているやつと棒をこちらに向けているやつも防具を付けないなら、このねぇちゃんのさらに奥に行きな。
俺の後ろだったら多分大丈夫だろ。
あとはあの龍さんとかいう御仁の後ろも安心のようだ。」
「それではみなさんの席がなし崩し的に決まったところで乾杯しましょう。
皆さん何を飲みますか。」
「まずは冷えた麦酒だろ。ここ女将は氷魔法が使えるんで、酒を冷やせるぞ。
冷えた麦酒が最初は至福だな。
ところで、一応確かめてみるが酒がダメな奴はいないよな。」
「それでは熊さんのおすすめに従いまして、とりあえず皆さんに冷えた麦酒をお願いしますね。
おかみさん、にゃ。」
「はいよ。すぐ冷やすからね。
この小樽ごと冷やしますから、このジョキにそれぞれ好きなだけ注いでくださいね。
ジョキも冷やして持っていきますよ。」
皆がそれぞれ樽からジョキに酒を注いだ。
「いきわたりましたね、KKコンビはごめんなさいね。
中継が終了したらたくさん飲んでください。
それまではお仕事お願いします。
それでは乾杯の音頭をN先輩お願いしますにゃ。」
「それではご指名ですので、今日も一日お疲れさまでした。カンパーイ。にゃ♡」
「「「「カンパーイ。」」」」
「「「「うっめぇ~。」」」」
「熊さん、もう5杯目でしょ。何で一杯目のふりしてんのさ。」
「おかみさん、それは違うね。皆と乾杯したのはまだ一杯目だ。」
「乾杯するごとに一杯目かい。それはさぞかし酒がうまいだろうねぇ。
うちは儲かるからどんどん一杯目を飲んどくれ。」
「あの~ぉ、おかみさん。
このお店では防具の着用が必須なんですか?
何か危険なイベントとかあるんですか。
例えば、酔っ払いたちがこの熊さんとお店の中で立ち回りを演じるとか、にゃ。」
「そうなんだよ。お店の客同士でのいざこざではないんだけどね。
外から来るのさ、例のやつが、襲撃しに。」
「例のやつですか? どなたでしょうか。
危険なら治安部隊に排除してもらうとかできないんですかにゃ。」
「今日あたり、そろそろなんじゃねぇか。
そう思ってこの店に来たんだが。」
「そうだねぇ、そろそろかもね。くるかもねぇ。」
「ええっ、来るかもって。
そんな危険人物は野放しにしていないで早く捕まえましょうよ。
にゃにゃにゃ。ヒックにゃ。」
「まぁ、やつが来る前にはもう一人の主人公が現れないとな。
何でもしばらく最前線に行くとか言ってたから今日あたり来るんじゃねぇのか。」
「そうなんだよ。来てくれるのはいいんだけどねぇ。
金払いもいいし、熊公と違って、いい男だし。
でもねぇ、彼に付いてくるのがねぇ、やっかいなのよねぇ。
誰も手を出せないし、熊公以外は。
そういえば、お連れさんの青年。
いい男だねぇ、熊公と違って。」
「うるせぇや。せっかくわざわざやつを止めに来たのに、その言い草は何だよ。帰ってもいいのか。」
「冗談だよ、冗談の通じない人だねぇ。人、熊だったわ。がはははははっ。」
「俺は人だ、多分な。この頃わかんなくなってきたよ。がははははははっ。」
「まぁ、人じゃねぇ、やつを止められないしね。」
ガラッ。
「こんにちは。今日熊さん来てますか。
おおっ、いたいた。
これで安心して飲めるぞ。皆入れ。おかみさん4人、良いかな。」
「熊公がいるからいいわよ。ゆっくりしていっておくれ。」
「ありがとう、まずは冷えた麦酒だな。それとつまみを適当に。」
「熊さん、あの軍人さんどこかで見たことがあるんですけど、どなたですか。
あと"やつ"ってどなたですか。」
「まぁ、その内わかるさ。今日は役者がそろったので"やつ"は必ず来る。
期待して待ってな。」
その後、お酒とおつまみを楽しみながら雑談というインタビューを楽しくこなしていたKiをはじめとした特派員の面々。
しかし、"やつ"は突然やって来た。
「盾をあげろぉ~、"やつ"が来るぞう。」そう叫びながら両手剣を引き抜き構える熊さん
緊迫したようなしないような場面がモニターに映し出された。
だって、熊が剣を構えて立つなんて、ぷぷぷっ、ですよ by ki
がっちゃーんっ。ガキッ、ドスっ。
何かが割れて、黒い物体が飛んできて、それを両手剣ではたき落とす熊さん。
そしてまた。
がっちゃーんっ。ガキッ、ドスっ。
黒い物体が飛んできて、それをまた両手剣ではたき落とす熊さん。
私、kiは落ちてお店の床にめり込んだ黒い物体を命がけで覗いた。
それは何と。
「鉄球です。砲丸投げの鉄球がお店の外から大砲のように飛んできて、それを熊さんが叩き落としています。にゃ。」
がっちゃーんっ。ガキッ、ドスっ。
「また飛んできました。戦争が勃発したようです。
相手はどこの勢力でしょうか。
熊さんに対抗するとしたら、きっと金太郎さんです。
足柄山の金太郎さんが鉄球を飛ばして熊を退治しようとしています。にゃ。」
がっちゃーんっ。ガキッ、ドスっ。
「金太郎って誰だ?」飛んでくる鉄球をはたき落としながら会話する余裕の熊さん
「私も良く分からないのですが、地球という田舎に昔いた豪傑の様です。
熊と相撲をしたという、まぁ、相撲自体も良く分からないのですが格闘技の一種かと思われますにゃ。」
「どっちが勝ったんだ。」
「伝説によりますと、熊さんが投げ飛ばされたということです。
勝ち誇った金太郎さんが座ったという巨石が現地に残されているとのうわさを聞いたことがありますにゃ。」
「そうか。地球の熊は負けたか。でもここの熊は負けんぞ。いざ勝負。」
「熊さんがお店の入口に体当たりして、ドアを壊して外に出ました。
我々も後を追ってみましょう。
とりあえず両手で盾を持っていきます。にゃ。」
「お~っと、熊とにらみ合っているのは左手に大鎌、右手に鉄球をもった、黒いフード付きのマントをはおった、死神さんだ~ぁっ。
死神vs.熊の一騎打ちだぁ~っ。
これは私が思うに熊さんが一方的に不利だぁ~っ。
相手は絶対凶者の死神だぁ~っ。
あっ、両者にらみ合って一歩も動けません。
どうする、熊さん、頑張れ熊さん、絶対凶者に対峙できるのは君しかいない。
我らの熊さん、お店の運命は熊さんの頑張りに掛かっていますにゃ。」
「ええっと、スタジオのまねき猫です。
ジャーナリストとして片方に肩入れするのはまずいかともいますにゃ。」
「スタジオのDです。
でも熊対死神ですよ。
ここはお店のためにも熊さんに奮闘していただきたいと思いますが。」
「視聴者の皆さん、大変申し訳ございません。
放送時間を再々延長しても終わりませんでした。
しかし、このまま特報を続けろとの当局のトップからの指示ですので、そのまま再々々度放送時間を延長してこの特報をお送りいたします。
チャンネルはそのままで、特報再々々延長戦を引き続きお楽しみくださいにゃん。」
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。