今さら遅いけど、ノームの懺悔の部屋へようこそ 4人目が終わらず延長です
「 おや、まだ懺悔の途中でしたか。
それでは心行くまでごゆっくりどうぞ。
この部屋にはあなた以外、誰も入れません
それではおひとりで、神に祈りをささげ、己の黒歴史を余すことなく白状しなさい。
それでは後程。」ガチャッ
でもね先日、本当に数日前なんだけど、とんでもないことが起こったの。
私と彼の恋のゲームを邪魔する、いえ、THE ENDさせるような悪い奴らが出たわ。
あの日は第108旅団のB部隊と第12師団とが新たな魔族部隊とその社の発見を目指して探索を行っていたわ。
そして、時を同じくして魔族の1個師団を発見したとの第1報が旅団と第2軍団の司令部に入って来たわ。
旅団の方は敵の動きの追尾を基本にして、もし発見されたら旅団の残りと第32師団の到着を待たずに敵の殲滅を命じたわ。
後から聞いたのだけど、12魔将が率いる魔族最強師団の一つだったらしいわね。
まぁ、あっさり殲滅したところが人類最凶小隊だわね。
一方の第12師団には私の彼♡がたまたま、最前線の視察に来ていたらしいわ。
彼が現地に居たおかげで、あっという間に第12師団と後方にいる第2軍団の方針が決まったわ。
さすが私の彼♡、事務総長が軍団の実権を握っているのよね。
普段私と戯れていることが多いけど、やるときにはやるわよ、私の彼♡は。
正面の魔族師団をけん制しつつ、後退。
増援されてくる第2、22師団との合流を待って、反撃に出ることになったわ。
彼に指揮された第12師団は後退の用意を素早く整えると後退に移ったわ。
彼はもちろん第12師団司令部と一緒に殿に近い位置で後退。
しかし、そこで凶報がもたらされた。
そう、右側面に別の敵1個師団が現れたわ。
いったい第12師団の偵察隊は何をしているんでしようかね~ぇ。
私の彼♡がわざわざ最前線まで視察に行かなければいけないわけが分かったかしら。
彼も本当は私と戯れている方が好きなのに、使えない将官と部下たちのおかけで自分の楽しみも削って最前線に行くなんて。
今度第12師団の偵察部隊をまとめて炎熱地獄に引きずり込んでしまおうかとあの時は真剣に思ったわ。
こうなると戦術的後退なんて言ってられないわね。
完全に撤退戦に専念し、増援師団と合流を目指すことになったわ。
この情報がもたらされた時点でさらに第42師団、そして、第1、31師団の増援も急遽教会本山の軍総司令部で決定されたわ。
ここで、私は少し焦りを覚えたわ。
いくら有能な彼でも、所詮は人ですもの。
シュウや芦高ちゃんのように人外の力を持っているわけではないわ。
魔族の2個師団に追撃されて無事でいる方が不思議。
私はどうしようか。
まずはシュウたちに旅団B部隊と対峙した雑魚師団を粉砕してもらい、すぐに右に転進し、第12師団をの援護を頼もうと指示しようとした、まさにその時だったわ。
今日、最後に最恐の凶報が第12師団よりもたらされたわ。
そう、第12師団の左側面にも敵師団が現れたの。
これで第12師団は3方を囲まれた。
第12師団は私の最愛♡♡♡の彼と共に全滅の危機に瀕していたわ。
ほんとになぜ3方を囲まれたことに気が付かないの。
偵察部隊はこれで全員炎熱地獄から大炎熱地獄へツアー先を変更。
もしも、もし万が一にも彼が天国に召されたら、魔族4個師団全員と第12師団の偵察部隊は無間地獄にツアー先を変更だわ。
その時にわたしは体の中に彼を愛する思いから赤い業火が、彼の無事を案じる思いから青い業火が、そして、このタイミングで攻撃して来た魔族とその魔族を直前まで発見できなかった第12師団の偵察部隊への怨嗟の思いから黒い業火が体を駆け巡り、それらが私の中から外に出ようするのを抑えることで一杯一杯だったわ。
何とか魔族3師団の動きを攻撃を止めなきゃ。
それを強く思った瞬間、3色の業火が一つになり白い業火となった。
そして、私の彼への思いと一緒に飛んで行ったわ。
飛んで行った後は私の中にはその残り香の白い炎が今度は小さく、彼を思うと大きくなることを自覚しているわ。
その後、右に転進したシュウのチームが第12師団の正面と左側面にいた魔族師団を殲滅したことを知ったわ。
さらに、右側面の魔族師団はどこかに消えたわ。
なんとなくどこに行ってしまったか、いえ、どこに引きずり込まれたのかはわかるような気がするわ。
白い業火が私から放たれた後に私は願ったわ。
魔族の全滅を、この人類の領域から消えることを。
そう願いながら、この大鎌を懸命に振ったわ。願いが届くように。
その願いが届いたのかもしれないわね。
そうしてもう一つ、私の願い通り第12師団の偵察部隊は私の傀儡となった。
全ての後、私は理解したわ、如何に彼を愛しているか、彼への深愛を。
そした、私の深愛を守るためには心に秘めていてはダメなことも。
だから私は変わることにした。
わたしの心は変わらないけれど私の思いをそのまま外に出すことにしたわ。
しっかりと深愛の彼を私に繋ぎとめる、いえそれでは足りないわね、従属させるために。
もう、秘めてはいられない。
私の大事な彼♡♡♡。大好きよ。
だから大事にしてあげる。
私をこれまで包んだいた彼への思い、そう闇で包んであげる。
逃がさない。逃げられない。あなたは私のもの。
そう、もう私は隠さなくてもいいの、あなたへの思いを。
私の心を隠していた闇ごとあなたを包んであげるわね。
エリナが自身の放つ光でシュウを包んでいるように、私は私の心にあった闇であなたを包んであげる。
でも、決して苦しくなんてないのよ。私の闇は。
心安らぐ闇だから、一緒に沈みましょうねジュラ。
< 懺悔を聞いた後のノームちゃんの感想コーナー >
こいつ既に覚醒しておったのじゃな。
ただ、今だに覚醒したことをわかっておらんのかもしれんな。
アクアちゃん、どうしようか。
"めんどくさいことは全部シュウに押し付けてしまえばいいじゃねぇか。そのための輪廻の会合に集いし者どもの中心にいるものなんだろ。
それよりもそろそろ正座止めていいか。水たまりが泉になって来たぜ"
止めてもいいかどうかもシュウが決めるんじゃのう。
"ちぇっ。もう止めてやる~ぅ。"
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。