今さら遅いけど、ノームの懺悔の部屋へようこそ 私は4人目
「 ようこそ、おいでくださいました。
まだ、遅くありません。悔い改めなさい。
この部屋にはあなた以外、誰も入れません。
それではおひとりで、神に祈りをささげ、己の黒歴史を余すことなく白状しなさい。
それでは後程。」ガチャッ
私は黒魔法協会の参議のエレオノーラと言います。
近頃は誰もこの本名を呼んでくれません。
彼♡も私のことを死神さんなんて呼びます。いいの呼び方なんてどうでも。
私を思ってくれることが大事なの。
でもね、私は死神なんかじゃありませんよ。
確かに、私の身長より大きな鎌と黒いフード付きのマントを羽織っていますが。
これが死神の格好だとなぜわかるのでしょうか。
本職さんを見たことがあるのというのでしょうか。
全く、ぷんぷん怒。
今日は私が彼♡を意識し始めた、つまり、彼に♡を付け始めたことについて聞いてほしくて、いいえ、誰かに言いたくて仕方がないのでここに来ました。
心の親友である特攻隊長さんにこのことを話そうとしたらね、
"裏切者、一人だけ思い人を作りやがって、俺はまた断られたぞ。
うえ~ん、ぐれてやる。"
と言って、第1083基地の旅団宿舎を飛び出して行って、近くの木に激突して気絶していました。
まさか、漫画でしか見たことないようなシーンを実際に見てしまいました。
ちなみに漫画ってなんでしょうねぇ~。ふと頭に浮かんできました。
これもきっと彼からの贈り物ね♡。
ということで、誰も聞いてくれないの。
エリナなんて散々私にシュウとの惚気話をしたくせに、今度は私が話そうとしたときにはそそくさとシュウと休暇の準備をしに行っちゃうし。
誰か聞いてよ、私と彼との距離が縮まった、いえ、縮めた経緯を、お願いよぉ~。
まぁ、なんだわね、ここでは勝手に話せばいいのね。
そのための懺悔室ですもの。
私の大事な彼は第2軍団の事務総長をしているジュラ♡と言いまして、イケメンの上に頭脳明晰という門前町の女の子だったら誰もが憧れるような素敵な人なの。
私の趣味というか趣味を仕事にしてもらっているというか、私の仕事は頭脳優秀な男性の血液を採取して熊さんのような筋脳雄のそれと比較して、頭脳優秀な人類の肉体的特徴を探す研究なの。
ほんとは頭を勝ち割って、脳同士を直接比較したいのだけれど。さすがにねぇ、筋脳雄はかまわないけど、違うわねそんな生ぬるいことではいけないわ、未来の人類のために筋脳雄はすべて抹殺してもいいわね。
もちろん、優秀な男性はしっかりと過保護にしないとね。
筋脳雄は門前町の居酒屋に居る男に鉄球を投げればいくらでも捕まえられるのだけれど、優秀な男性は危険察知能力にも長けているので、そうそう簡単につかまらないわ。
こちらが遠慮して、鉄球の代わりに毛糸ボールを投げているために当たっても気にせず逃げてしまうのよね、
筋脳雄は一発で倒せるのにね。不思議ね。どうしてかしら。
そうだわ、さすがは優秀な男性だわ、きっと対策がなされているのね。
くやしいけど、そこがまたいいのよね~ぇ、捕まえそうで捕まえない。
ずっと、追いかけていられるものね。
いい男を追い回す、力の限り追い回す楽しみは骨までしゃぶりつくさなくっちゃ。
そんな私の獲物の、おもちゃの中でも一番のお気に入りはもちろん彼♡。
私のお気に入りリストの8位にランクされているわ。
えっ、一番なのになぜ8位かですって。
これだから素人は、ちゃんとお聞きなさいな。
私の楽しみはただ追いかけまわすだけじゃないわ、相手の力を試すようにいろいろなトラップを仕掛けるわ。
黒板けしを教室のドアに仕掛けるような、幼年魔法職校生のようないたずらは大人のトラップとは言わないのよ。
例えばそうねぇ、彼らのベットに呪いをかけて闇に足だけだけ引きずり込むとか。
闇に引き込まれた足はどうなるのかって、そんなことは知らないわ。
地獄に生息しているアリ地獄のおもちゃになっているとのう・わ・さ♡。
あっ、そういえば時々地下19階に、私が勝手に黒魔法協会に作っちゃた巷で噂のダンジョンよね、そこに汚い足がころがっているけど・・・・・。
なぁ~んだ、今度から足だけでなく、全身を引き込めばOKということね♡。
ちなみに黒魔協会の建物としての地下は5階までなの。6~18階はどうなっているのかしらね。
うふふふ、私のダンジョンは19階だけよ。
あるときは、彼らの通勤路に土石流の時限魔法を仕掛けておいて、いつものように彼らが通ると土石流が発生するという小技もあるわ。
ただし、この罠はちょっとだけ困ったことがあるのよね。
罠にはまると元が誰だかわからないほどぺちゃになったりするの。
たまに・・・、ごめんウソついた、ほとんどだわね。
まぁ、ぺちゃになったら、もう楽しみがなくなるんじゃないかですって。
素人はこれだから、ぷんすか怒。
そいうときはね傀儡の闇魔法で形だけ元に戻して、地下19階で一生、ごめんまた嘘ついたわね生きているわけないじゃないの、永遠に安心して過ごすことができるわ。
もう生きる煩わしさから自分だけ抜けるなんて許せないわね。まぁ、私のかわいい傀儡ちゃん、裸標本ちゃんだから特別に許してあ・け・る♡。
そしてまたある時は、闇魔法の抜け出せないトンネルを男トイレに仕掛けて置き、獲物が入った瞬間、魔法発動、炎熱地獄に直接送っているわ。
もうわかったと思うけど、このトラップはね強力な水魔法術士にしか使えないの。
魔力が尽きて地獄の業火に焼かれるか、私の地下19階に来るかの選択を迫るときは、うふふふっ、人生で一番興奮すねわね。
どちらを選んでも天国のような地獄のような日々が待っているんですもの。
どちらを選ぶかしらね。私としては19階を選んでほしいのだけれど。
魔力が尽きるまで、これからのすべてを掛けて悩む様子を見ているのは背中がぞくっとするほどエキサイティングね♡。
おっと、トラップを紹介するコーナーでなくて、一番大事な私の彼♡がなぜランク8位という話だったわね。
うふふふ、彼♡、私のトラップをことごとく切り抜けてきたの。
そう、これからもいろいろ楽しませてくれそうな彼♡。
彼との試合が、あっ、彼は死合で、私は試合ね、もっと激しく永遠に続くように、末広がりの意味を込めて8の数字にこだわった結果が8位なわけ。わかってくれたかしら。
うふふふふ、彼♡との試合はほんとに楽しいの。
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。