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6話目 早く行こうよ、エルフ領へ

いよいよ出発の朝が来た。


朝食をいつもより早く取り、第1083基地の社の前に来た。もちろん俺はエリナとソニアと一緒だ。


芦高さんは張り切っているのか昨日の晩から社の前に陣取っている。


昨日、俺たちが野戦キャンプの準備や買い出しをしている間、食い溜するために基地周辺でオークを8体捕まえてきたそうだ。


俺は相変わらず芦高さんの食事風景が怖くて見ていられないので冒険の前にたっぷり食事を終えてくれたことはありがたい。

エルフ領にオークがいるとは限らないしね。


しかし、オークの繁殖力は半端ないな。

げっ歯目並みだな。


魔族と共にあれだけ撲滅したのにこの近辺にまた沸き始めるなんて。

芦高さんの食料供給のためのオーク自然発生牧場、ありがとうございます。誰が経営しているの?


二日酔いの顔で熊さんと似非女神さ~まがやって来た。

今にも・・・・、汚ねぇから言わないが。


こいつらやる気あるのか、これから大事な冒険だというのに。

仕方ないここは一発俺が締めてやる。


「女神様、そんな青白い顔じゃ、エルフ男狩りに失敗しますぜ。

ここはすっきり、明朗会計的な笑顔でエルフ男どもを篭絡しましょうぜ。」


「悪いな。エルフ男女神専用牧場の構想を練っていたら、ついつい飲みすぎた。

反省はしているんだ。

この借りはエルフ男女神牧場ができた折にシュウに一日牧場主のチケットを上げよう。」


「女神様、そのようなお気遣いは無用に願います。

私は女神さまの忠実な信徒です。

できればエルフ女シュウ信徒専用牧場・・・バシッ(ハリセンチョップ)・・・」


「シュウ、何をこそこそ話をしているのかな~ぁ。

エルフ女が何だってぇ。

はっきり言ってみなさいな。


どうもシュウは下種水大精霊と一緒に神殿の隅で正座1週間をお望みの様ね~ぇ。」


「いえ、若奥様。

そこで養成したエルフ女戦士をわが家の衛士として編成することを考えておりました。


決して、似非女神さ~まのようなエロいことを考えていたわけではございません。」


「ちょっと、私だってエルフ男共を使って、エロいことを考えていたわけではないわよ。


だだ、私の周りに侍らせるだけではもったいないので、そんなことやこんなこと、そして、あぁぁぁぁぁぁっ、あんなことも考えていただけなんだから。


全然エロくないでしょ。ねぇ、シュウ信徒。」


「もちろんでございます、女神様。

女神さまは美と慈愛の女神さま。

全くエロい要素が表向きはございません。」


「ほんとに~ぃ。

どうも自然に沸いた美と慈愛の女神って信用ならないのよねぇ。」


「エリナ守銭奴教初級司祭ちゃん、そんなことを言ってはいけません。


世界を救うのはこの青少年純粋培養協会が特別推薦したような気がする美と慈愛の教会の教えしかないのです。


ねっ、女神様。」


「そうですよ。

あまりシュウを疑うと慈愛成分が薄くなり、シュウとの結婚生活が性格の不一致とか言って崩壊しますよ。」


「ええええっ。


シュウ、ごめん。


もう旦那様のことを疑うようなことはしないわ。

いくらでもエルフ女を純粋培養して我が家の衛士にして頂戴。


でも制服とか言って、ミニスカニーソのメイド服は止めてちょうだい。」


「奥様、メイドたちの教育は私、風神にお任せください。


私が責任をもって、我が主家の隠密部隊、風魔一族として教育・編成いたしましょう。」


「エルフと会ったらどうするこうするという前にまずはエルフ領に行かないと。


もう仕方ない、エリナかソニア、似非女神さ~まと熊師匠に二日酔いの治療をしてあげて。


せっかく朝早く集まったのに出発できないよ。」


「しょうがないわね、

冒険に出発する前に治療なんて、この先が思いやられるわ。それ。」


「わりぃな、これではちみつ酒見つけたら、たらふく飲めるな。

それで気持ち悪くなったらもう一回治療を頼むぜ。」


「次回の二日酔いの治療には100万バートをいただきます。

今回は開店記念特別初回特典のお試し治療となっておりました。


既に初回特典をご使用しましたので、次回からは通常料金、前払い制となりますのでご利用に当たってはご注意ください。」


「ちぇっ、しっかりしていやがる。

ソニア様にたのむからいいよ。」


「えぇぇぇっ、めんどいからいやだ。


私のところは初回特典何てないよ。

いきなりぼったくり仕様だから初回100万バート。


んっ、違うわ。やっぱ初回は無料特典としてあげるよ。」


「そうか、ソニア様はさすが俺のペアだぜ。」


「遠慮なく使ってね。」

「ソニア、ペットを甘やかしてはいけないぞ。」


「大丈夫よ、お兄ちゃん。


初回無料特典は血中のアルコールを分解するだけなの。

無料特典だから当然よね。」ボソ


「どういうこと?」ボソ


「アルコールの分解は通常2段階なんだって。

無料なのはその初めの方だけ。

2段目は通常料金、100万バートをもらうつもりなの。」ボソ


「1段目だけでもかなり調子が良くなるんじゃないの?」ボソ


「逆なのよ。飲んだ後に気持ちが悪いのは2段目の分解が進まないためらしいの。


つまり、1段目の分解を促進させても2段目の分解はそのままなのでどんどん気持ち悪いものが体にたまっていくんだって。」ボソ


「と言うことは次の詐欺のような図式が成り立つということか。


二日酔い、で気持ち悪い

→ ソニアに初回無料特典を使って治療を頼む

→ 治療はするが1段目だけ

→ 気持ち悪いものが体に一気に溜まって、ますます気持ち悪くなる

→ 耐えられなくなり、再度治療を頼む

→ 2回目なので、今度は通常料金100万バート、いっさいの割引なしと言う

→ 高すぎて治療を躊躇するが、物凄く気持ちが悪いので、治療を頼むしかない

→ 前払いで100万バートを支払い、2回目の治療

→ 体調が良くなるが、財布が軽くなり、飲み過ぎを後悔

→ お酒を控えるかもね


と言うことを狙っているのか、さすがだ。

だてに190年も生きていねぇな。」ボソボソ


「違うよ。最後の2行はこうだよ。


→ 体調が良くなり、また、飲めることがうれしい。もう、飲んじゃえ

→ また、気持ち悪くなり、治療を頼み、今度は2段とも有料で、私がウハウハ

と考ええているの。」ボソ


「げっ。それってルーティーン化を狙っていたのか。

治療費で酒飲む金がなくなるまで繰り返されるのか。


確かにそのルーティーンが成立すればウハウハだな。」ボソ


「また、皆でケーキを食べようね。にこにこ。」


恐ろしい子に育ってしまった。


「ところで、アルコールの分解が2段だって誰に教わったんだ。」ボソ

「最近門前町に時々出没してインタビューしている服着て二本足で立っているネコさんだよ。」ボソ


「あまり知らない人? 猫? に近づいたらいけないよ。

ノミが移るらしいから。」ボソ


「でもとってもきれいにしているようだから変な虫は持っていないと思うけどなぁ。

本人は変な虫でもいいからついてほしいといってたけど。」


「きれいな顔をして悪魔のような考えを持っている闇の死神大魔王のような奴もいるからね。

あまり見た目を信用してはいけないよ。」ボソ


「は~い、今度から気を付けるね。」ボソ


「ねぇ、シュウ、うだうだしていてもしょうがないので、二日酔いも良くなったようだし、そろそろ出発しようよ。」


「あっ、ごめんね。

じゃっ、風見鶏を回してくれる。」

「わかったわ。それっ。」


風見鶏が勢いよく回りだし、丁度俺たちの上に虹がかかった。

「よし、エリナ、エルフ領に行くことを願って。」

「わかった。皆でエルフ領に行けますように。」


その瞬間、目の前のむき出しの大地が揺れた。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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