25話目 闇の死神大魔王様がハート♡の連発だ~ぁ
何とか怒特攻大魔神様の怒りを鎮めることに成功し、俺たちは新しく解放された社と現在はまだまだ整備中の第1084基地にやって来た。
ここの社は少し大型の転移魔法陣を有しており、魔力溜24基が必要であった。
機嫌が良くなった女神様(ほんとは喜特攻大魔神様)にここの解放について聞いてみた。
「女神様、ここを解放したのはどなたですか。」
「ここを解放したのは、守銭奴教の最高司祭よ。
一歩遅かったわ。
本来なら女神の私が解放すべきでしたのに。」
似非女神さんは風・炎の魔法属性ですので解放は無理かと言いかけたが、せっかく気分よくお過ごしいただいているので言わないでおいた。
「そうですね、社の解放と祠の設置はやはり女神様こそがふさわしいかと存じます。守銭奴教の幹部に任せておいていいものではございませんです。」
「よくお分かりのようね。さすが我が美と慈愛の女神の信徒です。
その調子で修行を積めば近々に司祭として新たな教徒たちの指導を任せてもいいと思っていますわ。
頑張りなさい。」
げげっ、怒れる特攻大魔神をなだめ続ける役なんて勘弁してくれよ。
そろそろここから逃げ出さないと一生付きまとわれてしまいそうだ。
「あら、無断外泊昼帰りのシュウとエリナじゃない。
特攻隊長怒のにこってり絞られたかな。
朝方、とんでもなく怒っていたもんね特攻隊長。」
おっ、闇の死神大魔王様だ。なんかすごい上機嫌だな、リストランク上位者でも解剖できたのかな。
ここは機嫌の良い人の方に乗り換えるのが正解かな。
「中隊長、昨日はすいませんでした。
ここで魔族師団を壊滅させた後に受けた指令により第12師団の左側面を攻撃しようとしていた魔族師団を攻撃。壊滅させました。
その直後に第3小隊が行った大型雷攻撃に気が付いた第12師団の頭を押さえていたと思われる魔族師団が急速に接近してきました。
我が小隊はこれに直ちに応戦し、同様に壊滅させました。
この時点であたりが暗くなってしまったのと半日で敵魔族3個師団と戦闘をしたこともあり、芦高さんを除く小隊面メンバーがかなりの疲労を感じていました。
そのため、その場で野営をすることにいたしました。
進化して高性能化した芦高さんに見張り番と緑の魔石と社の探索を依頼しました。
その地での野営を選択した理由としてはもう一つ、第12師団の右側面にはまだ魔族1個師団の兵力が残っていたため、これを警戒することも考えていました。
今日の朝の時点で今回の戦闘領域で魔族の存在が感じられなかったため、緑の魔石と社を探索を続行しました。
しかし、緑の魔石を2個見つけたのみで社は発見できませんでした。
そろそろここに戻ろうと考えていた時点で、第1小隊長からエリナに連絡が入り、慌てて戻ってきたのが昨日から今日にかけての第3小隊の単独行動中の経緯です。
連絡を忘れて、申し訳ありませんでした。」
「申し訳ありません、連絡担当の私が忘れてしまいました。」
「きゅぴぴ」
「連絡が取り難い状況だとは思いましたが、
旅団の残存組も君たちの安否を大変心配てしました。
情報がなくては動きようがありません。
今後は勝っても負けても必ず事後に連絡をしてください。
小隊で魔族の師団に突っ込んで行ったんですもの、屍になったとしても不思議ではありません。みんな心配していましたよ。
カメさんなんかは一晩中トーチカキャンプでエリナの位置を探ていたわよ。
それはもう完璧にストーカーに転職したのかと思えるぐらい必死でしたよ。
あと、シュリさんも一晩中探していました。後でちゃんと無事な姿を見せてあげてください。
今は二人とも疲れて寝入っています。」
「「わかりました。後で会いに行きます。」」
「私も探していましたよ。美と慈愛の女神ですもの信徒の無事を確認するは当然です。あまり心配をかけないでください。」
「「女神様ありがとうございます。後でより一層、崇めさせていただきます。」」
「ところで、第12師団や第2軍団の方面はどのような状況になりましたか。
さすがに第12師団の右側面の魔族師団までは手が出せなかったので、どうなったのかと思いまして。」
「うふふふ、知りたい。」
「? はい。知りたいでが。」
「どうしようかなぁ。」
「何か言い難いことがあるのでしょうか? 」
「えへへへへっ。」
「頭がお花畑の死神はほっといて、女神の私が信徒に教えてあげよう。
神の信託と思って気軽に聞いてね。」
「神の信託だってさ。どんだけ役にはまり込んでいるんだ喜特攻大魔神様は。」ボソ
「男の人にちやほやされたのがよっぼとうれしかったのね。しばらくはいい気分にさせておきましょう。
ただし、後で私のことも100倍ちやほやしてね。ちやほやに疲れたらたらこ唇になるまでキッスね。わかった? 」ボソ
「えぇぇぇとっ。
しかし、闇の死神大魔王様はバカに上機嫌だよな。
普段は男女が無断外泊したと聞いたら、髪とマントを振り乱しながら大鎌を振り回して追いかけてくるのにな。」ボソ
「第2軍団の例の死神リストランク8位さんと何かいいことがあったんじゃない。
闇の死神大魔王さんはリストランク8位が気になってしようがないのが見え見えだわ。」ボソ
「さっきから何を2人でこそこそしているの。女神の面前だというのに。不謹慎だわ。」ボソ
「えぇぇぇと、死神中隊長がばかに上機嫌だなぁと思って。何かあったんですか。」ボソ
「ふんっ、裏切者のことはほっとけ。
今は私の信者を慈しむ方が大事なの。
知りたいのは第12師団のことでしたね。」
「そうです、知っていますか。」
「むかつくほど知ってるぜ。」
「えっと、女神様地が出ていますが。」
「おほほほっ、ちょっとまってね、化けるからね。」
「「お願いします。」」
「第2軍団の昨日の動きですね。
ここで第3小隊と越後屋の龍宮チームが12魔将が率いる魔族師団と遭遇した同じころに、同じように魔族を検索していた第12師団が魔族の一個師団と遭遇したわ。
第2軍団は師団全員で探索していたらしいわ。
全く非効率ね。経費の無駄遣いだわ。
その上、旅団の探索速度の1/2と言うのはどういうこと。
第2軍団の指揮系統のバカさ加減に呆れて物が言えないわ。
ねっ、信徒の皆さん、そう思いませんか? 」
「はぁぁぁ、そうですね。女神さまの言う通りです。」
「ちょっと待ってよ。第2軍団のどこが間抜けだというの。
確かに、間抜けた探索方法だけど、それを決めているのは第2軍団の司令官と参謀部よ。
事務総長じゃないわよ。事務総長は私のリストランク1位に昇格するくらい優秀なんだから。
シュウ君ごめんね、君は結婚したのでリストから外れちゃったの、ランク外に降格よ。
ちなみに芦高さんは進化したお祝いに18位に昇格ね。人間だったら2位だったのにな。
残念ね。」
「あのリストって、解剖したい順位だったはず。いつの間にかハート♡のリストになっていねないか。」ボソ
「もう、解剖でも♡でもいいと思うわ。とにかく男とじゃれつきたいのよ。もう後がなさそうだし。」ボソ
「俺はまだ後があるぞ。
お見合いなんて消極的な策はもうやめだ。
これからは美と慈愛の女神として、その威光のもと、男共を信徒化し服従させてやる。
その中から気に入ったやつをつまみ食いだぁ。ジュルリ」ボソ
「ちょっと、女神様、私のシュウにちょっかいを出さないでね。」ボソ
「わかっているぜ。シュウはさくらだ。
一人でも男が信者に居ると入りやすいだろ。」ボソ
「客寄せパンダみたいなもの? 」ボソ
「まぁ、ちょっと違うが似たり寄ったりだろ。」ボソ
「まぁ、それだったらいいわ。」ボソ
「それでいいのか、エリナ。」
「さっきからなにこそこそこそこそこそ、話をしているの?
それとも、第12師団の顛末を聞きたくない? にこにこ。」
「はっきり言って、聞きたくないけど、ここで聞かないと(怒)闇の死神大魔王様が発動するといけないから聞いてやるか。」ボソ
「「「聞きたいで~ぇす。」」」
「そんなに聞きたいんじゃ、しょうがないわね。皆の者よ~く聞くのだぞ。」
うぁぁぁぁぁ、あのフレーズはぁぁぁぁぁ、ろくなことがねぇよ、絶対。
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。