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22話目 謎のこ汚い社を見つけたよ

芦高さんに見張り番と社の探索の継続をお願いし、俺とエリナは芦高さんが持ってきた寝袋で寝ることにした。


芦高さんはどうも睡眠というものは必要ないようで、安心できる状態、例えば基地に居て非番の昼間に脳の意識を低下させることが睡眠の代わりらしい。

睡眠という人には必要な一日の生活のリズムであるサーカディアンリズムを魔物である芦高さんには持っていないのらしい。


進化した芦高さんは48時間ぐらいであれば全力の活動が可能なのかもしれない。


戦いに明け暮れた一日だったが、最後は家族一緒に夜空の下でキャンプ気分に浸って寝ることに。


なんか大事なことを忘れた気がするが気のせいだろうか。


"一日頑張ったんだから、もう細かいことは気にせず寝よ。

一緒に寝袋でもいいわよ。今夜は冷えるし。 ♡"


「見張り番は任せてほしんだな。火の番もするよ。ゆっくり寝ればいいんだな。」


「シュウは頑張った。マジ頑張った。

俺がしょうがねぇから添い寝してやる。一緒に寝ようぜ。


ふぅ~、幸せだぜ。


でもなんかものたんねぇな。


う~ん。枕投げでもすっか。

修学旅行みてぇだな。ところで、修学旅行ってなんだ。職場旅行みてぇなもんか。


今日は同じ小隊の仲間でキャンプだから職場旅行みたいだな。まぁ、いいやねむたくなった・・・・・ zzzzzzzu」


「ガキどもは早く寝るのじゃ、寝ないと妾が夜遊びに行けないじゃろ。

大事なことは明日でもできる。早く寝るのじゃ、ジャリども。」


「あとは芦高さんと私に任せて、おやすみなさい。ご主人様、奥様。」


なんかほんとに大事なことを忘れている気がするが。

いいや、もう寝よ。zzzzzzzu


zuuu

zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzuuu

zuuu


パチッ


野宿キャンプなので、朝日が昇る前でも空は明るくなったのがわかって目が覚めた。


季節は既に秋から冬へと移ろうとしている。

明るくなったことと朝の冷え込みで目が覚めたのかも。

芦高さんは見張り番と火の番もしていてくれたらしい。


「芦高さん、おはよう。見張り番ありがとう。」

「よく眠れたのかな。」

「ゆっくり寝たよ。

昨日は大変な一日だったからかなり疲れていたのに今日はすっきりだよ。」


俺は残っている燃料を残り火にくべながら、火を大きくして暖を取ることにした。


「ご主人様、昨日の夜中に社を探索して、一応見つけたんだけど、なんか変なんだな。

ちゃんとした社として認識できないんだな。後から直接見てみたいんだな。」


「社を見つけたんだ、お疲れ様。

ここ辺に魔族の気配がなければ朝食後にゆっくり探しに行こうよ。」


「魔族の気配はないんだな。

ずっと向こうの方で夜中に魔族と人類が魔法を打ち合っているのは感じたけど。」


「それは第12師団と残りの魔族の部隊の戦いだな。きっと。


第12師団が魔族師団に捕まったか、或いは第12師団に第2、22師団が合流し、魔族に反転攻撃したか。

どちらが優勢かわかる? 戦闘は終わったの? 」


「戦闘は終わったみたいなんだな。どちらが勝ったかまではわからないんだな。」


「夜中って、どのくらい前かな? 」

「う~んっと、2時間の前かな。」


「魔族の気配はないんだよね。」

「探索できる範囲ではいないんだな。

戦闘があった地帯の付近には人類がぽつぽつ感じるんだな。」


「そうするとおそらく人類側の勝利で終わったような感じだな。

まぁ、魔族がいないならのんびりしようよ。」


「ふぁぁぁぁぁっ、よくねたなぁ。

あっ、旦那様おはようございます。よく眠れた?


私はちょっと寒いのです。抱きしめてもらえませんか。そして熱いキッスを。

さっ、さっ、これが新婚の朝の挨拶でしょ。ご遠慮なく。」


「それじゃ、遠慮なくいくぜ。

・・・・

・・・・

・・・・

シュウ、早く俺を抱きしめてくれ。昨日、俺を愛人認定してくれたろ。

エリナ公認の愛人。」


「えっ、エリナ公認の怪人。そうだよな、まともじゃないと思っていたよ。

怪人雷ちゃん参上とか、超・・・・・ かっこ悪す。」


「シュウ、てめぇ、言っていいことと悪いことが世の中にあることを知ってんのか。

でも、今のは面白れぇな。これからは怪人雷ちゃんと言ってくれよな、皆。」


「雷ちゃんがその程度で満足するやっすいやつで良かったよ。」


「みんな起きたようね。改めて、おはようございます。」


「婆ちゃんは寝てんのか、まだ。

年寄りのくせに若ぶって、朝寝坊しているぜ。

年寄りは早寝早起きがデフォでねぇんか。」


「夜遊びしてたからな。年甲斐もなく。無理しすぎでしょ。」

「お年寄りは大事にね。後で化けて出られると厄介だから。

そっとしておきましょうよ。」


「そだね。老い先短そうだし。」

「生きた屍はほっといて、朝ごはんにしましょうか。

火は起きているわね。


ごめんねシュウ、今朝も乾肉乾野菜ダブル戻しスープと固焼きパンよ。スープは調味料を変えて別の味にするけど。」


何か急にエリナへの愛おしさが激増した。

思わず抱きしめてしまった。

ぎゅるるる


「んもうっ、シュウったら。そんなにお腹が空いたのね。

でもちょっと待っててね。

よく煮込まないとお腹を壊すわよ。


かわいいんだから、小さな男の子みたい。」


「はい、ここで待ってます。おとなしく待ってます。」


・・・・・

・・・・・

「ねぇまぁだ? 」

「もうちょっとね。待っててね。」


・・・・・

・・・・・

「ねぇまぁだ? 」

「あと少しね、お肉が柔らかくなったらね。」


・・・・・

・・・・・

「ねぇまぁだ? 」

「はい出来ましたよ。熱いから気を付けてね。」


「いっただきまぁ~すっ。」


「すっかりご主人様が幼児化してしまいましたね。」


「お腹の空いた男の子何て皆こんなものでしょ。

でも、かわいい。食べちゃいたいわ。 ♡ 」


「エリナは食べないの。」

「もちろん食べるわよ。食いしん坊さんに全部食べられないうちにね。うふふふっ。」


「くったぁ~。ご馳走様エリナ。

お茶は俺が入れるよ。

この鍋に水を入れてくれる。」


「そういえば、芦高さんがなんか社を見つけたらしいだけど、ちょっと変なんだって。

お茶をゆっくり飲んでから行ってみようよ。

周りには魔物も魔族もいないみたいだし。」


「芦高さんそれはこの近くで見つけたの? 」

「昨日探索してたら見つけたんだな。でも、これまであった社とは感じが違うんだな。」


「そうねぇ、直に見てみないとどう違うのかわからないわね。

シュウ行ってみましょう。」


「おぉっ、芦高さん案内してくれるか、その見つけた変な社に。」

「そんなに遠くはないのでみんな僕についてくるんだな。」


俺たちは芦高さんの後に続いて、昨日魔族の師団と戦った荒野を、誰が荒野にした?、歩いていた。


芦高さんに魔族や魔物の生き残りを探索してもらったがこの周辺にはやはり誰も居ないとのことだった。


そして、30分ほど歩いて芦高さんが突然立ち止まった。

「ついたんだな。この周辺から社の存在を感じたんだな。」


俺は芦高さんが指さす方向を見た。

特に何も見えない、社のような物はなにも建っていなかった。


そこで俺はおばちゃんをを抜き、生い茂った下草を薙ぎ払った。

何度も何度も。そして、広場のようにした。


「もうちょっとだけ先なんだな。」

俺は下草を刈り、いざというときの退路を確保して、芦高さんの社を感じるところを探した。


「あっあれ。シュウ、そこに何か落ちているわ。何かしら。」


エリナの指さす地面を見ると何か土を被った長い棒のようなものが落ちていた。

長い間放置されていようで、半分は土と草の枯れ草の中に埋まっており、残りの半分が地面に出ているような格好だった。


「芦高さん、まさか、これから社の気配を感じるの。」


「そうなんだな。社というよりも祠とか泉に近いような感じがするんだな。全く別もんだけど。でも、確かに同質な感じ化するんだな。」


「ということは、これも転移魔方陣の作動装置なのか。」

俺は慌てて、その土に半分埋まった棒を引っ張り上げようと手を伸ばした瞬間。


「シュウ、ちょっと待って。

それから闇魔法のような嫌な感じがするわ。

何か魔族のトラップかも。」


「なるほど、確かに微弱な闇を感じるんだな。僕は社としての能力の方が強く感じたんだな」


「ちょっだけ雷魔法の放電をしてみるわね。

闇魔法だったらこれで振り払えるはずだわ。それっ。」


こ汚い棒にかすかな電撃が走った。

棒は絡みついた土と枯草で汚れていて、そして先端に何やら横棒や飾りが付いているような物体だった。


「エリナ、クリーンでこいつを綺麗にして。」

「了解。それ。」


クリーン魔法を掛けて綺麗になった棒は、何と、風見鶏だった。

風見鶏が祠? それとも社?


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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