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19話目 「役たたーぁズ」結成の秘話

黒い霧を出しているのは2個大隊ぐらいで、一か所に固まっていた。

少しづつではあるが芦高さんの氷属性フィールドを侵食しつつあった。


離れているとはいえ芦高さんの魔力1/4を使った属性フィールドを押し返すとはあそこにいる闇属性魔族の部隊はかなり優秀なのかもしれない。


しかし、俺の雷魔法には関係ない。

いつものように閃光が走る。


闇魔族が固まっているおかけで、広範囲に雷属性フィールドを展開する必要がないためほとんど魔力を消費していない。

俺は雷属性フィールドの展開に続いて、サンダーアローを高密度に闇魔族に叩き込んだ。


それは細い稲妻が束になって突き進んでいったものだが、遠目に見ると巨大な光の帯が横に走っていくようであった。


しかし、それは光の帯ではなく、束になった巨大な稲妻である。

そのエネルギーはすさまじいものがあった。

一瞬で魔族のいた場所は、いたと思われる場所になってしまった。


巨大なクレーターが出現したのだ。大きな隕石でも落下したかのような。


この有様を見て、俺はここでの戦闘も終結したことを悟った。

圧倒的な力だった。


もちろん俺だけでなく、氷魔法を使った芦高さんや魔法の供給源のエリナ、そしてこの惨状を生み出したこのお方。

はっきりというが俺が今使った魔力だけでここまでの惨状を作り上げることはできない。


うるさいさん張り切りすぎ。


「だってよう、ここで俺の力を見せておかないと失業しちゃうだろ。

タンスに逆戻りは嫌だぞ。


ましてシュウのタンスなんてさるまタケで溢れているんじゃねぇのか。

ちなみにさるまタケは男の下着に生える特殊なキノコだと婆ちゃんが言っていた。」


何なんだ其のキノコ。だいたい俺は下着は床に放り投げて置くタイプだ。

したがって、タンスの中にそのさるまタケなるものは生えていないぞ。


ところでそのキノコ猛毒がありそうだな。


「毒はないかもしれんぞ。

一部の特殊な趣味のご婦人方には漢方薬として人気があるらしいと聞いたことがあるようなないような。


まず、それってホントにキノコなのかのう。」


"シュウのタンスに変なキノコなんて生えていません。

職校寮の部屋以外のタンスはすべて私が整理しています。

パンツもちゃんとしまっています。


すべての下着類は私が管理しています。"


「下着まで管理されておるのか、甲斐性がなさすぎじゃのシュウ。

それにしても、エリナ、下着を管理している目的は何じゃ。

ちとやりすぎではないかのう。」


"簡単なことよ。浮気したらすぐわかるように。"


えっ、毎日、ほとんどを一緒に過ごしているのに浮気する暇なんてありませんが。


"ほとんどよね。常にじゃないわよね。その一瞬で浮気するかもしれないじゃない。巨乳ガン見とか。"


巨乳ガン見は浮気なのか。


「まぁ、エリナ基準じゃそうなのじゃろう。

妾はそのぐらいは気にせんがのう。


それぐらい許してやらんと陰でこそこそもっとひどいことをやりそうじゃぞ。シュウは。


ただでさえ、勝手にちんちくりん3姉妹ような超美少女やビオラのような巨乳美女が自然と集ってくるし。


あとはシュウの聖戦士同期のボル何とかねぇちゃんもシュウに口説かれたと勘違いしておったしなぁ。頭は空っぽだが、胸はバインバインのシュウ好みだし。


それに、なんだほれ、生徒会長なんかも普段はシュウに指示を出しているが、あれは自分がシュウに支配されたいという願望の裏返しかと思うておるぞ。」


"まさか、あのタイさんまでシュウ狙いだったとは・・・・、そんなことはないわ。


タイさんは人類のためにシュウを必要としているのよ、きっと。

あの聖女の様な人がまさか・・・・。"


「大丈夫だぜ。俺がいるぜ。任せろ。


今日からはシュウの浮気感知システムに転職するぜ。

巨乳ガン見したら電撃を流せばいいんだろう。


エリナ、俺をシュウの愛人兼浮気監視役として雇ってくんねぇか。」


"愛人を取ったら雇ってあげます。"


「愛人枠はダメなのか。ちょっと考えていいか。・・・・・・


とりあえず就職が先だな。


エリナ、とりあえず愛人枠は棚上げしておくから監視役として雇ってくれ。」


「良いわよ。」


「というわけで、1日中密着して浮気していないか監視するぜ。

は~ぁっ。漸く正社員として就職できたぜ。」


"とりあえず3箇月の試用期間だからね。


報告を怠ったり、愛人になろうとしてら即刻、私のタンスの奥の奥のかび臭いかもしれない、多分そんなことはないけど万が一ちょっとはかび臭いかもねにしまってしまいますからね、"


「了解です。がんばらせていただきます。

本採用になるまではおとなしくしています。ぼそ。」


"何か言いました。かび臭い社員。"

「せめて雷ちゃんとか、監視役とか言ってほしいのですが。」


"わかりました。あなたのコードネームは雷ちゃんです。"


「ほんとか、ほんとにそう呼んでくれるのか。


ありがとよ。

これまではうるさいだのかび臭いでだのと失敬な呼ばれ方をしてきたんだよな。


漸く真の雇い主に会えた気がするぜ。

エリナ俺はお前に一生ついて行くぜ。よろしくな。

シュウの愛人としてもな。ぼそ。」


"何か言いました。雷ちゃん。"

「何も言ってねぇよ。シュウが他に愛人を作くねぇように精一杯監視するぜ。」

"頑張ってください。期待していますよ。"


「期待していいのかのう。<他に>愛人を作らないようにと言っておるが。

自分はもう愛人枠に入っている宣言だと思うが。


まぁ、駄リングだから雷魔法以外は大したことはできんのじゃが。

エリナが納得しているのなら良いかのう。ぼそ。」


「戦闘がほぼ終わったので、戦闘不能な魔族を7体ぐるぐる巻きにして連れれてきたんだな。


あとは緑の魔石を1個探して拾ってきたんだな。

さっきの12魔将との戦いで拾っておいたこの大きな緑の魔石もあるんだな。

ご主人様。」


ああっ、芦高さんが人語を話している。通訳さんが転職したからか。

しかし、メイドさんの薫陶を受けただあって、仕事が早いね。


雷ちゃんなんか自分の転職先探しで大騒ぎして、肝心な魔族との戦闘の結末が中途半端になってたもんな。


「こっ、これからはちゃんと監視役としても働くぞ。

シュウが浮気しないように監視するのが俺の仕事だからな。

地味な役割だが好きな男の監視だから苦痛はないぞ。


たまには雷魔法で手伝ってやるよ。そっちはあくまでついでだからな。期待するなよ。」


エリナ、やっぱり雷ちゃんはタンスが好きみたいだぞ。かび臭いところが好きなんだろ。


「ちっ、違うぞ。わかった、わかったよ。

ちゃんとアーティファクトとしての仕事もするぜ。

愛する男の役には立ちたいからな。これならいいだろ。」


「かび臭い奴がシュウへのストーカーが天職だということだけは理解できたのじゃ。

まぁ、頑張れ。妾はシュウの背中で昼寝をするのが天職じゃ。

ストーカーとは大違いじゃ。」


「吹雪婆さん。それは寄生とか憑依というのでは。

まさかストーカーよりも立場が上とか思っていませんわよね。


どちらもご主人様にとっては迷惑ですわよ。

すこしはこの私が鍛えている芦高を見習いなさいな。


そう言えば、雷ちゃんは少しは今日活躍しましたが。吹雪婆さんは今日は何もしていませんね。」


「ああっ、妾のことか。

妾は昼寝が仕事だからちゃんと昼寝はしたぞ。

魔族と戦う前のエリナたちが探索している間にじゃ。


そう言えば探索の間はシュウは役に立たんから、かび臭い奴もその間は何にもしておらんな。」


「役たたーぁズを結成しようぜ。なんかかっこよくね。」


ぜってぇ、思わねぇ。まさに役立たず宣言じゃないか。

俺にはもっと高尚な志があるんだ。今身に着けている役立たずたちとは違うんだよ。わかったか。


「役ただすに身に着けられるとどんな優秀なアーティファクトでも同じように役立たずになることだけは理解したのじゃ。」


・・・・・・


「俺が役立たずだのといろいろ言われるのはシュウのせいだったのか、納得したぜ。

通りで俺の様な優秀な最終兵器がかび臭いだのうるさいだのと言われ続けていたわけだぜ。納得したぜ。」


・・・・・・

探索の間のことを持ち出されると言い返せん、シャイな俺。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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