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18話目 ちょっとやめてよね。失業しちゃうでしょ。

「いたわね。今敵の様子を探るわ。」


「まだ、第12師団を襲っている様子はないな。

全滅していなけりゃいいけど。


死神さんのお気に入りリストランク8位が魔族にやられたりしたら。

覚醒して爆発しそうだからな。

覚醒はできれば私怨や怒りからではなく、義に応ずるような覚醒であってほしいな。


そうでないと、俺たちの志を受け入れてもらえないかもしれないしな。」


「きゅぴぴひ。」「ご主人様心配していますね。だって。」


「大精霊のちんちくりんコンビの言を信じるならば死神さんは闇の使徒らしてからな。それも闇のアーティファクトをすでに身に着けているし。


あとは覚醒するだけなのだけれど、その覚醒する条件によっては本当の魔王となる可能性があるからな。

怒りで覚醒し、怒りで燃えたぎった魔王を仲間とすることができるとは思えないからな。


おそらく、闇の使徒、闇の大精霊シャドー、そして月の女王は何らかのつながりがあると思う。

その一つをこの戦いで失う可能性があることは恐ろしいな。


そんなことを考えているとこの戦いの先にある結果というか、その影響を心配してしまうんだよ。」


「きゅび、ぴぴぴ、きゅぴぴぴ。」「大丈夫、進化した僕が付いているよ。ご主人様の望む結果を導き出して見せますだって。」


「芦高さん。慢心はいけませんよ。自分よりも上がいることを常に意識しなさい。あの魔族の中にあなたよりも上位の種族が仕えている可能性もあるのですよ。


そんな相手に真正面から立ち向かっても、良くてけが、悪くすると命を取られます。

あなたが敗れるということはご主人様と奥様を危険にさらすということです。

その辺の配慮を常に怠るないようにしなさい。


それでもね、縮こまっていてはダメよ。

やるときには勇敢に戦いなさい。」


「ごめんなさい、姉さん。

何かさっきも圧勝だったんで、こんなもんかと思ってしまいました。


僕の行い如何でご主人様に迷惑をかけてしまうことまで思いが至りませんでした。

ご主人様、反省しています。慢心しないで頑張ります。」


「謙虚になるなら勝手に人語を話すんじゃねぇ。

俺が通訳として失業してしまうじゃねぇか。

その辺の配慮が足りねぇから、ねえちゃんに叱られるんだぞ。」


「ごめんなさい。」

「だ・か・ら~ぁ。それじゃ俺が失業しちゃうんだよ。わかれよ。」


「まぁ、かび臭い奴が失業したらホームグラウンドのタンスの奥に行けばいいだけの話じゃ。

気にする出ないぞ芦高。

お前はお前で自分の信念、志のために働けばよいのじゃ。」


「え~ん。シュウ。ばあちゃんがいじめるよ~ぉ。」


"仲がいいのは好ましいけど、敵の真ん前で漫才はいただけないわ。

シュウ、敵の概要が分かったわ。"


情報を教えてくれるか、エリナちゃん。


"エリナちゃんだって。んっもう、こんなときに甘えてシュウ。お腹がすいたの。

お昼食べる暇がなかったもんね。


ちょっと待ってね。確か例のビスケットを持ってきたはず。

あ~ん、して食べさせてあげるね。

それともやっぱり口写しかしら。


口移しで両端から二人でビスケットを食べ、そして最後は、チュッ、いや~んっ。

それいいわね。合法的にシュウとキッス。

ビスケットの枚数だけ。


お腹いっぱいになるのが速いか唇がタラコになるのが速いか。

思いっきり吸い付いてやるわ。"


「「一番戦への心構えができていないのはこ奴じゃったか。」」


え~と、エリナちゃん。そろそろ仕事しないとタンスにしまわれちゃうよ。


"えっ、シュウ。

そんないくら私のことが大事でもタンスにしまわれたら、お腹がすいたからビスケットを両端から食べてたら思いがけずキッスしちゃったができないわよ。"


いや~っ、奥様よろしければ目の前の敵の情報を教えていただけないでしょうか。


"シュウ止めて、奥様だなんて。

愛する妻をそんな他人みたいに呼ぶのは。


やっぱりエリナちゃんと呼んで。

なぁに、ダーリンと答えてあげるからねっ、ねっ。"


「もう、あれしかないな。

こうなったエリナを元に戻すのは。あれだ。


ハリセンチョップとかというやつだ。

だれか持ってねぇのかハリセンを。」


"んっもう。わかったわよ。

シュウのキッスもないけれど仕事をするわよ。

お給料をもらっているし。


敵は前方1500m、数はやはり一個師団。だいたい1000m四方に展開しているわ。


今のところ動いていないし、偵察部隊も出していないわね。


完全に第12師団をなめているわね。"


それでは芦高さん、まずは氷属性フィールドを展開しながら敵の真ん中に突撃してみて。

そして、ど真ん中に到達したら敵全体にフィールドを展開。


敵が炎属性が優勢な部隊だったらそのまま全体にアイスアローを魔力の1/4を使って、高密度に斉射。


闇属性が優勢ならこちらに戻ってきて。俺が雷属性フィールドを展開させるから。


あと、未知の敵なんかがいたら情報を収集しつつ、ここに戻ってきて。


エリナは俺たちの補助と情報収集に努めてくれる。


それでは行こう、武運を。


「「了解です。ご武運を。」」


「・・・・・失業した。これでタンスに逆戻りだ・・・・・」


うるさいさんが失業するかどうかは雷属性フィールドの出来次第だと思うけど。それは後でいいか。まずは芦高さんのことだな。


芦高さんはスピードアップの魔法と氷属性フィールドを纏いながら、敵魔族師団に突撃した。

見事な一直線の突撃、普通なら自爆特攻と言えるような無謀な作戦だ。


しかし、今や進化して魔法も物理攻撃も通らない彼は目の前の魔族は踏みつぶすか氷柱となるかの対象でしかない。


しかし、この無敵っぷり。

以前一体だけ確認されたという彼の同族はどうしたのだろうか。

後でカメさんに知っているか聞いてみよう。


突撃した芦高さんが真ん中に到達した。

そして、氷属性フィールドをさらに展開させた。


氷属性フィールドに次々と飲み込まれる魔族の兵士。

その度に小さな氷柱が出来上がる。


一時は単騎特攻巨大蜘蛛に動揺していた魔族も芦高さんをめがけて攻撃を開始した。

主に炎系の魔法だ。炎魔法主体の魔族師団だったか。


しかし、全く効果がない。というか炎魔法が届かない。


芦高さんの氷属性フィールドが強すぎて相性の悪い炎魔法が消失してしまうのだ。


芦高さんの氷属性フィールドが強いのは魔族部隊のど真ん中にいるにもかかわらず、ここから見えるのは氷原だけなことからも見て取れた。


魔族の属性フィールドはおそらく自分を中心に1mぐらいの範囲ではないのか。


どんなに強力な炎魔法を発動しても10mも行かないうちにすべて氷属性フィールドに負けて消滅していた。


では10m以内で炎魔法を発動すればという考えの魔族もいるが、今度は芦高さんの強力な足物理攻撃でその身を引き裂かれていた。


ごくまれに魔法が当たっても魔法無力化のボディには魔法の効果などあるわけがなかった。


芦高さんが無双していると魔族の一部が例の黒い霧を出してきた。

あそこの部隊は闇魔族か。


漸く俺の獲物が出てきたようだな。

俺は黒い霧を出そうとしている魔族の部隊にめがけて雷属性フィールドを急速展開したのだった。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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