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17話目 危機来訪

B部隊のみんなは芦高さんの案内で緑の魔石があるというところにやって来た。

俺は途中でトイレということにして、生き残った魔族をメイドさんの空間に放り込んできた。

今回は魔族を8体助けることができた。


生き残ったのは魔族師団の極一部に過ぎないが戦闘が終わった後にやれることはやっておこうといういつもの気持ちだった。

何度も考えたことだが、魔族を全滅に導いたのは俺たちでそれを助けるのも俺たち。


偽善的という部分と甘いのではないかという部分があることは間違いない。

しかし、傷ついて敵対する意思のない者を放置し、ただ死が訪れるのを待つような仕打ちは俺はできないし、やりたくない。

その結果が今後どうなるかも含めて、すべて受け入れてやり遂げる覚悟を新たにした。


こそっと皆に合流し、何もなかったように緑の魔石を探した。


緑の魔石を探しながら、目についた大きい白い魔石については拾って、せっせとペット魔族さんの暮らす空間に送り込んだ。

また、赤ちゃんができるかもしれないので。


その他の白い魔石については後から合流するであろう第32師団に任せることになっている。


「あった。漸く見つかったわ。緑の魔石。


次は社ね。

芦高さんとエリナ、探索してみてくれるかしら。

カメさん、死神中隊長とは連絡が取れたのかしら。」


「まだです。予定では後1時間で到着する予定ですね。」

「また、5分おきに連絡を試みてくれるかしら。」

「了解です。」


「越後屋さんは社が見つからなかった場合を考えて、この周辺にキャンプを設置する準備をしてもらえるかしら。」

「良いわよ。探索よりもその方が役に立てるし。」


「シュウは芦高さんとエリナと一緒に社をを探してくれる。

見つかったらここに集合して、見つからなくても1時間後にはここに戻ってきてね。


そう言えば、昼食がまだでしたわね。

1時間後に用意しておきますか。

簡単なスープぐらいは作れるでしょ。


そっちは私と越後屋さんに任して。」


俺たちは二手に分かれてそれぞれの役割を果たすことになった。


「社はありそう? 」

「あっちの方に何か感じるわね。芦高さんはどう? 」

「ぴ、きゅぴぴ。」

「あっ、社があったってさ。ていうか風神が探せばいいんじゃねぇか。」


「芦高さんを鍛えるためです。手は貸しませんわ。

芦高さん、よく頑張りましたね。

情報は命です。探索能力をもっと上げてご主人様のお役に立つようにするのですよ。」


「きゅぴぴ。」「わかったってよ。」


「あっ、わかりましたすぐに戻ります。」


「エリナどうしたの。」

「カメさんからの連絡。死神さんたちに連絡が取れたんだけど、第2軍団の方がとんでもないことになっているようなの。


社のことはとりあえず場所はわかったから後で解放することにして、タイさんの元に戻りましょう。」


「わかった、急ごう。」


俺たちは慌てて、キャンプ地とした元の場所にスピードアブを使って戻ってきた。


「タイさんどうしたんですか。何かあちらは大変なことになっていると聞いたのですが。」


「そうみたいなの。

まずは状況を説明するわね。


第12師団が敵1個師団と交戦中なのは話したわね。

そして、じりじり後退しながら応援の第2、22師団と合流し、数の力で包囲戦を展開する予定だったの。


ところが魔族に先手を打たれて、第12師団が正面と右側面からそれぞれ魔族1個師団に攻撃を受けたため、第12師団の身動きが取れなくなったの。

第2、22師団との合流までは後7時間かかるらしいわ。


もう一つこちらの方が深刻ね。


第22師団の今度は左側面に魔族1個師団が現れて、第12師団がほぼ包囲されそうな状態になっていて全滅が時間の問題となっているらしいわ。


そこで、旅団第3小隊だけに特命が下ったわ。


第3小隊は最大限の移動速度をもって、新たに表れた第12師団左側面の魔族軍を殲滅、もしくは足止めしろとのことだわ。


ここに到着した旅団と第32師団がそのままシュウたちの応援に行くそうよ。


もしここの社が解放されたら。第4、24師団も応援に入るそうよ。

リーナ第4軍団事務総長が手配してくれたのことだわ。

大防衛戦のような逐次戦力投入の愚は犯さないとそうです。」


「お母様が来てくれるの。」

「真の魔王様が2個師団を率いてくれるなら安心できますね。」


「第12師団の方は第2、22に加えて、第42師団の他に第1、41師団が応援に入るそうよ。。


第3小隊の進撃を反撃ののろしとしたいのですが、今の戦闘で各人の魔力がが半分を切っているようなら、そこで待機して、A部隊との合流を待てだって。


ことは急を要するわ。

魔力の残存はどうかしら。」


「俺はさっき半分使ったけど回復してきているから半分以上はあるかな。敵と遭遇するまでは3/4まで回復するかもね。」


「私はほぼ満タンよ。転写魔法しか使っていないし。」


「きゅぴぴ、きゅきゅきゅぴぴ、きゅびびきゅ。」「進化したので魔力はリセットして満タンだって。」

「芦高さんも大丈夫なようです。」


「わかりました。

それでは中隊長の指示通りに、ここと第12師団の間に居る魔族1個師団を足止めもしくは殲滅して。


敵までの距離は推定12~20km。3時の方向よ。


私たちは申し訳ないけどここの社を解放しろとの指令だわ。


悔しいけれど、私と越後屋さんは移動スピードを上げる手段がないの。

足手まといだからここでやれることをやるつもりです。」


「ここの社はだいたいこの辺ですね。」

地面に地図を書くエリナ。

さすが風魔法術士。

先ほど発見しかけた社の正確な位置をカメさんに告げていた。


「それでは行ってきます。死神さんたちによろしく伝えてください。

任務が終了するまで通信を封鎖します。ご武運を。」


「がんばってね。

いいえ、無事にここに戻ってきて。新たな基地となるこの場所に。


それではよろしくお願いしますね。ご武運を。」



「エリナ、芦高さんにスピードアップを転写して。

そして俺には低空飛翔を、エリナも低空飛翔を使って。


芦高さん、ぐるぐる巻き用の糸を出して、俺たちが掴まれるように糸を後ろに流して。

芦高さんが高速移動し、それに俺たちはこの糸で引っ張ってもらおう。芦高さんが走れば10分もあれば敵の姿を捉えられると思う。」


「私たちは地面にぶつからないように低空飛翔を使って浮いているところを芦高さんに引っ張ってもらうのね。

でも、手が耐えられるかしら。」


「糸を持っていられないか。うーんっ。

じゃ、腰に糸を巻いてもらうのはどうかな。

あとは浮いたところを引っ張ってもらうだけだし。」


「それだったら行けそうだわ。

芦高さん、私とシュウの腰に糸をぐるぐる巻いて、それを引っ張って移動してね。」


「敵の1000m手前まで来たら、一旦停止。

そこでエリナが敵までの距離と展開範囲、敵の規模を探索。


芦高さんはアイスシールドを、ちょっとまてよ、芦高さんには氷属性フィールドを展開しながらそのまま突っ込んでもらおうか。

無敵だし。


敵魔族が炎属性が主体だったら芦高さんはその場で魔力の1/4を使ってアイスアローを魔族部隊の全域に降らせて。


闇属性中心だったらこちらに戻ってきて、氷属性フィールドを切ってアイスラアローの準備。俺が雷属性フィールドを魔力1/4を使っ魔族部隊全体に展開する。


10分後に芦高さんはアイスアローを魔族全体に掃射して、敵戦力を殲滅する。

こんな作戦でどうでしょう、タイさん。」


「それで問題ないと思います。後は状況に合わせてシュウ君が指揮を執ってくださいね。」


「それでは改めて、出発します。」

「行ってきます。」

「きゅぴぴ。」


俺とエリナが低空飛翔で浮いたところを芦高さんが糸で腰のあたりをぐるぐる巻いて、しっかり巻いて安定したことを確認後にゆっくりと引っ張り始めた。


そして、徐々に早く。そして、息ができないほどに。

くっ。苦しい。


その時に何か魔法が転写されてきた。

エアシールドだ。

俺は自分の体にエアシールドを展開した。


ふっ~ぅ。漸く風圧を緩和できて落ち着いたよ。

落ち着いたと思ったら、芦高さんがゆっくりと減速し停止した。

目の前には魔族の部隊がいた。


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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