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こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第8回放送 放送再延長分


「10時になりました。こんばんは。

10時のスポーツニュースの時間ですが、今日も報道特集の第8回目放送が延長したにもかかわらず終わりませんでしたので、放送時間をさらに、さらに延長してお送り致します。キャスターは引き続き狛犬です。


それでは、続きを始めさせていただきます。

現地のKiさん。聞こえますかわん。」


「はい聞こえていますよ。


それでは時間が押していますので、さっそくお弁当の中身を聞いてみたいと思います。

ビオラさん、お弁当をカメラの方にむけて、中身を紹介していただけますか。にゃ♡。」


「お任せください。朝3時に起きて作ってきましたのよ。」


「あっ、お稲荷さんだ~ぁ。じゅるり、こん。」

「カメラマンのKさん。いきなり出てこないでください。今日は裏方でしょ。にゃ。」


「ごめん、こん。

でも、お稲荷さんですよ、お稲荷さん。

さすが、ビオラさんですね。私のことを覚えていてくれたんでしようか。こん。」

「はい、前回の放送でにお勧めしていただきましたものね。これは外せませんね。」


「ううっ、ありがとうございます。

私の嫁と同じくらい優しいんですね。

ビオラさんと結婚できる人はまじ、幸せ者ですね。こん。」


「喜んでもらえたのが一番ですね。

Kさんは生まれたばかりの子狐さんとお嫁さんを残しての単身赴任だとか。

頑張ってるお父さんにご褒美ですわよ。

いっぱい食べてくださいね。」


「こーーーーーーーん。」


「そして、これはから揚げです。こちらは別なKさんのご所望でしたね。

ハンバーグでもよかったのですが、一杯やれるおつまみにもと考えるとやはりから揚げの方が良いかと思いまして。」


「今日は音声のKです。お弁当にはお肉です。やっぱりお肉です。おいしそうです。わん。


わぉーーーーーーーん。」


「張りのある遠吠えですね。元気が出ましたか。

お弁当はみんなを幸せにする魔法のアイテムですよね。」


「スタジオのPです。

お弁当はみんなを幸せにする魔法のアイテムですか。うふふふっ。

素敵な言葉ですね。


前回の放送でみんなの好みを把握して、その上、今日のシチュエーションに合わせたメニュー。素晴らしいですね。

ビオラさんの心が現れた素敵なお弁当ですね。」


「そんな褒めていただくほどのものではありません。

ただ、食べてもらう方が笑顔になるように考えたお弁当であることには自信を持っています。


そして、Nさん、Kiさん、龍一さんにはこちらのおかずですよ。

小エビのから揚げです。

お飲みになるとのことですので、つまみになるような魚介類を一品加えました。

どうぞ、召し上がってください。」


「「「おいしそう。いただきまぁーす。」にゃ」にゃ」

「「そして、カンパーイ」にゃ」


「いつの間にNさん起きたんですか。

その上また仕事を放り投げて一杯やろうとは。

とんでもなゃいにゃんこ先輩ですね。にゃ。」


「小エビの臭いで起きたにゃ。

まぁ、今日ぐらいはいいじゃにゃいの。

こののどかな風景とおいしいお弁当を視聴者に届けするには、一杯やってだにゃ、中継する方もリラックスしないと。


ほんと平和ですにゃ。ここから少し離れると魔族との戦いが今まさに起こっているとは思えなゃいですにゃ。


生徒会長さんじゃにゃいですけど、何とか話し合いで争いを解決に導ていけないものでしょうかにゃ。」


「おいしいものをみんなで食べれば幸せになりますものね。

皆で幸せんなってほしいものですにゃ。」


「ビオラさん。おいしいぞ。

このお弁当で一杯はたまらんな。

お稲荷さんというものも、から揚げもおいしいぞ。素晴らしい。

このキノコのと野菜の煮物もおいしいな。

我はこれが一番かも。


そうだ、スープもあったな。

我は一杯やっておるが、皆には熱々を食べてほしいのだろう? 今温めるぞ。それ。」


「うふふっ、さすがですね。

あっという間に丁度良い温度になりましたね。一杯やっていない皆さんはこの器をもって並んでくださいね。」


「うううっ、カメラがあるので後でいただきますこん。」

「うううっ、マイクがあるので後でいたたきますわん。」


「それでは、私が代表していただいてみますね。

おいしい。この卵とベーコンのスープ。

秋の少し日が陰ってきて、涼しくなってきたところには絶品ですね。

こんな心のこもったスープは初めてです。にゃ。」


「みんなさん、仕事も大事ですが、まずは私のお弁当を堪能してみてください。

感想もお聞きしたいし。

なにより、皆さんに食べていただきたくて作ってんだすよ。」


「「「「「改めて、いただきまぁーす。」」」」」


「お味はいかがでしょうか。」

「「「「「おいしいです。」」」」」


その時、バスケットを持った男女が手を握って、お互いの顔を愛しむ様に見ながら通り過ぎた。


「あっ、あれは・・・・・。」


皆はお弁当に夢中でビオラが突然憂いた顔に変化したのに気が付かなかった。

ただ一人、龍一を除いては。


「ビオラとやらどうしたのだ。あの男女は知り合いか。」

「いえ、・・・。ええ、知り合いですわ。」


「そうか、何かそれ以上は聞いてはいけないような感じであるな。

では、我は聞かん。ただ、おまえのお弁当を堪能しようぞ。


おいしいのう。これが愛情の味というものなのであるか。

我とはあまり関係のなかった感情だな。


でも、これを食べてみて愛情というものもいいものだな。

ただの料理の味ではない心味だな。


それをひっくるめて、我はこれまで食べたものの中で一番おいしいと思うぞ。

感動とはこういうことを言うのじゃな。

感動とは良いものじゃな。」


「そんなに褒めていただいてもこれ以上は何も用意していませんわよ。」

「そんなことはないぞ。」

「えっ。」


「今加わったぞ。

お前の微笑みという味付けがこの料理に加わったわ。

どおれ、このから揚げというものも一つつついてみるか。

うんっ、うまい。先ほどよりもうまいぞ。なぜじゃろな。

作った人の笑顔と共にその料理を食べるともう一味美味しくなるな。


不思議じゃ。

ビオラとやら。先ほどは憂いに満ちていたが、その理由は問うまい。

そのかわり、このお弁当を食べて満面の笑顔になっているやつらを見てほしい。


この笑顔を作ったのは貴様だ。

このお弁当は魔力に満ち溢れておる。愛情という魔法だ。


我はこのような愛情を向けてもらったことはない。

うれしいものじゃな他人に愛情を向けてもらうのは。」


「そんなに褒めてもらったら、また作らなきゃなりませんね。また、食べてもらえますか私の料理を、私の愛情を。」

「おおっ、もちろんだ。是非、また食べてみたいものだ。」


「約束ですよ。」

「約束? 」

「そうです。お弁当をあなたに作ってあげるという約束です。」

「そうか、じゃ我も約束しよう。お前のお弁当を精いっぱい楽しんで食べることを。」


「ありがとう。励ましてくれて。ほんとにお節介ね。」

「よくわからんが、お前が笑ってくれて、また、お弁当を作ってくれるのであれば特に不満はないがな。よろしく頼む。」

「こちらこそ。」


「それではki、一曲歌います。

得意の〇女の〇宅急から〇●●●に包まれたならです。」


「スタジオの狛犬です。


誰だkiちゃんに飲ませたのは。


何か現地が幸せに包まれすぎて収拾がつかなくなっているようなので、本日の特番はこれまでとさせていただきますわん。


この報道特集は当局が全力で取材を継続しております。今日はこれで終了致します。

次回の放送をお待ちくださいわん。」プツン


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。

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