こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第8回放送延長分
「9時になりました。こんばんは。9時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第8回目放送が予定通りに終わりませんでしたので、放送時間をさらに延長してお送り致します。キャスターは前回より担当しています狛犬です。
それでは、続きを始めさせていただきます。
Dデレクター改めてこれまでの調査報告をお願致しますわん。」
「先ほどもお話しさせていただきましたように、今日のメインテーマは名無し星の田舎の風景と言いますか、教会本山とその門前町に暮らす人々の胃袋を支えている近郊の農業地域をご紹介したいと考えています。
田舎にピクニックに行くような感覚を楽しんでいただけたらと思い放送を構成しました。
ただし、生放送ですので何が起こるかはわかりませんね。
そのハプニングも含めてお楽しみいただけたらと思いますにゃ。」
「農村へのピクニックですか。それは楽しみですね。
きっと、お弁当なんかも紹介してもらえるんではないかと思いまして、本日のゲストは以前門前町でのお買い物についてご解説いただきました、星間文化中央大学生物生活学類生活文化学部食物文化学科のP教授にお越しいただいております。
以前にもご紹介い致しましたが、P教授のご専門は食物と文化の関係と言う崇高な分野で、特に御出汁と知能の発達と言う食物と文化だけでなく医学的な見地もお持ちです。
また、高名な料理研究家でございまして、今までにいくつものレシピ集を次元間仮想空間電子図書館に寄贈されております。
更に、P教授は放送後に学部長にご出世されまして、現在は、星間文化中央大学生物生活学類生活文化学部学部長という肩書もお持ちになっております。
学部長の就任おめでとうございますわん。」
「いつもご丁寧なご紹介ありがとうございます。
学部長の就任に関してはこの特番も大きく関わっておりますのよ。」
「えっ、それはどういうことでしょうかわん。」
「前回の放送で、料理のレシピを浸透させるためにはレシピ集の発行だけでなくお料理教室などの直接的な料理話法の指導が必要なのではないかとお話させていただきました。
大学での学問も同じで、論文執筆ための研究ばかりでなく学生の皆さんと或いは地域の皆さんと直接触れ合い、その信頼関係の構築の中で普段は何気なく使っている生活の知恵などについて語り合う実践的な研究がこれからは必要なのではないかと大学の学部の教授会でご提案させていただきました。
生活文化学部ですので座学や大学内での研究からフィールドワーク中心の研究や学生指導へ見直そうとの声が大きくなり、言い出しっぺの私が当学部の教育と研究の理念構築と指針をまとめることになりました。
そのための学部長就任です。
まさに、この番組が大学の教育改革のきっかけを作ってくれましたわ。
感謝しております。」
「この番組の社会に対する影響の大きさを痛感させられました。
今後も、まねき猫アナのようにおごることなく、真摯に番組を作っていきたいと思います。
それでは、現地を呼んでみたいと思います。今日は復活したN特派員ですね。Nさん、聞こえていますかわん。」
「聞こえていますよ。今日もよろしくお願いします。
今日は教会本山から歩いて1時間の農村に来ています。教会本山やその門前町とは違いほんとにほのぼのしていますね。天気も良くて、すでに、眠い・・・・zzzzzzu。」
「Nさん、Nさん、寝ないでくださいよ。仕事中ですよ。わん。」
「え~ぇ、Nさんが睡魔の暗黒面に引きずり込まれましたので、代わりと言っては何ですが、私、kiがここから交代でお送りいたします。にゃ。」
「それではkiさんよろしくお願いいたします。
kiさんはすっかりこの特番の特派員の顔になりましたね。
回を重ねるごとにインタビューも上手になりましたし。
本日はよろしくお願いいたします。わん。」
「そんなに褒めても何も送りませんよ。
それでは本日はここ田舎の農村に来ているわけですが、こちらは今は秋で丁度お米の収穫が終わったところです。
このように一面稲を刈った後が続いています。
そこにこぼれた稲穂をついばみに雀などの小鳥が多数とバッタ、イナゴと言うらしいですがこれも多数確認されます。
イナゴはなんでも佃煮にしてここ農村地帯の冬場の貴重なたんぱく源となるようです。ご覧のように多くの幼い子供たちがイナゴを追いかけています。
微笑ましい農村の一コマですね、にゃっ♡。」
「スタジオのPです。イナゴの佃煮ですか。
確か、遠い地球の日本の一部でも佃煮にして食べていると聞いたことがございます。
結構、どこにでもいるんですねイナゴは。それをたんぱく源にする。
これも地球と同じですね。
次元が違えども田んぼにイナゴ、そして冬場の保存食へ。
文化は同じ流れをどっていると思うと何か感慨深いものを感じますね。」
「そうですね。
見かけもどこにでもある田園風景という感じですね。にゃ。」
「お米以外に何か育てている者は見えますかわん。」
「そうですね、見える範囲ではお米とあとは小麦ですね。
あとは、え~っと、林と民家が一件、小川、ぐらいですかね。
完全な穀倉地帯ですねにゃ。
そう言えば、ここに来るまでの間に民家を何件か見かけましたが、民家の庭では大根や白菜等々の普通の野菜を栽培していました。
こちらは栽培面積がほんとに小規模でしたので農家の家庭て消費してしまう分しか作っていないようでした。
それと今回は紹介できなかったのですが、干ばつと冷夏対策として、トウモロコシとジャガイモを大々的に栽培している地域もあると伺っていますにゃ。」
「お話を伺っていると、大規模に農業を展開しているようですが、機械化などはされているのでしょうかわん。」
「事前に取材したところ機械化はされていないとのことでした。
それでもこれほどの規模で農業を展開できるのは土地の開墾や整備、雑草取りをする土魔法と肥料等の運搬や収穫をする風魔法、そして生命に力を与える水魔法を駆使しているからだそうです。
近所の農家が数件集まれば必要な魔法を使える人員が確保できるようです。
魔法による農業が中心となるため、子だくさんの農家ほど高収穫が見込めますので、我々の世界とは違った意味での人員依存の農業ということができそうですにゃ。」
「詳しい報告をありがとうございます。
教会本山と門前町とで相当の数の人々が暮らしていると思いますが、その人々の食料を支える高収穫を得るための農業の近代化が魔法を使って行われていることがわかりましたわん。」
「我々の世界であれば大型の農業機械がものすごい音を立てて農地を行き来しておりますが、ここでは自然の音、例えば風の吹く音や虫、鳥などの鳴き声が聞こえてきますね。
のどかな農村地帯というのがここにぴったりの言葉ですね。その割に我々と変わらない農産物の収穫量が得られているということで、魔法のすばらしさを実感できるとも言えますにゃ。」
「そうですね。
ところで、N特派員はまだ起きませんか。
あんまりのどかすぎて起きたくありませんかね。
仕事をさぼっているとボーナスの前払い分を返すとができずにこちらの世界に戻ってこれなくなりますよわん。」
「あぁ、そのことですが、N先輩はもうここで一生過ごしたいと言っておりました。
龍さんという親友もできたことだし。
名無し星の駐在員としてほしいとかなんとか言っていましたにゃ。」
「でも、仕事をすぐさぼるようなニャンコを駐在員にはできませんねぇ。
何とか起こしてもらえませんかねぇ。わん。」
「それでは農村の紹介の他にもう一つの企画であれば起きてくると思いますにゃ。」
「もう一つの企画ですか。あっ、ピクニックのことですかわん。」
「はいにゃ。ピクニックと言えば何でしょうかにゃ。」
「ずばり、お弁当でしょう。外で食べるお弁当、おいしそうですねわん。」
「そして、本日のゲストです。さて、本特報でお弁当と言えばだれでしょうかにゃ。」
「Pです。それはもしかしたらビオラさんですか?
前回私が出演させていただいたときにお話を聞かせていただいた。」
「その通りです。さすがP学部長。
それではお待たせいたしました、ビオラさんです。
きっと、ビオラさんのお弁当の臭いでN先輩も起きてくるに違いありません。
ビオラさんにはあちらでお弁当の準備をしていただいたおります。
実はもう一人ゲストをお呼びしています。
N先輩のここでの親友、龍さんです。
人の姿の時は龍一さんと呼ぶようにとのことでした。
今日はビオラさんのやる気を引き出すために25歳ぐらいの高身長のイケメンになっていただきました。
龍一さんには炎の魔法術士としてスープを温めていただきます。
お二人ともよろしくお願いいたしますにゃ。」
「よろしくお願いします。ビオラです。今日はピクニックにお誘いいただきありがとうございます。
前回のインタビューでは私の自慢のお弁当を披露ではなかったので、今日は張り切って、お弁当を作ってきました。
また、炎の魔法術士さんが一緒ということでしたので熱々のスープも楽しんでいただけたらと思います。
スープの温めをお願いしますね。龍一さん。」
「任せておくのだ。
儂はおいしいお弁当をつまみに一杯やれるとNさんに聞いてきたのだが、Nさんは寝ているようだな。
仕事中に呑気なことだ。
まぁ、そこがNさんのいい所でもあるがな。」
「スタジオです。ちょっとお待ちください、ええぇと、フリップが出ました。
" 放送時間が終了しましたが、さらに放送時間を延長して、特報をお送りいたしますにゃん。 by Pプロデューサー "
ということでこのまま特報を続けさせていただきます。」
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。