シュウの冒険 社はどこだ~ぁ、俺の社はどこだ~ぁ 1話目 タコ部屋兼Gの巣窟本棚倉庫宿泊施設は騒動の元 前編
会議の後、カプセルホテル? を作り始めた最高司祭はほっといて、我々B部隊の面々は第32師団の装備品や消耗品の補給庫に来ていた。
明日の探索に必要な、例えば、軽食のビスケットなどを物色するためだ。
ただでもらえる物には目がないはずの守銭奴教最高司祭の乙姫さんが来ていないことに俺は何かとてつもない大事件が起こりそうな気配を感じていたが。
「ビスケットをタダでもらうよりも簡易宿舎の経営で稼ぐ方が儲かるんだって。
200人収容のタコ部屋を用意するっていってたよ。
満員になると一日6万バートのもうけになると言っていたけど本当かなぁ。
俺たちと一緒の3段本棚ベッド倉庫なんだろ。
そんなところに金まで払って泊まる人いるがいるかなぁ。」
ちなみに今は男4段極狭本棚ベッド倉庫仕様になっています。
カメさん、あなたの住居も夜までにはきっと同じ仕様に変更されているはずです。もう、なっているかも。ご愁傷さまです。
ちなみに俺も同じなんだが、夫婦ということでエリナの部屋の床に寝てもいい許可をいただきました。
もう大変でしたよ。床に場所を確保するまでが。
「「枕だけを持って来いって言った意味が分かっていないんじゃないのカスとか。
女の覚悟を蔑ろにしたドカスとか。
シュウ君。二度と私の目に映る所に来んなよ。大鎌の露にしてやる駄よ~んカス。」」
とか特攻隊長と闇の死神大魔王様に言われ続けました。
そんなに言わなくともいいじゃん。
普通、若い男女が同じ部屋に泊まると言ったら大人は止めるんじゃないの。
まして、あの二人がそんな男女の仲の良すぎる行為を、とりあえず今晩は何にもしないつもりだけど明日はわからん、認めるなんて真の魔王様がまたエリナの要望をかなえるために裏で暗躍した以外は考えられんのだが。
「いなけりゃ、いるようにすればいいか。
今建設中の外から視察に来るお偉いさん向けの宿舎を旅団で接収。
来たお偉いさんを本来はそのお付きの人用の宿舎に変更。
お付きの人は寝る場所に困って、守銭奴教提供のホテルをご利用くださいとすれば、すぐに空室いうか空き戸棚と言うかがすぐに埋まりそうではあるね。
ただ、ここの施設がさらに拡張されて、追加の外部視察者向けの宿泊施設が完成したときにはそのホテルというか、ホテルに悪くてホテルと言っちゃいけないような本棚倉庫は閉店するのかな。
そうすると短期で稼がないと元が取れないかもね。」
「そんなことはございません。
守銭奴教直営の豪華絢爛長期滞在にうってつけ駅近飯うま従業員も親切対応ホテルはここの社が人類のものである限り永久に営業し続けますよ。カメさん。」
「しかしですよ、カメさんが言うように施設が第32師団の手で拡張していけば、あんなホテルに申し訳がなくてホの字も使えない従業員も受付で金をとるだけで何にもサービスがなくキャンプ飯をとりあえず食っとけ本棚がベッド代わりの倉庫宿泊施設なんて誰も宿泊しませんよ。」
「拡張すればね。」
「拡張すればそうなりますね。」
「拡張できればね。」
「何を言っているんですか。今も拡張しているじゃありませんか。」
「今はね。いつまで続くかしらね。」
「・・・・・・・、あっ、まさか。」
「ここでの施設拡張は誰の許可がいるでしようか。はい、エリナ司祭。」
「それは旅団、少なくとも中隊長殿の許可は必要です。」
「それではカメさんに質問です。
守銭奴教直営の豪華絢爛長期滞在にうってつけ駅近飯うま従業員も親切対応ホテルは実質誰が経営しているでしようか。」
「それは・・・・、中隊長・・・・・ですね。」
「最後の質問です。シュウ君いい。」
「言いたいことはわかったから、もうこれ以上責めないで~ぇ。
誰を? まぁ、俺はどうでもいいな。」
「じゃ質問に答えて。
中隊長は我が守銭奴教直営の豪華絢爛長期滞在にうってつけ駅近飯うま従業員も親切対応ホテルの客を奪うような施設拡張に許可を出すでしょうか。」
「もちろん・・・・・」
「出しますよ。」
いつの間にか俺の背中に近づく闇の死神大魔王様。寿命が縮まったぜ。さすがは死神さんが本職。
「「「「えっ、出すんですか? 」」」」
なんで守銭奴教最高司祭まで一緒に驚く。
あなたもホテルに申し訳がなくてホの字も使えない従業員も受付で金をとるだけで何にもサービスがなくキャンプ飯をとりあえず食っとけ本棚がベッド代わりの倉庫宿泊施設の経営幹部でしょ。
役員会でちゃんと今後の方針を話し合っとけ。
「当り前じゃないの。
そういうところがまだまだ甘いわね乙姫さん。
最高司祭のあなたが浅はかな考えじゃ守銭奴教なんてあっという間につぶされるわよ。」
「申し訳ありません。守銭奴教を守り発展させるためにも先ほどの許可をする件の真意を教えていただけないでしょうか。」
「しょうがないわね。まぁ、稼がせてもらえるネタを提供してくれるのはあなただし。
いいわよ、聞かせてあげる。まぁ、カメさんはわかっているようだけどね。
エリナは首を傾げたまま戻せないようだし、シュウはどうでもよくねって感じよね。」
「いえ,俺もぜひ理由が知りたいです。」
「わらしべ長者作戦ですか。」
「よくわかっているわね、さすがカメね。」
カメ、関係なくねぇ。
「どういうこと、あの有名なわらしべ長者のお話を作戦に用いたということなの。」何故かわらしべ長者で感動するエリナ
「まぁ、あのお話ほど遠大ではないけどね。
気持ちとしてはそうしたいと思うわ。
あくまでもナチュラルな対応でそうなったとしたい所ね。」
「わたし、だんだんわからなくなりました。わかるように説明してもらえますか。」
俺はもう大体のところはわかったような気がする。
でもそれをここで披露して、さらに、大逆転劇があるといけないので、わかっていないふりをしよう~っと。
「まずは、例のホテルに申し訳がなくてホの字も使えない従業員も受付で金をとるだけで何にもサービスがなくキャンプ飯をとりあえず食っとけ本棚がベッド代わりの倉庫宿泊施設を急遽設置して、営業を始めるところからでいいですか。」
おおっ、あの施設をそう呼ぶとはカメさんはこっち側の人間で安心したよ。カメさんまであっち側だったら俺は確実に人間不信になってたよ。
自分も今日からそこと同仕様の宿舎に泊まるんだから、自分の置かれている状況を正確に把握する必要に迫られているんだね、きっと。
「まあ、さすがに常駐する部隊にそこに入れとは言えない・・・・・、
待てよ、僕と熊さんはそこに入ることが前提じゃないか、ちょっとまずいよ。
それ。施設の劣悪さだけでなく、熊さんのいびき付という環境まで最悪じゃないか。
どうしよう、こんな宿舎じゃ明日からの作戦行動に支障が出るな。
食事、睡眠、訓練は軍人としての自らの気配りで最高のものを用意しなければならない物じゃないか。
その睡眠が全くとれそうにないぞ、ここは。
どうしよう、昨日のように寮に帰るか。
いや、帰るときはまだしも朝来るときに転移魔方陣発動のために魔力溜で魔力を消費してしまうかもしれない。
前日の分は行きで消費してしまうだろうし。
せっかく、旅団に同行を許可してもらっているのに、作戦に参加できないでは本末転倒じゃないか。
どうすべきか。
いびきを捨てるか作戦を捨てるか。
んんんんんっ、どうしようか。」
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。