15話目 俺だけはちゃんとした特別なヒントを出せるぜ by アクア
「さぁ、これでお前たちがやらねばならないことが分かったと思うのじゃが。」
「ノーム様、ありがとうございます。まずは魔族の社を探って見ます。」
「いやその前に、やることがあるじゃろう。
習慣化させるためにも今ここでやっておくのが良いぞ。さっ、さっ。」
"シュウ、天然平目ちゃん。
チンチクリン×2の言うことに耳をかすな~ぁ。
絶対に後悔すんぞ。"
「習慣化してくれるのなら、もう一つ特別なヒントをあげちゃっても良いのだぞ。
どうする? 」
「う~ん。
それは習慣化すると何かまずいことはありませんよね。」
"あるぞ。それを習慣化させてしまうと・・・・"
「しまうと? 」
"飯が埃っぽくなる。"
「えっ。」
"今からソニアちゃんがケーキを買ってくるが、そこで食べると土埃がまっているせいでケーキが土埃をかぶるぞ。
同じように、習慣化することで体に土埃が付き、ここを出た後で食事をしたとしても体から土埃がまって飯に付いてしまうんだ。
だから、習慣化しない方が絶対いい。
それよりも俺んところで習慣化してくれ。"
な~んだ、礼拝の信者確保の続きだな。
「でも、ノーム様のところでさらにヒントがもらえるらしいし。
ソニアも帰ってきていないし。
どうしようかなぁ。」
「シュウ、おまけなのよ。おまけがもらえる方が最優先よ。」守銭奴教の新人司祭が復活した
「ふふ~んっ、残念だったなちんちくりん。
エリナはここで礼拝をするらしいのじゃ。
そうよのう、そうよのう。
あんな湿気の多いところで礼拝をしたら体にカビが生えるわな。
さっ、さっ、あの祭壇にある祠に祈るが良いぞ。
シュウ、天然平目ちゃん。」
「ただいま~ぁ。
ケーキ買って来たよ。さっ、皆で食べよ。」
「礼拝の件は一時中断して、ケーキを食べようよ。
せっかくソニア様が買い直してくれたんだからね。
そして、食べながらその追加ヒントについて聞かせてもらえますか。
その内容によって、食後にここで礼拝するか、第1083基地に戻って礼拝するか決めたいと思います。
どちらにせよ、これからの俺たちの活動の成功を祈って真剣に礼拝をします。」
エリナがお茶を入れようとしたが、ここにお湯を沸かせる人がいないので、水で出した冷えた紅茶を配ってケーキを食べることにした。
「まずはわしのヒントからじゃな。」
"なんでチンチクリン×2からなんだ。
もう、話せることがほとんどない状態での先行は狡いぞ。"
「なんだ。
うるさいチンチクリンは無視して、ケーキを食べながら追加ヒントについて話をしようかのう。
おおっ、このマロンケーキもおいしいのう。
出禁なので好きな時に食べられないのがつらいところじゃ。」
"俺にも食わせろ。"
「包み紙を食うか?」
"覚えてろよ"
「ケーキの美味しさで忘れたのう。」
「ノーム様、ケーキを堪能しながらアクア様に精神的ボディーブローをかます他にしなければならないことがあったでしょ。
まさか、追加ヒントと言うのは出まかせ・・・・・」
"シュウ、いいところに気が付いたな。
全部でたらめだ、チンチクリン×2の言ったことは。"
「もう、しようがないのう。久しぶりのあの店のケーキだというのに。
何か最近はカツオ節だのお稲荷さんだの和食高塩分のお供えが多くて、甘い高カロリーの高脂肪食品が恋しくてな。
んっ、天然平目ちゃん。テーブルの下のなにを見ているのじゃ。」
「・・・・・大丈夫だよね。
これ2個ぐらい。
大丈夫たよね。
毎日食べているわけじゃないし。・・・・・。
できれば胸に行ってほしい・・・・・」
"天然平目ちゃん、胸よりも腹に行きやすいって先生が言ってたぞ。"
「ぎゃーっ。シュウ。私、もう残す。
後は食べて。」
「へぇっ。」
"いらないなら、俺の土産でオネ"
「おっほん。追加ヒントはどうするのじゃ。」
「まずは聞かせてください。」
「まずは腹筋させてください。」
「・・・・・どうするのじゃ・・・・・。まぁ、良いわ。
儂のできることをしようかのう。
わしに腹筋は不要だしのう。」
「ノーム様、大精霊様は腹筋を必要としない非効率な消化器系と代謝系を有しているということでしょうか。」
「言っている意味が分からんのじゃ。
高度な用語を使っているが、言っていることは低俗だということは何となくわかったんじゃが。」
「ノーム様、そんなことはございません。
この高カロリー、 高脂肪食品の摂取時の消化系効率、つまり、乙女にとって天敵となるある種の成分群の吸収効率と吸収後の脂〇●胞へのその成分の蓄積は甘いものが大好きな乙女の重大な関心事です。
これの非効率化に成功すれば、全乙女の半分は私の支配下に入れることが叶います。
それはうら若き乙女を我が夫の味方につけることに成功したことを意味します。
そして、うら若き乙女に群がるお兄さんとおじさん、若干のおじいさんも同時に味方につけることに成功したことを意味します。
これによって、シュウの運命の会合の効率を上げることができると思います。
私って、なんて尽くす妻なのかしら。
そう思いませんか。ノーム様。」
「そっ、そう言われればそうかもしれないのだ。
まぁ、儂の体ことは極秘なのじゃ。
そこで、追加のヒントの話に戻っても良いかのう、エリナ様。」
「まぁ、秘密ならしょうがないわね。
じゃ、その追加のヒントなるものを聞かせて頂戴な。」
「では、報告させていただきます。
ええっと、なぜ魔族は第2軍団のところだけを人類が大防衛戦と言っている戦で攻めてきたのか。これを考えてほしいということだ。
どうじゃ、すごいヒントだろ。」
「えっ、それって。
魔族が大攻勢をかけるのに乗じて、アクア様が人類から泉の転移魔法陣を隠すために魔族を誘導したと聞いていますが。
それのどこがヒントなんですか?
その前に何のヒントを出すつもりでったんでしょうか。」
「えっそうなの。」
"えっ、ノームちゃん知らなかったの。20年前に言ったよな。ボケた? "
「誰がボケじゃ。まだ、頭ははっきりしておるぞ。たぶん・・・・」
自信がないんだ。
"まっ、ボケ気味のチンチクリン×2はほっといて、俺も特別にヒントを出そう。
聞いたら、礼拝は泉でヨロ。"
「先ほどのこともあるので、聞いてから判断していいですか。」
「さすが私の旦那様です。
先ほど大精霊に言われた熟慮と言うスキルの発動ですね。
輪廻の会合に集い者どもの中心にいらっしゃるだけはあります。
尊敬しております。」
"そこまで持ち上げなくてもいいと思うぞ。
いい情報だったら礼拝してやるというどっらかと言うといやらしい考えだぞ。"
「平目ちゃんは天然だから。天然平目ちゃんなのじゃ。」
俺もそう思うぞ。
でも、ここでエリナにさらに突っ込んではいけないような気がするので黙っておこう。
俺って大人。
"先に進まないので、俺からの特別ヒントをいうぞ。
ほんとに特別な情報だから皆の者、心して聞くようにな。"
あ~ぁ、おばちゃんの例のフレーズだよ。
これで終わったな、アクア様。
聞く価値がなくなったなそのヒント。
今日の夕飯を妄想して、エア食事をしていた方がどれだけ有意義がわからんぞ。
"シュウ。お前忘れているぞ、雷神をはめていることを。
お前の心の言葉は俺たちにとっては耳元で大声で話しているのとおんなじだ。"
しまった、そうだった。
うるさいさん、うざいんで熔かしていいか。
「やめろ。まじ、やめろ。
俺を熔かすと輪廻の会合に支障が出るぞ。
まだ、風の大精霊にも会ってもいないだろ。なっ、なっ。」
"先に進まないので、俺からの特別ヒントをいうぞ。
ほんとに特別な情報だから正座して聞くように。"
学習したぞ。さすが水の大精霊。
前の失敗を水に流してなかったことにすることが得意なんだ。
"俺のヒントはなぁ、なぜ魔族は第2軍団のところだけを人類が大防衛戦と言っている戦で攻めてきたのか。
これを考えてほしいということだ。"
は~ぁっ、おんなじなんだけどな~ぁ。
まじで、ボケたかアクア様。
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。