12話目 大精霊の力を宿すもの、大精霊の力を使う者 第2編
「シュウと天然平目ちゃんの当面の役割がまだあるぞ。
最後の中心にある者を探しながら、残りの力を持つ物と力を使う者も探し出さなければならんのじゃ。」
「力を持つ物が、おばちゃんたちアーティファクトであることは予想できますが、力を使う者とは一体何者なのか想像がつきませんね。」
「ふふふっ、そうじゃろ、そうじゃろ、わからんじゃろ。
まずは、アーティファクトから整理してみようぞ。
アーティファクトは今ここに水と風がある。残りは何じゃ? 天然平目ちゃん。」
「え~と、大精霊様が作ったとして、残りは土と炎と、闇ですか。」
「正解じゃ。
ところで、話はまたちょっとそれるのだが、光の公女は何の精霊に愛されているでしようか? 」
「え~と、光の公女はこの世界で唯一の4属性魔法術士だから、水と風、土、炎ですね。」
「"天然平目ちゃん。"」
「どうしたの、ノーム様。突然大きな声を出して。ちゃんと聞こえていますよ。」
「天然平目ちゃんは今どこにいるのかな~ぁ。」
「もちろん、ノーム様の土の神殿ですが。」
「じゃ、なんで4属性を言うのに、初めに土にしないのかな~ぁ。
それも儂の目の前じゃぞ。
残念な奴じゃな~ぁ。
信心がたりんのう。
だから、アーティファクトを2個も集めてたのに、属性魔法が増えんのじゃよ。
もっと、真剣に朝晩の祠での礼拝をしてほしいものじゃ。」
「ひぇ~っ、今晩からちゃんとノーム様を崇め奉ります。」
「それでよいのじゃ。精進せいよ。」
"エリナ、だまされてはダメだぞ。
祠での礼拝をすれば土属性魔法に目覚めるわけじゃないから。
ちんちくりん×2の口車に乗るんじゃねぇぞ。
泉での礼拝を真剣にやっても土属性に目覚めるからな。
ああっ、できれば吹雪を背負ってやってくれい。
泉と水のアーティファクトの組み合わせで礼拝をするのが大事なのだ。"
「このちんちくりんが嘘を言うてはダメなのじゃ。
とにかく何でもいいのでアーティファクトを身に着けて祠や泉でもよいので必死に祈ればまだ目覚めていない属性魔法に目覚めることがあるのじゃ。
事実、シュウの母親のモニカは教会本山の礼拝堂で吹雪を背負いながら毎日祈ったので風属性魔法に目覚めたぞ。
しかし、アクアちゃん。
組み合わせはどうでもいいというのはなんか安易なような気するのじゃ。
今度の輪廻の会合が終わったら、組み合わせに制限を設けた方が良いのではないかのう。」
"でもなぁ、あまり厳しくしすぎると光の公女が全然出て来なくなるかもしんないぜ。
まぁ、2000年前の輪廻の会合では、すべての属性魔法に目覚めさせる方法がすべての大精霊の神殿を探し出すというものだったから、それに比べればアーティファクトが勝手に動き回れる今のシステムの方が容易と言えばかなり容易だな。
そのぐらいの困難さが上がるぐらいは誤差範囲かもな、ノームちゃん。」
「アクア様、ノーム様、私は毎日この風神様を身に着けて祠に礼拝をしていますが、一向に炎と土の属性魔法に目覚める気配はありません。
才能がないのでしようか。」
"「怒。
それは、天然平目ちゃんがシュウのケツばかり追いかけたり、キッスや抱擁をせがむという煩悩の塊のような生活をして、真剣に礼拝をしないからじゃ。
全くこの色ボケ天然平目が。すこしは反省しろ。"」
「ひ~ぇっ、今度から真剣に祈ります。
でも。キッスは1日3回はせがんでいいでよね、ねっ、ねっ。」
"ノームちゃん、他のアーティファクトやその力を使う者を探させる前に、この天然平目を刺身にして、ソニアちゃんを代わりにシュウの嫁とし、光の公女にした方が良くないか。"
「そうじゃの~ぉ、シュウの嫁は光の公女なのじゃから。
こんな天然平目よりソニアちゃんの方が見た目は若いし、光の公女になる可能性が高いかもなぁ。ちらっ。」
「だめ~ぇ、絶対にだめ~ぇ、私が光の公女となって、このままシュウのお嫁さんを続けるんだから。」
「でもな~ぁ、色ボケ平目じゃな~ぁ、まじめに礼拝をしてくれるかどうか疑わしいものじゃ。」
「ノーム様、私はここに誓います。
これからはタイさんよりも一所懸命に礼拝します。光の公女と成れるように精一杯努力します。」
「ノーム様、アクア様、俺もエリナと一緒に真剣に祈ります。
だから、チャンスをください。エリナが光の公女となるよう努力するチャンスを。」
「アクアちゃん、どうしようのう。
シュウが言うのなら、一度ぐらいは試してみてもいいかのう。」
"でも失敗した場合、今回の輪廻の会合も不完全になって、魔族とエルフ族が滅亡にさらに近づいちゃうかもな。"
「絶対に成るなるとは約束できないけど、光の公女になれるように精一杯頑張るわ。
もし、慣れなかったら、シュウが愛人を持つのを3人までだったら認めるわ。」
"ちなみに天然平目ちゃんが光の公女となった場合、シュウは愛人を何人持てるんだ。"
「0よ、いいえ一人よ。」
「一人は愛人がいてもいいんじゃな。」
「私が愛人も兼ねるら。いいの。」
「"・・・・・、できるんかそんなこと。」"
「まぁ、エリナも光の公女になれるように努力すると言っているんだし、とりあえずやってもらいましょうよ。ねっ、ねっ。」
"シュウはエリナの修行を妨害するつもりだなんだな、きっと。
エッチだからな、シュウは。"
「うぁぁぁぁぁぁぁ、エリナ、ジト目の後に、Gを見るような蔑んだ目で俺をみるのはやめれぇぇぇぇぇ。」
「冗談よ、ほんとは一緒に頑張ってくれるんでしょ。」
「もっ、もっ、もちろんです愛する奥様。」
「いや~ん、愛する奥さんだって。いや~ん、シュウのエッチ。
そうやってどんどん私の身も心も縛っていくのね。」
「"こいつらまじめに修行する気があるんか」"
「まっ、一応は信じるとして、先ほどの話の続き、つまりこれからシュウと天然平目ちゃんがやらねばならぬことじゃが。
まずは今の話の流れから、エリナが光の公女と成れるように努力することじゃな。これは毎日の礼拝の強化、何を強化するかは知らんがな。
後は、先ほど話をしようとしていた、残りのアーティファクトの探索とその力を使う者の探索じゃな。」
"ノームちゃん、その話と絡めて、もっと大事な探索があるでしょうが。"
「あっ、そうじゃった。月の女王の探索だった。そうじゃった、そうじゃった。」
"そうだったじゃねぇぞ。
このちんちくりん×2が、耄碌してんじゃねぇ。"
「煩わしいぞ、ちんちくりん。いちいち茶々を入れると話が進まんのじゃ。
天然平目ちゃん、また質問じゃ、良いかな。」
「どんとこ~い。」
「元気とやる気があって良いのじゃ。光の公女の魔法属性は・・・・・・」
「はい、土と水、風と炎です。」
「ぶっぶっー。最後まで問題文を聞くのじゃ。
もう一回お手付きか誤答で、愛人を囲っても許す券を一枚シュウに進呈することになるので気を付けるのじゃ。」
「えええ~ぇっ。」
「では改めて問題からやり直しじゃ。
光の公女の魔法属性は土と水、風と炎ですが、月の女王の魔法属性は何でしょうか。
考える時間は一分じゃ。間違えるとシュウの愛人が一人増えるので心せよ。」
「えぇっと、大精霊で残っているのは闇の大精霊シャドウさま。
わかったわ、闇属性です。」
「正解なのじゃ。よく、わかったのう。」