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10話目 ちんちくりん3姉妹

「貴様ら、教会本山の礼拝堂の最も神聖な場所で、何をしておるのじゃ。

そんなことをしていいのは結婚式の新郎と新婦だけだぞ。


お前らはもう済ましただろうが。

ええいっ、今すぐ離れるのじゃ。


なんじゃ、唇だけだと思ったら体も密着させているではないか。

ええい、ここではそんな淫らなことは許されんのだぞ。


おお~ぃ、聞こえているか。


・・・・・・・・・・・・


ここはあれを使うか。シュウがいつも使っている手じゃな。」


「ノーム様、それは止めた方が良いと思うぜ。

あれを言った瞬間、ここの神聖さは木っ端みじんに吹き飛ぶぞ。

その覚悟があんのか。


"大地の大精霊さまのお住いって、小汚いのね。

祠の信仰をやめて、泉に切り替えましょうよ。"


のようになってもいいのかよ。」


「ではどうするのじゃ、こいつらお互いの唇に吸い付いたまま、またタラコになるのじゃぞ。

せっかく来たのにフガフガ言って、話にならんのじゃぞ。」


う~んと、もう吹雪、何とかせい。」


「何で妾が、面倒じゃ。

昨日から徹夜でこ奴らの相手をしておったのじゃ。そろそろ昼寝の時間じゃ。

後のすべてをメイドに任すのじゃ。」


「面倒なので、さっきの手でいいのではないでしょうか。

何なら私が言いましょうか。

こんな場所に未練はないし。


それだらけになっても。」


「それって、なんじゃ。それがいっぱいになるとどうなるのじゃ。」


「名は体を表すと申しまして。

今後、それがいっぱい出てくるということですわ。じゃ行きますよ。」


「いや、風神、ちょっと待つのじゃ、待ってくれ~。

それで一杯になって、飛び回り始めたら儂はここで暮らしていけないではないか~ぁ。」


「知るかっ。ではいきますよ~ぉ。」

「マジ待って、お願いだから~ぁ。」


「奥様、足もとにGが、それと飛んできたGが背中を這いずり回っております。」

「ぎゃーーーーーーっ。」


「エリナどうした!! 」


「あっ、そのままお倒れになってしまいましたわね。

ここは、あの黄金パターンですわね。致し方ないですわね。


さっ、ご主人様。倒れたお姫様をぎゅっと抱きしめて、唇にキッスですわ。

ほっぺたになんてしたら、雷神が電撃攻撃しますからね。

さっ、さつ、早く~ぅ。」


「「・・・・・」」

「元に戻るだけじゃなかろうかのう。」


倒れたエリナをまた寝かせて置くことに。


寝てしまったお姫様を再度のキッスで起こしてタラコになろう作戦はノーム様に止められてしまった。


「チッ。甲斐性なしが。そのまま全部食べちゃうチャンスだったのに。」メイドさん


「なんちゅうことをここでさせようとしておるのじゃ。

ここは神聖な儂の住処じゃぞ。」


そこには、つなぎを着たソニアやアクア様と同じぐらいの年頃のやっぱり美幼女、よく見ると超が6個くぐらいの美少女がぷんすか怒りながら立っていた。


なぜよく見ないと超美少女だとわからなかったかというと、ぽっぺとおでこと顎に泥が付いていたからだ。

泥いじりしていたのかなぁ。


「泥いじりが楽しい年ごろはとうに過ぎてしもうたわ。

それよりケーキ食べたいぞ。」

その年でそんなソニアみたいに甘いものばっかり欲していると糖尿になるよ、ノーム様。


「ところで、ノーム様お聞きしたいことがあるのですか。」


「なんじゃ。ちんちくりんとどっちが背が低いかという質問なら先に言っとくぞ。

儂の方が1cm低い。世の中ではこれを誤差範囲と言っておる。

なのにあやつは儂をちんちくりん×2とバカにするのじゃ。


あやつは水でふやけた分だけ儂より身長が高いだけなのに。


そういえば知っておるか。

あやつが例のケーキ屋でケーキを堪能しながらお漏らしをしておるという噂さじゃ。」


"お漏らし、ちゃうって、いつも言ってんだろ。"


あっ、アクア様だ。お互いの部屋は覗き放題なわけだ。


「ふふんっ、貴様がケーキ屋に行くと店員か慌ててモップを3本も持って待機していることを知っておるか。」


"だから、あれはお店の中の湿気が集まって、みずたまりになったという純粋な高純度の水だぞ。

そんな綺麗な水は門前町はおろか、この世の中で手に入らないぐらいきれいな水なんだぞ。


その尊い水を使ってあの店は掃除をしているわけだ。

どうだすげぇだろ。"


「おまえが濡らしたことには変わりないわけだな、墓穴を掘ったわ、ぷっ。」


"鼻で笑ったな。貴様なんてあのケーキ屋に出禁食らってるくせに。"



「あっ、それは言うてはならんのに。この間約束したじゃろ。」


"はっん。おまえが先にその話をシュウたちにばらしたんだろ。俺も言ってやる。"


「やめろ~ぉ、それだけは言うてはならん。」


"こいつが店に入ると土ぼこりが落っこちて、ケーキに付いちゃうんだよな~ぁ。

だからケーキ屋に限らずどこの店にも入れないんだぜ。笑っちまうよな。

出禁、出禁、なにもできん、ガハハハハハ。"


「めそ。


シュウ、よく見ておけ、あれが水の大精霊アクアの本性じゃ。

我々、大精霊の間ではあやつは大悪魔と言われて忌み嫌われておるわ。


二度とあの湿気とカビだらけの神殿に近づくでないぞ。

変な病気が移ってしまうのじゃ。」


"何を吹き込んでるんだ。


俺の神殿は水の神殿。生命力に溢れた神殿だ。


お前のとこなんて、いつも土埃が舞っていて、そんなのを吸い込んだら肺に土が溜まって、空気が吸えずに窒息してしまうぜ。


シュウ、もう二度と埃の神殿に近づくんどゃねぇぞ。"


「言わせておけば、このちんちくりんが。


貴様の神殿何てカビが一杯舞っていて、それが肺に入って、肺の中でカビが目いっぱい繁殖して、空気が吸えずに窒息してしまうくせにのう。」


"なんだと、ちんちくりん×2の分際で。


俺の命の源の神殿にケチ付けるとぁ、いい度胸だ。勝負だ。表に出ろ。"


「望むところじゃ、ちんちくりん。今日こそ、決着を付けてやるのじゃ。」


なんか同じようなやり取りをどこかで聞いたような。

それも2度。

この手の争いは俺の周りではしょっちゅうなのでいちいち覚えてないな。


まぁ、仲がいい証拠ということで。


「"こいつと仲がいいと言われるとむしずが走るのじゃ。」ぜ"


「ノームちゃんお待たせ。

まったぁ。」


あっ、ちんちくりん3姉妹の長女が呑気に登場した。


「お兄ちゃん。いらっしゃい。


あれ、お姉ちゃんが寝てる。

ここで寝ない方が良いよ、土埃が肺に入っだんだん空気が吸えなくなるんだって。」


「こりゃ、ソニアちゃん、なということを言うのじゃ。」


"ソニアわかっているじゃないか。

やっぱりお泊りするのなら俺の水の神殿だよな。"


「なんか、水の神殿は湿気が多くてカビがいっぱい飛んでるんだって。

それが肺に入るとだんだん息が出くなって、危険なんだって。」


"なんというでたらめを。そんなことを言ったのはだれだ、どうせちんちくりん×2だろうがな。"


「違うよ。吹雪のおばちゃんという人。」


"・・・・・・・・、・・・・・・・・、ふ・ぶ・き・ちゃ~ぁん。

いくつか聞きたいのだけれど、いいかな~ぁ。"


「いや、いえ、その、お母さま何でございましょうかのう。」


"なんで、ソニアちゃんと直接話ができたのかなぁ。"


「あっ、それは私が頼まれたからですわ。


ソニア様に何か重要な伝言がアクア様からあるからというので、私が吹雪様の声を風に変換し、ソニア様直接聞けるように取り計らいました。


極秘の伝言ということでしたので、内容は聞かないようにしておりました。」


"ソニアちゃん、吹雪のおばちゃんは他に何か言っていなかったかなぁ。"


「ええと、シュウにカビのことを伝えて、水の神殿に近づかないようにしてほしいと言っていたような・・・・・、そう言えば、お兄ちゃんに伝えるのを忘れちゃってた。


だって、吹雪のおばちゃんて、声が突然聞こえてきた怪しいおばばかもしれないじゃない。


そんな怪しい人との約束は忘れちゃってたよ。

吹雪のおばちゃんて、誰かなぁ。」


"ふ・ぶ・き・ちゃ~ぁん。そんな手間のかかることを何でしているのかなぁ。

そんなにシュウを泉の神殿に近づけたくなかったのかな~ぁ、なんでかな~ぁ。"


アクア様の声のトーンがどんどん冷えてきた。

それと共に背中のおばちゃんもどんどん冷えてきた。

俺は背負っていられなくなり、床におばちゃんをそっと置いてみた。


"ノームちゃん、そいつを石の中に閉じ込めちゃって。"

「承ったぞ、アクアちゃん。それ。」


おばちゃんは石棺に閉じ込められた。


「アクアちゃん、閉じ込めたけどこの後どうするのじゃ。

一応、貴様のアーティファクトじゃろ。

あまり手荒なことはせん方が・・・。」


"大丈夫だよ、ノームちゃん。娘の不始末を付けるだけだから。

外出10日間禁止で。

ちょっと、このアホ娘をしばらく預かって。"


「いいよ~ぉ。

今、ご免なさいって涙を流しながら誤っているのじゃ。

儂の石棺のなかは儂以外は見たり聞いたりできないのにのう。

ご苦労なこっちゃ。」


この大精霊たち、めっちゃ仲が良いじゃないか。

お互いに嫌いなわけじゃなく、長く生き過ぎて、たまにじゃれついていたんだな。


おれはちんちくりん3姉妹の仲の良さがうらやましく思えた。


うちの妹何て、兄貴の俺に絶縁場をマジで送り付けてくるんだぞ。



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