表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

122/620

4話目 チンチクリンが好き

俺たちはアクア様の領域から帰って来た。

俺たちの足元には見慣れない水の転移魔方陣があった。

行きと違うのは、壁にある手をお洗う流し状のくぼみから勢いよく水が噴き出して、床をぺちゃぺちゃに濡らしていることだった。


「やっと帰って来たね。」

「旦那様、夜が明けてしまいました。」


「きゅいい、きゅいい、きゅいい。」

「やっと帰って来た。さみしかったよ~。早く抱っこして。だって。」

いつもはただの伝言なのに感情をこめて言う通訳さん。

生き残りに必死です。


「抱っこはちょっと無理だから、いつもの足なでなででいいかなぁ。」

「きゅぴ、きゃぴび。」

「何でもいいから構って、早く、だって。」通訳さん


「すっかり甘えん坊になったわね。将来独り立ちできるかしら。お姉さんは心配だわ。」

「芦高さんの独り立ちって、どんななの、エリナ。」

「・・・・・・」

「あっ、ごめん。勢いね。」

「・・・・・・」右斜め上45度視線のエリナ


「きゃぴぴ、くぴぴひ。かぴぴひゅ。」

「僕は独り立ちなんてしないって、ずっと一緒だって。」通訳さん


「もう家族みたいなもんだし。このままでいいんじゃないか。芦高さんは。」

「うふふふっ、家族ね。こうやって、家族が増えていくのね。血の繋がりだけが家族じゃないものね。

芦高さん、ごめんね。ずっと一緒に居ようね。」


「きゅぴ、かぴぴぴ。」

「絶対だよ。急に居なくなったりしないでね。だって、」


「あっ、どこに行っていたの。心配したじゃない。儲かった? 」最高司祭さん

「ちょっと、この変な転移魔法陣で飛ばされちゃって、帰ってくるのに一晩待たなきゃならなかったんだ。」


「どういうこと?」

「この転移魔法陣はなんか、へんな洞窟に繋がっていたんだけど、転移魔法陣を作動させるためには異常なほど魔力が必要で、ここから飛ぶだけが精一杯で、戻ってくる魔力が足りなかったんだ。」


「そういうことですか。魔力は直接魔法陣に注ぐのかしら。」素直なタイさん。

「そっ、そっ、なんです。ドバーァッと。」


「なんう胡散臭いね。」

カメさんは黙ってて。その辺這いずり回ってていいから


「まさかっ。」

最高司祭何か気付いたかっ。

「どうしましたか。乙姫さん。」


もうこの方は乙姫様と言う女の子のあこがれのキャラじゃないんです、

金銭の暗黒面に引きずられた守銭奴、守銭奴教最高司祭です。


「こいつ、エリナとの二人っきりのデート代を浮かすため、誰も入ってこれない秘境に行っていたんだきっと。


そうだろシュウ。

タイさんの目は誤魔化せても、守銭奴教最高司祭の目にはお見通しだよ。


そして、2人きっきりで、あんなことや、こんなことまさかそんなことまでやったんじゃないでしょうねぇ。

朝帰りだし。

二人っきりでお泊りだし。」


エリナが真っ赤になった。


「思わず、たらこになりました。キャーッ、恥ずかしいわ。

まさか、あそこまで。


でもシュウが悪いのよ。私が寝ているすきにひとりであんなことをし始めるんだもの。

もう、一回じゃ物足りなくて、何回も何回も・・・・・。


うへへへへ~ぇ。」


なっ、なんつう誤解が雪だるまになるような言い方をするんだ。うちのエリナにゃんこは。

自分はエリナトリップに入って周りと自己を遮断しているからいいけど。

全疑惑の目が俺に集中しているじゃないか。


「・・・・・・2人きっきりで朝帰り。・・・・・ぽっ。」

また厄介なつぶやき四郎っ子が沸いてきた。


「シュウ君、まさか・・・・、夫婦だからいいけど。

シュリさん僕たちはまだ早いよね。健全にお付き合いしたいし。」


ボルガ、何を言っているんだ。あんなことを誤解しているぞ。あんなことに謝れ。変な想像をするな。


「「チェッ、独り身はつらいぜ。ちぇっ。」」久々のWリン登場。


妹を合わせればトリプル戦隊リンリンリンだ。

この間、妹から絶縁場が届いたからな。

状じゃなくて場だから本心は絶縁したくないと俺は読んだね。


くだらないダジャレで、心を癒している場合ではない。

こいつらの誤解を解かないとまずいぞ。


「「シュウく~ん。ちょっとこっちいらっしゃい。

エリナと堂々と朝帰りしたシュウく~ん。そんなことをしてたんだって。

それも初めは強引に、そして、その後は二人の合意の上で何回も。ほほ~んっ。」」


出たぞこの手の話を必ずかぎつけるアラサーコンビ

きっちりハモっているところは相乗的な怒りを示しておりますな。


おれの背中は冷や汗トラップと化していた。

背中のおばちゃんで冷えること、冷えること。

ちょっとトイレ行っていいですか~ぁ。


「私たちがかあんなことをする相手がいないと思って、わざと朝帰りして見せつけたのですわ、死神さん。」

「きっとそうよね、徹夜で行軍、マラソンさせた恨みよね、きっと。特攻隊長さん」


「でもねいくら仕返しするにしても、それはいくらなんでねひどすぎると思わない、死神さん」

「思うわ。わしたちが心配して徹夜でこの転移魔法陣を作動させようとしていたのにね。特攻隊長さん」


「私たちかが頑張っていた時に2人だあんなことを、それもたらこになるまで、何度もしたんだって。死神さん。」


「お代官様方、聞いてくだせぇ。


私とエリナは転移した後、戻ろう度努力したんですが魔力が足りずに途方に暮れておりました。


そこは、非常に寒かったのですが、炎の魔法術士がいないため、仕方なく体を温めるために荷物に入っていたお茶と唐辛子で、唐辛子茶を作ったのでごぜぇます。


エリナは寒さのあまり擬エリナトリップの状態になったため、強制的に唐辛子茶を飲ませたのでごぜぇます。


朝までに、唐辛子を何度もかじるうちに唇がたらこになったというわけでごぜぇます。


朝になり、漸く魔力が回復し、私は転移魔法陣を発動し、エリナはヒールで唇を直してくれたのでごぜぇます。おしりは痛いけど。


信じててくだせぇ、死神様。

決して、嘘は言っておりませぬ、閻魔大王様。」


「誰が閻魔大王じゃ。ボケが。」

「私だけ死神で、あなただけ特攻隊長とはいえ人枠なのはおかしいと思っていたのよね。」


「てめぇ、裏切るつもりか。表に出ろや。」閻魔様

「ふん、私の鎌の赤い露になりたいようね。いいでしょう。」


「「勝負だっ。」」

表に出て行ってしまった。まぁ、一番うるさそうなおばさま方の突っ込みをかわせたので良しとしよう。俺ナイス、本物の閻魔様ごめんなさい。


「お兄ちゃ~ん。漸く帰って来たんだ。心配したよ。」

「ただいま。参ったよ。戻れなくて。」


「チンチクリンは元気だった? 」

「えっ、チンチクリンを知っているの。」


「チンチクリン×2がチンチクリンが見つからないと良く愚痴っているし、あとはよく例のケーキ屋で一緒におやつしているよ。」

めちゃくちゃ自由にしているじゃねぇか、チンチクリンのやつ。


「ソニアもチンチクリンだからチンチクリンとチンチクリン×2でチンチクトリオの結成だな。」


「え~ぇっ、わたしはチンチクリンじゃないわよ。お兄ちゃんのバカ。」


その瞬間、近くにいた第1軍団の皆の目に殺気が宿った。


「ごめん、でねなぁ、チンチクリンて俺の好みだな~ぁ。かわいいよなぁ。」


その瞬間、エリナトリップから蘇ったエリナ大魔王さまの目に殺気が宿った。


「シュウはかわいい感じのチンチクリンが好きなんだ。美脚、巨乳が好みかと思てたわ。

え~ん、せっかく牛乳を毎日飲んで育つように頑張っていたのに~ぃ。

ツルペタのチンチクリンがいいなんて、信じられない。

わ~んっ。」


「おねぇちゃん、育ったものは仕方ないよ。」

ツルペタの胸を張って、ツルペタを自慢するソニア。


「シュウ、私の胸の脂肪を吸い取って、今すぐによ。

こんなに育った責任を取って。」

「えっ、俺はやっぱり巨乳の谷間が好きだなぁ。」


「え~ん。ツルペタは嫌いだと言った~ぁ。ソニアはツルペタのチンチクリンだから嫌いだといった。」

「別に嫌いじゃないぞ。俺はソニアのことは大事に思っているぞ。」

ただし、お兄ちゃんとしてな。


「ふふ~ん。お兄ちゃんはやっぱりスレンダーなチンチクリンが好きなんだ。」

「シュウ!! 」般若のエリナ。


「う~んとっ、もう不毛な胸の大きさ自慢は止めにしようよ。ねっ。ねっ。」

「「まぁ、シュウが言うなら。」」

ホッとしたよ、ようやく終わったよ。


「それじゃ、徹夜明けだから明けだから一休みしようか。エリナ。」

「そうねぇ、私は大丈夫だから、少し寝てたし。

シュウは休んで、その間にお昼ご飯を用意しておくわね。」


「じゃ、一休みして食事をしたら、教会本山の珍獣様に会いに行きますか。」


「やっぱり、ツルペタのチンチクリンがいいんだ。

チンチクリンに会いたいんだ。」


「馬鹿なやつじゃ、自分で話を蒸し返しておるわ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ