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3話目 聞いてくれ、床が濡れてたわけを。おい、だれかぁ~

これまでの俺のすべての秘密知ったエリナがこちらを向く。


「旦那ひゃま。何か私に言うひょとはごひゃいませんか。」


"無理にたらこ唇で声に出さずとも双子の指輪の念話で。どうせここにいる面子にはすべて筒抜けだし。"


"それでは改めて。おほんっ。


めそめそ。

私は悲しいです。そんな大事なことを妻である私に隠して、こそこそこそこそこそこそ・・・・・・と、やっていたのが。


私は旦那様に何一つ隠しだでしていないのに。


私にはこそこそこそこそこそこそ・・・・・・と。


かわいいメイドさんとそんな大事な話をこそこそこそこそこそこそ・・・・・・と。

めそめそ。"


"あの~ぅ。マジごめん、念話だと黒いオーラがすべて言葉で聞こえてくるので、唇にヒールしてくれないかなぁなんて、できればでいいからなぁなんて。"


「旦那ひゃはま、ひきょうでひゅ。私の初々しい心をもてあそんでいひゃのですね。

でも、ヒール。」


「ありがとう。これでやっと普通に話ができるよ。」


「そうなんですね。

じやっ、言わなければならないことがありますよね。

旦那様が私に。」


「そうだよな、いろいろ隠していてごめん。

ペット魔族さんのことも、メイドさん以外のこのどうしようもない憑依者たちも。」


「そんなことはどうでもいいの。

そうじゃなくて、もっと私に言わなければならないとがあるでしょ。


今まで、隠していたでしょ。

メイドさんからすべて聞いたわ。」


「んんんんっ。」


「ご主人様、本当に甲斐性がないですわね。

ご主人様の気持ちを素直に奥様に告げればすべて丸く収まるのですよ。

この駄駄駄駄男が。まったく、世話の焼けることですわ。」


俺のエリナに対する素直な気持ちか。


「エリナ、俺、お前のことが、」


「大福ってか、またあの時の繰り返しかよ。」


「「「「・・・・・・・」」」」

熔かす。もうぜってい熔かす。この世界がどうなっても良いから、てめぇだけは熔かす。


「わっ、ごめん。軽い冗談だぜ。

なぁ、エリナ、お前だったらわかってくれるよな。ねっ、ねっ、」


"熔かしていい、熔かしていい、なぜもっと早く熔かさなかったの、こんな駄リング。"


「まじごめん。


愛人と正妻が逢引の場所で鉢合わせしたような黒いオーラで覆われた雰囲気を和ませようとしただけだろ。


なっ、なっ。冷静になれよ、なっ。」


「まぁ、駄リングさんは明日熔かすとして、シュウ、さっき私に何を言いかけたの。」


「まぁ、何だ、エリナに対する俺の気持ちを言おうとしたら、俺の黒歴史を持ち出すやつがいたんだな。」


「シュウなんて歩く黒歴史だろうが。何をいまさら気にしているんだよ。」


やっぱ、今熔かす。今熔かさないと一生、俺の黒歴史をかってに言いふらすに違いない。


「ごめん、絶対にあの事と、そのことはここ以外では話に出さないから。なっ、なっ、冷静に話し合おうぜ。」


「シュウ、なんだ。いま雷神を熔かしても良いことはあるまい。お前の戦力が落ちるだけだぞ。

どうしてもというのなら止めないがな。」


「アクアさま~ぁ、そこは是非とも止めましょうよ。

可憐な俺がこの世から熔けてなくなるなんて全生物の損失だぜ。

あんたならわかるよな。」


「んっ、いなくとも困らんぞ。

輪廻の会合はすでに動いているし。

雷神がいなくとも風神と吹雪がいれば面子集めには困らんだろ。」


「わ~ぁん、シュウ、ちんちくりんがいじめるよ。助けてよ。」

「わかった。俺が引導を渡す。明日、9時に・・・・。」


「あっ、芦高が泣いてるぜ。早く帰って来いってよ。


そらなぁ、俺って役に立つぜ。俺がいなくなったら、誰が芦高と連絡をとったり、芦高に指示を伝えるんだ。」


「それは・・・・」

「じゃ、妾が代わってやろうかのう。」

「げっ、俺の仕事をとるな~ぁ。」


「まっ、明日の9時になればすベて解決しそうだな。

これで安心して俺もお前たちを送り出せそうだぜ。


シュウとエリナ、そして、大精霊のアーティファクトたちよ。

心して進め。


輪廻の会合を無事に果たして、エルフ族と魔族、そして人類の滅亡の危機を回避してくれよ。


俺はここを動けん。

お前たちに託すことしかできん。

それでも、たまにはここにも来て元気な顔をみせてくれ。


おれはチンチクリンのチンチクリンとは違い、泉の転移魔法陣に魔力をささげる必要はない。


直接、俺のこの泉をイメージすれば転移魔法陣が発動する。


また来てくれ。お前たちの話を楽しみにしているぞ。


・・・・・その時には、雷神がいないか・・・・・。


まぁ、どうでもいいな。」


「良くねぇ、ぜぇったいよくねぇよ。」


「さすがに、かわいそうになって来たわ、雷神さんが。

この辺でからかうのは止めましょうよ。」


「さすが、シュウの正妻だ。心が広いぜ。」


「エリナちゃんはまだ付き合いがないからうるさいさんが本当にうるさいことをまだ知らないんだ。

知っていたら、庇おうなんて思わないぞ。」


「えっ、でも私のことを正妻だと言ってくれるし。」


「そうだぞ、エリナ様は正妻で、俺は愛人、婆ちゃんは妾、メイドはメイドだな。」


「シュウ、愛人と妾がいるのはどういうことかなぁ。」


「いない、いない。

かび臭い愛人はいらんし、おばちゃんは自分のことを妾と言うからうるさいさんが妾と言っただけだろ。」


「その説明だと愛人疑惑は残るわね。

何時も肌身離さず身に着けているようだし。」ジト目のエリナ様


「さっ、アクア様にお別れのご挨拶をして、芦高さんのところに戻ろうか。


芦高さん以外も俺とエリナがいなくなって心配しているだろうし。

早く、教会本山の珍獣も見に行きたいしね。」


"珍獣ちゃうわ、"


「おおっ、チンチクリン×2の珍獣の声が聞こえるぜ。どうしたんだ。」


"チンチクリンのお前が言うでない。

やっとお前の今の居場所がわかったんでその泉に念話を送ったんじゃ。

まったく、たまには連絡ぐらいよこせアクア。"


「えっ、アクア様はここから動けないんじゃないの。」

「・・・・・・」


「あっ、その右斜め上45度を見上げてこちらからの視線を外すポーズはエリナちゃんの得意のやつだ~ぁ。」


「えっ、私そんなことしないわよ。シュウの勘違いじゃないの。」


じゃ、アクア様と同じポーズをしてないで、しっかりとこっちを向いてくださいね。


「お母様は社の泉を自由に行き来できるからのう、転移魔法陣がなくても。


でも、妾たちがここに来るにはさっきの泉の転移魔法陣しかないのじゃ。


お母様は魔族が泉の転移魔法陣を使えないことをいいことに魔族にあの社と言うか、この辺の社をすべて魔族に管理させて、人類にはわからないようにしておったのじゃ。」


「なぜ、人類にはこの近辺の社を隠しておいたのですか。」


「まぁ、なんだ、人類の守護者として輪廻の会合の候補者だけがここに来れるようにするためだな。


吹雪が探して連れてくるか、いくつもの魔族部隊を倒して自力で来るとか。

それぐらい根性と実力のあるやつじゃないと輪廻の会合の中心の候補者とは言えないからな。


ああ、言い忘れてたがここに来るための転移魔法陣はその資格があるやつしか作動しないようにしたからな。


いまごろ、あの転移魔法陣を作動させたくて四苦八苦している愚かな者どもの焦る顔を見てみたいもんだな。」


「ところで、アクア様はここを出ていつもどこに遊びに行っていたんですか。」


「乙女の秘密だ。これ以上は聞くな。」


「あっ、門前町の例のケーキ屋さんに超絶美少女が時々来るんだけど、帰った後になぜか床に水たまりがあるという噂を聞いたことがあるわ。


そして、その水たまりはその美少女がもらしたのかと噂になっていたわ。」


「アクア様、まさか・・・・」


「確かにケーキ屋に入ったが、漏らしたわけではない。」


「じゃ、よだれか・・・・・」


「口からも漏らしていないぞ、失敬な。」


「じゃ何故濡れた????? 」


「お母様もお年なので、まぁ、いろいろあるのじゃ。」


「こら吹雪、変な誤解を残すようなまとめ方をするんじゃない。」


「あっ、俺たちも夜が明けそうだから帰るね。アクアぱあちゃん。また来るね。

お土産は紙おむつかなぁ。」


「アクア様、またシュウと一緒に遊びに来ますね。くれぐれも気を落とさずに長生きしてね。」


「「「「「「それじゃ、お元気で」」」」」」」


「ちょっと待つのだ。あれはなぁ。しょうがないのだ。

俺は水の大精霊だぞ。

常に湿気を帯びているのだ。

それがケーキを食べている間に水たまりとなったんだ。


けっして、漏らしたり、たらしたりしたんじゃねぇぞ。

おい、聞いているのか。シュウ。」


"もう誰もいないのじゃ。あきらめろチンチクリン。"


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