表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

118/620

こちら次元間 チャンネルわん・にゃん放送局 報道特集 あの世界の秘密 第7回放送

「7時になりました。こんばんは。7時のニュースの時間ですが、今日は報道特集の第7回目を放送時間を延長してお送り致します。


いつものキャスターのまねき猫は一昨日から夏休みに入っています。


なんでも田舎の空気が吸いたいと、何と、あの地球に観光というか調査というか、カツオ節を堪能しに行っているようです。


まぁ、私にしてみればなんでわざわざ地球まで行ってカツオ節を堪能しなきゃいけないのかさっぱりわかりませんがね。

ビーフジャーキーを堪能するのならわかるのですが。


というわけで、本日の特報は代打として、アナウンス部所属の私、狛犬が勤めます。


まねき猫さんの代役が務まるのか非常に不安ですが、一生懸命に務めさせて頂きますので、よろしくお願いいたします。


それでは、前回放送以降の調査の進展についてDデレクター、こちらも夏休みですね、それではEデレクターに報告してもらいます。

それではよろしくお願いしますわん。わお~ん。」


「んっ、何かフリップに書いてありますね。ええと

"狛犬さん、落ち着いて、放送で遠吠えはまずいですってばにゃ。 by Cプロデューサー " 」


「ざわざわ」スタジオの中


「また何か書いてありますね。

"狛犬さん、このフリップ読んじゃダメでしょにゃ。 by ちょっと怒っているぞCプロデューサー " 」


「大変失礼いたしました。慣れないエース級の初仕事で興奮してしまいました。

それでは改めてEデレクター報告をよろしくお願いしますわん。」


「さわざわ」再びスタジオの中


「また、フリップが出ましたね。え~と。なになに、

"Eデレクターが緊張のあまりトイレから出てこれなくなった~ぁ。

以後はフリップを出すからおまえが読んでとりあえず番組を進めろにゃ。

ちなみにこのフリップは読んでもいいにゃ。 by Cプロデューサー" 」


「げっ、ワォ~ン。


それでは改めて始めさせていただきます。


はい。え~と、何々。

先日の放送後に、地球の調査依頼者様からお手紙をいただきましたにゃん、わん。」


「お手紙の内容はどのようなものでしたでしょうかわん。」

「お手紙にはまたまたご質問が記載されておりましたにゃん、わん。」


「ご質問ですかわん。」


「ご質問の内容とは、文化の発展程度を知るうえで重要な庶民の娯楽について、昨今の教会本山の門前町ではどのようなものが流行しているのか教えてほしいという内容のものでしたにゃん、わん。」


「それはそれは我々報道に携わる者にとっても大変興味のある内容のご質問です。


本日は調査依頼者様のご質問に答えるべく、名無し星の教会本山の門前町の庶民の娯楽で何がはやっているの? について報告していただきます。


本日の解説は当局の文化部エンターテイメント課課長のBさんにお願いしています。日々数々のエンターテイメントに接してるBさんにその娯楽が示す社会背景について考察していただく予定にしております。


B課長、よろしくお願いしますわん。」


「こちらこそ、よろしくお願いします。

しかし、わくわくしますね。漸くこの特番で名無し星の娯楽について報告されるなんて。


どんな歌や踊り、どんなスターがいるのでしょうかね~ぇ。

とにかく早く現地を見てみましょうよくま。」


「わかりました、それではさっそく現地を呼んでみましょう。

門前町のKi特派員、聞こえますかわん。」


「はい、聞こえております。

前回に続いて私Kiが担当致します。よろしくお願い致しますにゃ。」


「こちらこそよろしくお願いいたします。

それではさっそく調査報告をお願いいたしますわん。」


「本日はここ教会本山の門前町で流行っている娯楽はなあ~にという、お題目ですね。


今日は流行に敏感とといえば女子学生、ということで教会本山の職校の最上級生で、この頃この特報の準レギュラー化してきたと噂の生徒会書記長の乙姫さんに来ていただきました。


乙姫さん、本日もよろしくお願いいたしますにゃ。」


「こちらこそよろしくお願いいたします。

しかし、Kiさん持っていますね~ぇ。素晴らしいです。私にもお裾分けをお願いします。

守銭教徒の合言葉は "まけて~ぇ、おまけは? おごって"よ。覚えていますか。」


「合言葉は初めて聞いたような。

しかし、素晴らして言葉ですね。仮想空間商店では使えない言葉です。


ここ名無し星のような直接生の商店でお買い物をするから、そのような合言葉が生まれているんですものね。


心と心の直接の触れ合いが昇華して、また新たな文化を育むのだと感じましたにゃ。」


「わかっていただいて光栄です。

守銭奴教の最高司祭の私はこうしてここのみんなの心の支えになることを望んでおります。


Kiさんも一緒に唱えましょう。この言葉を使用店の前で唱えるだけで、あなたも立派な守銭奴教徒となるのです。」


「ごめんなさい。

ただいま生放送中ですので、その宗教がらみのことは後で詳しくお話をお聞かせ願いますか。


また後日、ここ名無し星の宗教について特報を組むことも可能ですので。

今日のテーマはここ門前町で流行っている娯楽についてお聞かせ願いますかにゃ。」


「あっ、私ったらついいつもの癖で守銭奴教の話をしてしまい、申し訳ありません。

それではここで一番流行っている"もの"についてですね。」


「はい、ご紹介をよろしくお願いいたしますにゃ。」


「一番流行っている者は、ずばり、観劇ね。」

「お芝居ですかにゃ。」


「そうです。ここ門前町は大都会ですので、ここで流行っているということは人類で一番流行っているということです。」

「それは凄いですね。乙姫さんもお好きですかにゃ。」


「観劇よりもお金を数える方が好きなんですけども、もっと好きなのは値切ることね。

あっ、また脱線しそうになったわ。ごめんね。」


「いえいえ、金勘定も立派なご趣味ですので、娯楽です。

そのような娯楽があることを紹介するのも我々特派員の仕事です。


我々の世界ではキャッシュは使われていなくて仮想通貨というものがあるのですが、ただの数字になって、まけろだの、オマケは?のような言葉が死語になってしまっていますにゃ。」


「えっ、そうなんですか。


あっちの焼き芋屋さんのくそ婆とまけるまけない、いつも買うんだからちっちゃいやつをオマケしろという駆け引きが最高の娯楽だと思いますが。


それがないんですか。」


「はい残念ながら。にゃ~ん。」


「スタジオの狛犬です。

乙姫さん、前回に引き続きインタビューにお答えいただき、ありがとうございます。


お礼と言っては何ですが、調査依頼者様よりインタビューした方に差し上げるように預かっている地球のお菓子を差し上げます。


これは地球の神奈川県というところを代表する銘菓のありあけのはあばあというものだそうです。


何でもその地域放送局の一番人気番組でインタビューに答えるともらえるのがこれだということでした。


まさに、この番組で差し上げる銘菓としてはぴったりですねわん。」


「いただけるのですか。ありがとうございます。


いただけるものはすべて拒んではいけないというのが守銭教の教えですので、遠慮なくいただきます。

ありがとうございます。


これでもっともっと張り切ってご質問にお答えいたします。」


「スタジオのBです。

私もエンターテイメントに関わる端くれとして、あなたへのインタビューを楽しく拝見しております。


ひとつ質問なんですが、先ほどの観劇はやはり一般的に常に一番の人気の趣味なのでしょうかくま。」


「常に一番というわけではありませんねぇ。


実は今とんでもないメガヒットしている演目が出てきたんです。

それが観劇の人気に火をというか、大爆発してしまったというわけです。」


「その演目というのは何でしょうかくま。」


「それは・・・・・。」


「お話の途中なのに大変申し訳ございません。

放送の終了時間が来てしまいました。

今回もさらに延長してこの特報を続けさせていただきますが、その前に30分間いつものニュースを予定していますにゃ。


乙姫さん、1時間半ほどお時間をいただけないでしょうかにゃ。」


「銘菓をいただいておいてなんですが、この後1時間後にアルバイトがあるんです。

それまででしたらかまいませんが。


申し訳ないですね。


でも、そのアルバイトも先ほどの観劇人気とものすごく関連しているので、宣伝を兼ねてというか、時間ぎりぎりまでインタビューに答えさせていただけないでしょうか。


こちらからインタビューを申し込むなんてすこし変ですが。」


「いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます。


あっ、またフリップですね。なになに。


"ニースなんてどうでもいいものは10分で終わらせろ。どうせ毎日やって飽きているぞにゃん。 by Cプロデューサー "

ということです。


視聴者の皆さん、大変申し訳ございません。

10分間、いつものニュースを放送した後に、再び特報をお送りいたします。

チャンネルはそのままで、ニュースと特報延長戦を引き続きお楽しみくださいにゃ。」



「それでは、8時30分になりました。こんばんは。7時と9

時のニュースを合わせて放送させていただきます。

報道特集の第7回目は8時40分より再度放送させていただきますにゃ。

まず、本日のトップのニュースです。


7時より放送しておりましたチャンネルわん・にゃんで紹介した演劇を是非放送してくれという要望が当局に殺到しております。


そのため当局の10Gのネット回線が信じられないことにパンクしており、当局に限らず周辺のネットが非常につながりにくい状況になっております。


市民の皆様に星間政府通信整備局からのお願いです。

落ち着いて行動してください。

まだ、どんな演劇内容かも報告されていません。


星間政府が責任をもってチャンネルわん・にゃんにその演劇を放送させます。

放送しなかった場合は社長以下全役員は磔・獄門。

全管理職は桃太郎星に送り、鬼たちの鬼ごっこの標的に致します。


絶対にあわてて行動してはなりません。


まずはガスの元栓を切り、暖房器具は必ず消してから、冷静に考えて当局にメールをしてください。


爆弾メールを送ったバカ者は同様に桃太郎星送りにします。


なお、・・・・・・」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ