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シュウの冒険 まずは人類領域の探索だ~ぁ 1話目 録画怖し

まずはどうしようか。

ノーム様に会いに行ってみるかな。

まだ、ちゃんとご挨拶していないし。

アクア様とは違った情報をもっているかもしれないし。


「ノーム様もそれは楽しみだとおっしゃっていますわ。

お茶菓子はお供え物で一杯あるから手ぶらで良いとのことです。

どうしてもというなら、門前町の例のケーキ屋の最新マロンケーキが食べたいそうです。」


具体的だ。ノーム様も物欲にまみれた守銭奴教の信徒かもしれん。


ところでね、教会本山に巣くっている珍獣ノーム様の魔法属性は何なの。

「あいつは土属性だ。大地の母ともいわれているぞ。」


もしかして、あの方ってこと?

「そうじゃ。シュウはよくノーム様の気配を感じておったようじゃ。」


じゃ、初めて教会本山に転移してきたときに感じたやさしさに包まれたような感覚とか、職校の入学試験の模擬戦で俺がやりすぎたときにうるさいさんを使って止めてくれたのとか、いつも生暖かい視線を感じていたものとか。


「そうじゃ。全部、あのお方、ノーム様じゃ。」


珍獣は完璧なストーカーだったか。

俺の教会本山でのすべてを見られていたか。

・・・

・・・

もしかしてあれも

・・・

俺が教会本山に戻れなくなった、魔王様にしてやられたことも、見てた・・・


「当り前じゃろ。あんな祠の真ん前でやらかしておいて、知らなくはないじゃろ。」


「おおっ、あれか。私も見てたぞ。

なんせ、四大精霊チャンネルで大々的に生放送されていたからな。


この泉にその放送が映るのだが、大迫力200インチ、5chサラウンド、ドルビー放送だったぞ。

いや~ぁ、面白かったなぁ。いい晒しもんだった。

シュウの馬鹿さ加減が。


普通は初めの4文字で気付くよな。

多分、エルフ界と魔族界でも放送されたんじゃないか。」


えっ、全世界、次元を超えて魔族界にも・・・・・、もう恥ずかしくて生きていけない。


「まぁ、そこまでは情報放送魔法が届かないと思いますので、教会本山とこの泉だけですよ。

そうなると放送を見られたのはノーム様とアクア様だけですわ。記録していなければね。」


その放送は記録もできるの?


「餅の論、私は情報を預かるアーティファクト、全ての記録はお手の物ですわ。」


そっ、そっ、それ消してくんないかなぁ。


「もちろん消しますわ。10000回再生して、笑い転げたらね。

メイドの仕事もかなりストレスが溜まりますので。

主家の汚点は笑いの種。


もちろん外には漏らしませんわよ。そこはご安心を。」


安心できないよ。土下座して謝りますので、消してください。


「どういたしましょうかねぇ。」


そこを何とか。


「ん~っ、じゃ、さっきから気を失っておられます我らの姫様をお起こし下さいませ。」


「あっ、ゆすって起こすなんて、ご主人様は阿呆ですか。

姫様を起こす王子さまはどうするか、幼稚園で習いましたでしょ。

いろいろな物語を読んで。」


まさか、キ〇。


「ポッペなんかにしたら、録画した例の物を教会本山のすべてのガラス窓の左側に移して、右側のガラスを振動させて音を出しますよ。」


それは止めて~ぇ。マジで社会的に立ち直れないから。

そうなったら、人類やめてエルフ族に入り、エルフ族の滅亡を防ぐために人類の抹殺を狙うからね。


「では、ご主人様、もとい王子様、姫様を正しい方法で起こしてくださいな。」


わかった、行くよ。


ちゅっ♡。


「「「「マジでやりやがった~ぁっ。阿保だ。懲りてねぇのか。」」」」


「あっはい、ノーム様そこは抜かりはございません。

ちゃんと録画しましたよ。


あっはい、例の祠の誓いのVTRと交換ですね。

餅の論、交換いたしましょう。


ふむ、シュウとの約束ですか。

私もちろん守りますよ。

私のダビング記録は削除しますが、ノーム様のお持ちのマスターテープからもう一度ダビングし直しますので、全く問題がございません。


あっ、はい、私に騙されるシーンから録画しています。


また、女の口車にまんまとはまったご主人様のおばかやっちまったシリーズ第2巻目として大々的に門前町で売り出しましょう。」


えっ、俺また騙された、雌ギツネたちに。


「シュウ、おはよう。」


エリナが漸く起きた。


「さすが、ご主人様のキスの威力。一発で起きましたね。

あっ、このシーンもちゃんと撮っておりますよ。」


「えっ、シュウが私にキスしたの。」

「はい、奥様。お疲れの奥様が過労で倒れたところをご主人様がギュッと抱きしめて、余りに可憐な奥様の寝姿に鼻息も荒く欲情し、ブッチュと致しました。


それはそれは情熱的で見ている私の方がものすごく恥ずかしくなりましたわ。ポッ。」


「ええええええっ、私覚えていないわ。

そんな。皆がわかっていて、肝心の当事者が全く覚えていない理不尽。許せない。もっ一回して、当然、先よりも10倍熱いのでお願いします。」


・・・・・

撮ってる?

・・・・・

「気にしないで下さいまし。

早くしないとテープ(記憶玉)が一杯になってしまいます。」


録画を止めたら、考える。


「チェッ。甲斐性なしが。」


いま、舌打ちしたね。


「もうよいではないか。許してやっても。

これ以上の過激なシーンはR-18指定を受けてしまうぞ。


ところで、R-18指定ってなんだ。

なんか、記憶の底から湧いたのだが。なんじゃろ。まぁよいわ。

兎に角その辺にしておけ。」


「チェッ。根性なしが。」


エリナちゃんが暴言を吐くようになってしまった。


「きっと、この泉のせいだ。

この淀んだおばちゃん臭のする空気がエリナを近所の野次馬おばちゃんに代えてしまったんだ。」


「バッコーン(ハリセーンチョップ再び)」


「この世界一きれいで済んだ空気の場所で何を言っているんだ。

お前の汚れた心が洗われて本性が出てきたんじゃないのか。

甲斐性なしという。」


「えっ、俺の本性は甲斐性なしだったんだ。」

「一番初めの旅に出たころから妾が言っておるだろうが。シュウの甲斐性なしと。


エリナよ、本当にこいつが旦那でいいのか、前も聞いたかもしれんが。

今なら幸い唇にブッチュッだけで済んでいるので、早く分かれた方がいいんじゃないかと思うがのう。」


「俺は愛するシュウとどこまでも一緒だぜ。

エリナが別れたら俺が本妻だ。

これで憧れの女子の頂点だ。」


「ちょっと待て、女子の頂点には立てんと思うがのう。」

「えっ、どうしてだ。」


「女子の頂点の条件をいうてみよ。かび臭いやつよ。」

「えっと、女子の頂点とはなぁ。よーく聞いとけよ。」


「まずは旦那だな。」

「もちろん」アクア様


「そして、家持ち、これはこれから二人で頑張って稼ぐぞ。」

「頑張れ」おばちゃん


「昼寝付き。これはいつもだ。」

「そうですわね。」メイドさん


「旦那、元気で留守がいい。これも俺を外して仕事に言ってくれればいいだけだ。」

「そうよね。」エリナちゃん


「そう~ら、完璧じゃないか。これで俺は女子の頂点だ。」

「一人で盛り上がっているところ申し訳ないのだが、もう一つ忘れておるぞ。条件を。」


「えっ、なんだっけ。」


「子供有りですわ。どうやって、その、子供を・・・・、分裂? 」


「そうだったぁ。

そんな子供の一人や二人、根性で何とかして見せるぜ。

・・・・・

・・・・・

ふっ、無理だな。

ごめんよ、シュウ。俺はお前の嫁さんになれそうにないな。

愛人でよろしく。」


「愛人ならいいか。金もかかんないようだし。」

「愛人ダメ~ェ。てっ、

ここのチンチクリンとシュウ以外いないはずなのに、なんかあと3人いるような気配がするわ。声も聞こえるし。」


「「「「「「やっと気付いたか~ぁ、そこに。おそっ。」」」」」」


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