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15話目 俺の真のライバルは鬼ババァでなく〇●〇

ここまでの話で分かったのは、おばちゃんと双子の指輪が四大精霊のアーティファクトで、娘枠ということだった。


「ちなみに、私、風神は"空間"をつかさどるように両親に言われております。

ご主人様が大事に隠されております魔族さんのお住まいは私に備わった能力で用意した空間にあります。

それを勝手に繋げて我が物顔で使っているのがそこの鬼ババァです。」


「良いではないか、次元間空間の一つや二つ。妾の好きに使っても。

そのおかけでシュウが魔族の闇魔法でピンチになったときに、的確に救出できたのだしのう。

その時、貴様はエリナについて行っていたために対処ができなかったなのではないかのう。」


「ううっ、確かにそうでした。あの時はご主人様を救出していただき、ありがとうございました。」


メイドさんの能力はその次元間空間の支配だけなの。もっと面白いものはないの。


「いろいろ細かい芸当はできるのですが、例えば情報の入手、伝達、主に空間を使ったことが得意ですわ。」


なんかすごいね。移動なんかもできるの。


「そうですね、転移魔法陣なしで1度行ったことのあるところには転移することは可能です。

ただし、一緒に行けるのは私よりも軽いものだけですね。」


メイドさんよりも軽いもの、例えば手紙とか。


「それは運べますわ。伝書鳩よりもはるかに有能ですわよ。」


「まぁ、お前は所詮手紙の運搬屋が精々だよな。

俺はなぁ、もっと凄いもがもがもが・・・・・」


「それをまだシュウに伝えてはならん。

悪用することはないと思うが、今までのおまえたちの苦労が、いや、この地のすべての命が無に還ることになりかねん。

それとも何か、それを使った後の後始末としてすべての理をお前が再構築するというのか。


お前たちがシュウを心から案じることはわかっているつもりだが、四大精霊の一人としてシュウがもっと大きく、そしておまえ自身が理の神のような力を身に着けねばそれを伝えてはならん。」


うるさいさんが理の神。


あぁ、絶対にムリだな。もう、いいよ、うるさいさんは雷魔法の増強だけで、それでも十分すぎるよ。

まぁ、俺が大きくなるのはまだまだできると思うが。成長期だし。


「体の大きさじゃないわい。ふざけてんのか、こりゃ。

己の愛する者からもらったものがパンツだと真っ先に言う阿呆から、愛する者だけではなく、生きとし生けるもののすべてに心を向けられるような大人に変われということだ。


もっと大人になれ、シュウよ。皆なが幸せになるためにはお前の成長が不可欠だな。」


「ちょっと待ってくれよ。

さっき俺が言いかけた能力ことはまぁ、たぶん俺的に理の修復はムリだから話したり、使ったりはしねぇよ。

でもよう、俺だって雷以外の力はいっぱい持っているぞ。」


通訳業務?


「それそれ、それは大事だよな。それがないと芦高の言葉がわかんないよな。なにせ、「きゅぴ、ぴきゅ」だからな。


だから~っ。それもあるけどもっと愛するシュウのために活躍できる能力があるんだよ~。」


おおっ、あった、あった、どこでも昼寝ができる器用な能力があったなぁ、そういえば。


「だ・か・ら、そういうんじゃなくてなぁ。もっとこうなんだ。」


何か隠していた能力があるの?


「聞いて驚くなよ、エッヘン。

どこでも積乱雲を発生させ、雷と雨を降らせられるぞ。土砂降りと雷鳴で回りとの会話ができなくなるのが欠点だ。」


「己の能力の使えなさを先に言ってどうするつもりですか。

使えないやつと自分で宣言しているのと同じですわ。

全く、雷神はほんとに使えない妹で、ご主人様、本当に申し訳ございません。」


まぁ、前から駄リングと思っていたから、今更、謝罪しなくてもいいよ。


それとさっき言ってたのは雨乞いすると雨が降る能力だな。春雷は豊作と言うし、おめでたいうるさいさんにぴったりのおめでたい能力だな。


「さすが、俺の愛するシュウだ。俺のこと細かいところまでわかっているじゃねぇか。」


「はぁ~っ。今ので褒められていると思っている雷神は、ほんに、おめでたいやつじゃのう。」


ねえぇ、アクア様。


「なんだぁ? 」


結局、アクア様って、おばちゃんの母親の婆ちゃんってことでLAなの?


「誰がババァだって、こんなぴちぴち・独身・彼なしギャルを捉まえて。」


婆ちゃんの他の大精霊はどこにいるの。


「華麗にスルーしたなぁ、シュウ、2ちゃんで鍛えたか、ところで2ちゃんてなんだ? まぁよいわ。


教会本山の礼拝堂に巣くっていただろうが、ノームのチンチクリンが。」


「チンチクリンのお母様にチンチクリンと言われる酷さって・・・・」


チンチクリンのチンチクリンがいたのか、教会本山に。

見てみてぇぞ、その珍獣。

今度紹介してよ。


「今のやり取りをすべてノーム様が聞いたおられます。

大変ご立腹です。


お前たちがのこのこアホ面下げて礼拝に来たら、礼拝堂の床の石畳をすべて矢じりにして飛ばしてやるとおっしゃっています。」


「ノームちゃん、過激~ィ。

でも私は泉に縛られているし。行けないわ。

超残念、ざまぁみろみろチンチクリン。」

あおってどうする婆ちゃん。


ノーム様のアーティファクトはなんかないの。

「ノームの作ったものか。あるぞ。

でもこの人類界ではなく、別の場所だな。


この前、チンチクリンとシルクがお互いのアーティファクトを交換したとしたといっとったなぁ。そういえば。」


婆ちゃんのこの前って、大体いつ頃、何世紀前?

「たった500年前、かもな。」


そうすると俺の曾曾曾曾曾曾曾曾曾祖母ぐらい前のことかな。


「そうだぞ。だからくそババァだぜ。吹雪の母親は。バシッ(ハリセーン・チョップ)。」


ちなみになぜ交換したのかな。


「聞いてないなぁ。当事者がいるんだからお前ら何か知っていないか。」


「わしたちはエルフ族の姫が人類側に避難するときに一緒に来ました。守り手として。


私たちが人類側に来ますと人類側に大精霊のアーティファクトが4個に、その代わりエルフ側に一つもなくなるということで、バランスの問題からノーム様のアーティファクトがエルフ側に渡った様です。」


アーティファクトの役割って何。


「一つは属性魔法の追加発現を促すことじゃな。

ほれシュウの母親、なんて言ったか確か、モナカとかモリタとか言ったかのう、


ダンをだまして妾を教会本山の宝物庫から解放させて、モナカの背中に引っ付いてしばらくしたら土属性魔法が使えるようになったぞ。


基本はアーティファクトを作った大精霊の属性魔法が発動されるがたまにモナカのように例外が発生するから苦労するのじゃ。」


ちなみにモニカです。やっぱりボケたかおばちゃん。


他にはなんか役割があるの。

「まあ、吹雪は制限があるので俺が教えてやろう。


アーティファクトに与えた使命として、輪廻の会合の主要メンバーを見つけ出して守ること、その者たちを運命の会合へと導くこと、それはこうした我々大精霊との会合も含まれるな。」


輪廻の会合とは運命の会合をとは何なんだ。

そこで何をさせたいんだ。


「それは自分と会合した皆で考えるんだな。何でもかんでも頼るな。

自分で考え、悩みぬかないと吹雪みたいにボケるぞ。」


「お母様、ひどい。一人娘なのに。」

「ボケたらまた作ればいいからなぁ。今度はブリザードにしておくか。」


「シュウよ。もう親は頼れん。

お前だけが妾の老後を見てくれる頼もしい甥っ子じゃ。」


無理やり親戚にしやがったよ、駄剣が。


「でもよう、何の報酬もなしにそんだけの役割を俺たちに負わせるなんて、働かせすぎじゃねぇか。

大精霊商事は超ブラックだぜ。有休よこせ~ぇ。ストライキだ。」


「働かない役立たずをいつまでシュウが身に着けていてくれるか、掛けるか吹雪よ。」


「即刻、溶鉱炉行きじゃな。炎魔法をシュウに転写して、シュウの魔力を注げばあっと言う間に金属片じや。

それを屑鉄屋に108バートで売って、菓子パンを買う方に妾はかけるぞ。」


「イヤ~ッ!、助けて~ぇ。鬼ババァとチンチクリンが出た~ぁ。」


ところで、話をぶった切るがな、エルフの姫の守り手がなぜ古魔道具屋のタンスにいたんだ。それも片方がカビが生えるほど長期間。

おかしいだろう。普通に考えて。最低でもどこかの貴族の宝石箱だろ。


「借金の形・・・・。」


えっ、借金してたのエルフのお姫様が。


「こちらに逃げて来たのはいいのですが、生活に困り、高級アンティークショップに売られていく私。」


「そして、一人残された俺も、風神の1/26の値段で古道具屋に・・・・、なぜ俺は安いんだ。おかしいだろ。

デザイン的にも俺の方が洗練されているし」


「かび臭いからじゃろ、普通に考えてのう。

風神は風で乾燥しやすいが、雷神は雷雨で濡れてるので、ちゃんと手入れをしないとだめなのじゃ。わかったか。」


まぁそのなんだ、売れただけラッキーだったなそのお姫様。


「お前も感謝しなければならぬぞ、そのかび臭さで売れたのじゃからな。妾だったら金をもらっても引き取らんわ。」


「シュウ助けてくれよ~ぉ。また鬼ババァがいじめるんだ。」


昔から安かったんだな、うるさいさん。

何せエリナのお小遣いで買えたぐらいだからな。


でも大事にするよ。なんせエリナにもらった大事な婚約指輪だからな。


「シュ~ウ。俺、一生お前から離れねえぞ。そんなに大事にしてもらえて、俺は世界一の幸せもんだ~ぁ。」


「ところで、シュウ。聞きたいんだが。」

どうしました、アクア様


「パンツとそのかび臭い指輪のどっちが大事? 」


う~ん、悩むなぁ。


「悩むんかい。」


「俺の真のライバルは鬼ババァでなくパンツだったのか?! 」


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