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14話目 名は体を表すってことで

「何か誤解があるようなので、やっぱりここできちんと自己紹介をすべきだなぁ。

でも恥ずかしいからな~ぁ。

そうだ吹雪、私をシュウに紹介しろ。

シュウの紹介はお前を通してシュウのことを見ていたので省略していい。」


「あなた様の紹介は別にいいです。もうわかりましたから。」

「そうなのか。私のことをわかってくれたならいいが。大丈夫か。」


「はい。

Gの如くどこにでも侵入し、Gの如くただただじっとスリッパではたかれるのを待つストーカーだということはこれ以上説明がなくても十分に理解しました。

たぶん、あなた以上にGとしてのその性癖を理解しておると心得ます。」

「もう、違うよ~ん。バッカ。」


「お母様怒っていますか。

私が勝手にここを出て行ってことを。

以前と変わりませんね、ここは。


誰も居ない。誰も訪ねてこない。大精霊の隠匿場所。

ここは寂しい。寂しすぎる。

お母さまと二人きり。

ここでの生活はただただ時間を無為に消費するだけ。

でもその、消費さえも考慮するに値しない世界。」


「そしてあなたは、私を捨てて町に出た。あれほど止めたのに。

町は楽しかったですか。

500年も好き勝手なことをしていましたね。」


「う~ん、その内300年ぐらいは教会本山の宝物庫に魔法の鎖でつながれて身動きが取れなかったのじゃ。

ここ以上に退屈だったのじゃ。


あんなことなら、基本ここにいて、飽きたら脱走して町に遊びに行けばよかたっのう。」


「まぁ、一応は私のアーティファクトとしての使命はギリギリ果たしていたようだがな。ぎりぎりだぞ、赤点の一点上ぐらいだぞ。」


「お母様は元気にしてましたか。

最近はかび臭い指輪から元気そうだとの話は聞いていましたが。

こちらからは勝手に出て行った手前、直接連絡を取るのはばかれていましたので。」


「まぁ、基本ここの、この泉に縛られているからな、私は。

ここに居る分には何も起こらんよ。年さえ取らんし。」


おばちゃん、あのう、そろそろそこいる美少女Gを紹介してほしいのですが。

「私はGの関係者じゃない。」

「妾はGの子供ではない。

まあ、ここにいるチンチクリン、バシッ(ハリセンチョップが炸裂)、・・・・

もとい、クソガキ、バシッ、」


「お前は私を紹介する気があるのか?

やりたくないならそこにいる風神にでも頼むか。」

風神って誰? 今近くにいるの?


「なんだ、数カ月も肌身離さずに一緒にいて、そいつらが誰かもわかっていなかったのか。

どうしようもないな、その鈍感さを何とかしないとケガするぞ。」


えっ、いつも身に着けているもの。

うーんっ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あっ、ロングソードだ。クズミチたちにもらった、一物。


「まったく、シュウは筋脳まる出しの考えなしだな、

あっ、甲斐性もなかったんだったか。

ほれ、エリナにプレゼントしてもらったものがあるだろうが。」


えっ、いつも身に着けているもので、エリナにもらったもの。

うーんっ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うーんっ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・


あっ、パンツだ。


先日、ピッザァの材料を買いに門前町に出たときに、呉服屋でパンツが4枚組で1000バートの特価品をさらに値切って、930バートにしてもらったものを二つも買ってもらったんだ。

最近はそれを交代で履いているなぁ。


俺の履いているパンツが風神社製で、どういう関係か知らないが、美少女Gを紹介してくれるのか。

なんかすごいな。俺のパンツ。


「まぁもう、何とかに付ける薬はないというからな。

そこはいまさらだからあきらめるとしても、ほんとにこいつが輪廻の会合を構成している重要パーツなのか。

こんなあほうにこの世の理を託す者たちが哀れだ。」


「私はパンツ、ご主人様のパンツ。ぽっ、ぽっ。

はっ、何かトリップしていましたわ。


ご主人様、私ですよ、メイドです。

名前を言うのは初めてですので、ご挨拶を改めてさせていただきますわ。


私が風の大精霊シルヴェストルとシルフィードのアーティファクトにして、娘の風神、そして、ご主人様の指・・・・ 」

「ちょっとまった~ぁっ。好きな人には自分で告白するぜ。ポッ、ポッ。

やっぱ恥ずかしい。

姉貴よろしくお願いしますです。」


「もう仕様がない妹だわね。ご主人様の指でのうのうと生きているかび臭いのが双子の妹の雷神です。」


えっ、メイドさんとうるさいさんも、本当の名前があったの。

それもおばちゃんと同じ大精霊のアーティファクトで、娘ポジション。

あっ、うるさいさんは弟で良くねぇ。

全然娘らしくないし。


「お前の反応する場所はそこかぁ、シュウ、もっと感動するところがあっただろう。

俺の本名は雷神だ。」


だから、なんだ。

それがどうした、ふぅ~ンというレベルだろ。


「お前わかってねぇだろ、この阿呆で甲斐性なし。

名は体を表すっていうだろ。


ほ~ら、心当たりがでてきたろう。

おねぇちゃんはもう怒らないから気が付いたことをいってみぃ。ほらほら。」


「最近、指輪がきつくなって来た。

うるさいさん、太っただろぅ。

毎日、おばちゃんと一緒で、食っちゃねしちゃ、そうなるよな。

鞘氏も言っていたよ。おばちゃんが最後まで鞘に入りにくくなったって、最後の方が、特に。

おばちゃんのケツか? 」


「「太ってねぇから、むしろ、日ごろの心労でやせたから」」


心労?

三食に、昼寝に、10時と3時のおやつも必修化しているのに、心労?

心労に謝れ。超失礼だよ、心労様に。


「ご主人様、吹雪お婆ちゃんの得意なものは何ですか。」メイドさん

「吹雪だけに、氷属性魔法かなぁ。」


「親がつけてくれた本当の名は体を表します。

では、この妹(出来損ない)はどうでしようか。

わかるかなぁ。うふふふ。」


うるさいさんは、雷神・・・・・・、雷の神様・・・・・・、

俺のが発動する雷属性フィールドがとんでもなく強いのは、まさか・・・・」


「正解だぜ。シュウの雷魔法が異常に強いのは俺を身に着けているからだぜ。


でもなぁ、これだけはいっとくぞ。絶対にいっとくぞ。」

なっ、なっ、なに。トイレに行きたいの。


「なんで俺を身に着けると雷魔法が強化されるかは聞くな。

知らねぇんだ俺も。

ごめん。」


ふっ、気にしないでうるさいさん。改まって、そんなに畏まる必要はないよ。

今更だもん。さっきもだれかが言ってたじゃないか。

何とかに付ける薬はないと。もうあきらめているから僕。


「僕だって、シュウまさか・・・、まさか・・・、俺を捨てるのか。

こんなにシュウのために尽くした(雷魔法でね)俺を。しくしく。」


捨てても次の朝自然と戻ってるよね。


「なんだ捨てるつもりはないのか。

安心したぜ。

はっ、・・・・・・・・・・・・・・・

てめぇ、シュウ、以前にも黙って俺を捨ててたな。

そんなことを言うのは絶対捨ててただろう。

わかったよ、こうなったら女の意地だ。一生指にはまってやる(身に着いてやるともいう)。」


「シュウ、良かったのう。阿呆な似たもの同士が一緒になって。これが類友の効果じゃな。」


えっ、俺ってうるさいさんと同類とみられていたの。ショックだ。超ショックだ。

まてよ、類友と言うことは俺もうるさいさんの雷のような特技があるはずだ、それも本名の「シュウ」に由来する。


「「「「・・・・・・」」」」

何かないの俺には?


「「「「・・・・・・」」」」

「は~あぁぁぁ。やっぱ、俺とシュウは似てないは。

名前に由来の必殺技がないシュウとは、一緒にされたくないぜ」


いきなり上から目線になった。


「ご主人様、そんなことはありませんわ。

きっとあるはずです。

きっと・・・・・

身近にいすぎて、私たちが気が付かないだけで。」


「あった~ぁ、あったぞシュウ、普段一緒に居られない私だから気が付いたシュウの名前由来の必殺技が。」アクア様


「「「なに、なに、なに、そんなものあるわけがない。」」」


「かいしゅうなし、かいしゅうなし、かいしょうなし、甲斐性なしのひも体質。」

「「「おおっ、ちょっと苦しいが、シュウにぴったんこの必殺技があったわ。」」」

「ついでに名前はショウに改名してはどうかなぁ。」


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