3話 ちょこっと成長
この世界に生まれて、3年がたった。
そう、つまり修行を初めてから3年がたった。実際には、時間を止めた状態で修行をするから、10年は経っている気がする。
大体の修行のペースが決まって来た。その空間内で、24時間に一回魔力を全て使い、全て回復したら元の世界に戻る。気分的に行けそうだったら、もう一回全て魔力を使いきり回復したら元に戻る。
これを繰り返していくうちに、ステータスの魔力の部分だけ異常な数値になった。
その結果がコレ。
名前 アメリア・ファテマ・セビン
性別 女
称号 食べ放題
レベル 10
体力 10/10
魔力 1900/1900
筋力 10
知力 200
攻撃力 10
防御力 10
特殊能力 時空間魔法
魔力が尋常じゃないくらい高いのは一目見てわかる。
体力、筋力、攻撃力、防御力は基本的にレベルとともに上がっていくっぽい。
そういえば、僕の魔力の属性がわかった。
それは、ライリーさん(本人が頑なに「お母さん」と呼ばせない為この呼び方になっている)が僕を拾った次の日くらいに透明な石のようなものを持って来て、おでこに押しつけてきた。
そして、青く光った。
その時は、なんて言っているか理解できなかったけど、今考えるとこんなことを言っていた。
「おー!水属性か。サバイバルに必須な属性じゃん。よかった。コレで魔物の血を飲まなくて済む。」
……ちなみにこの次には、
「街での就職先は見つかるな。」
と言っていた…。
随分とぶっ飛んだ発言の後に、親目線のことを言ってる。
もっと、何か戦闘時に使えることを言って欲しかった。ただ、その時に言われてもよくわかんないけど。
ということで、魔力を使い切る際は、水魔法を使っている。
使える魔法は
『ウォーターボール』 球状の水をだす。主に飲み水の確保に使う。戦闘時は相手の首から上にウォーターボールを固定して溺死させる。一見すると最強のように思えるが、固定という作業をすると、固定している時間が経つに連れて、魔力を使う。大体、10秒で100くらいの魔力を使う。コスパが悪い。
『ウォーターナイフ』 水を凄い勢いでだし、物体をきる。流石に5年もこの技を使っている為、大半のものは切ることができる。
この2つしかまだ知らないが(考えてないが)、この基礎中の基礎をマスターすることが初めの一歩だと思っている。
今、現在の僕の生活状況は家で待機(笑)。殺す気か!
真面目にライリーさんわかってない!普通に家の中に魔物入ってくるし、普通の赤ちゃんだったら、この家ついて2日目で、死んでる。
1日目はライリーさんが、街とかに連れて言って親子の申請をしたり1日中構ってくれたけど、2日目から、もう居なかったし。
鳴き声出してたら、魔物の胃の中にいたはず。
初めて魔物が家に入ってきた時ありったけの魔力を飛ばして、時空魔法を使って、この2動作を高速で繰り返した。
最終的に倒した、訳ではなかった。
称号の能力で食べた。
こんな感じ、
息を吸った。目の前の魔物がいなくなっていた。
いやいや、食べてない。吸っただけ。
確かに能力を使ってみようと思ったけど、もっと食べてる感はないのか!
言うなれば、コレ、
「魔物は飲み物です(キリッ)。」
幼女がいう台詞じゃない。とんでもない巨漢がいう台詞だよ。
こうして、色々なことが有りながらも、無事3歳まで生きることができた。
だから、今日からライリーさんにお願いして武術を教えてもらおうと思っている。
あっ、帰ってきた。
「らいりーしゃん、おかえりー」※
「アメリア、元気にしてたか〜。今日も下位の魔物取ってきたからな。」
「ありがと〜、それとボクにしゅぎょうをつけてほしいんだけど」※
「修行?いいな、それ。子供のだから、時間もあるし。」
※この言い方はわざとではございません。
「そうだな、まずは何から始めよっか。魔法?体術?うーん、まあご飯のあとでいいか。ご飯作るから風呂沸かしといて。」
「はーい」
3歳になったばかりの子に、何させてんだよ!と普通は思うが、ライリーさんは子供がいない為、何が普通かを理解していない。絶対。
しかもご飯を作るって言っても、お得意の火魔法で燃やすだけ。味付け無し。
ライリーさん曰く、下位の魔物は何してもまずいらしい。
そして、ご飯を食べ(吸い)終わり、ライリーさんが
「よーし、寝るか。」
「!」
「どうした、そんな泣きそうな顔をして。」
「しゅぎょう」
「っあ!、あ〜、修行の話ね、もちろん覚えてる。いや〜、私が忘れる訳ないじゃん。だから、寝ながら修行しようって言おうと思ってたんだよ。ホント、ホント。」
「ねながら?」
「そう。この森はどんな時でも危険だから、魔力を使って探知を行っておく。こうすれば探知内に魔物が入った時すぐに起きたりして、対処ができるから。」
「へ〜、それってどうやるの?」
「まず、自分の魔力の感覚を掴む。」
「つかんだ。」
「次に、それをうす〜く伸ばすように、どんどん広げていく。これだけ。」
「うーん、っあ、わかった。できた!」
「おっ、結構早いな。明日からもっと魔法を本格的に教えられそうだ。」
ここでアメリアは、何か惹かれるものを感じた。
「ライラーしゃん、こっちのほうにになにかかいる。みかたみたい。」
「ん?そっちか?何もいないぞ。100メートルくらい先まで何もいないけどなぁ?」
「ちがう、しぇんめーとるくらいさき」
「⁉︎1000メートルも先までわかるのか!ま、まさか、『タベホウダイ』に魔力を多くする能力までついていたのか!あ〜、食べとけばよかった。」
「そんなことより、これはどういうこと?」
「この魔法は魔力を大量に使うことで、自分に対しての感情をある程度を知ることができる。ただし、相手が自分のことを知らなかったり、隠そうと思っていたりしたらわからない。ちなみに存在に関しても隠すことはできるが、そもそもこの魔法自体あまり知られていないから、そんなことをする必要もないけどな。」
「つまり、みかたってこと?」
「そうだ、感情を偽ることはできないからな。」
「じゃあ、あいにいこうよ。」
「行ってもいいけど、おかしいと思はないのか?」
「なにが?」
「だって、アメリアって人にあったことないだろ。つまり、高い確率で魔物だぞ。」
「それでもいい。」
「じゃあ、行こう(キリッ)!」
即決のライリーさん。そのキメ顔も、このタイミングでは似合いすぎてる。
さっきの「魔物は飲み物です(キリッ)。」とは比べ物にならない。
というわけで、飛んで向かうことになった。
「やっぱり、早いと最高だな〜」
「ぎゃああああああああ」
ついた先から少し歩くと、そこには大きな白蛇がいた。