第1話
(・・・・・・ん?どこだここ)
目を開けると、少し色褪せた茶色の天井が見えた。
(確か、貴律と別れてから横断歩道を渡ってそれから・・・・俺車に轢かれたじゃん‼︎)
段々とそのときの光景を鮮明に思い出して落ち着かなくなり、手足をバタバタさせる。
「え⁉︎おえいんあお⁉︎」
(え⁉︎俺死んだの⁉︎)
「あえ?」
(あれ?)
そこでふと気付く。
「おえ、あいおあえっおう?ん?」
(俺、何語しゃべっとる?ん?)
さらに、視界の左側に光る物体が見えた。
(これは鏡・・・・なのか?)
鉄の板を打ち伸ばして綺麗に磨いたのか、少し霞んだ色で歪な形の銀色の鏡のようなものがあった。
(お?髪の色が貴律と同じ色してらぁ。いや、俺の髪の方が綺麗な金髪だな。ふっ、勝った。)
「あ?」
(は?)
今日2度目の驚きである。
(・・・・ふぅ、とりあえず落ち着こう。まず、今の状況判断をするべきだ。)
まずは自分の体、そして身の回りの状況を確認してみる。
(なるほど、上手くしゃべれず金髪でベットらしきものに寝ている状態と・・・・・・・ん?)
状況確認をしていると、顔を横に向けた方向に見える扉が開き、人が2人入ってきた。
(誰だ?)
部屋に入ってきたのは男女2人で、一のところまでやってきた。
「○☆%#☆」
一と同じ色をした金髪の男性が話しかけてくる。
(何をしゃべってるのか全然分からん。)
すると、次は女性の方が話しかけてくる。
「%☆$○#¥」
(いや、分からんて)
すると、男女は困った顔をし始めた。
「%○☆$○#?」
「&○%☆%☆」
そのままずっとこちらを見つめている。
(なにか意思表示してみるか。)
手を体の前でパチパチと叩いてみる。
「‼︎」
「‼︎」
すると、二人がワッと反応した。
(よしよし、さてこの後はどうするかな)
次に何をしようか考えていると、女性が近づいてきて、一を抱き上げた。
(おー、間近で見るとめっちゃ美人‼︎)
髪は燃えるような紅色で瞳は碧色。肌は程よく焼けていて健康的な色をしている。
「○&#%☆&$」
女性は何かをしゃべると、おもむろに服を捲り上げ、自分の胸をさらけ出した。
(っ⁉︎おいおい何してんのこの人‼︎)
すると、そのまま一の口元まで持ってきた。
(え、なに?吸えと?吸えとおっしゃいますか?)
どうするか迷っていると、女性がきれいなピンク色の頂を口に当ててくる。
(ふむ。・・・・・いただきます‼︎)
これは頂かないともったいな・・・んんっ、本能で必要だと感じました。
本当だよ?
あっ、それとこれあれだわ、俺赤ちゃんになってるね。うん。
地球のお父様、お母様、ついでに貴律。俺転生しました。