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路地裏から生まれた世界最強(旧:路地裏生活から生まれた世界最強)  作者: 蒼たばすこ
3章 始まる冒険者生活
19/22

第18話

改稿で、ギルドカードについて説明を入れました。

リーズベルを奴隷商から買い取った後、ハジメ達は駐屯地へと帰ってきた。


「リーズベル、男達の居場所は分からないのか?」


「えぇ、分からないの。ごめんなさい。」


リーズベルは奴隷商と取引される時、頭に何かを被せられていたらしい。


「とりあえず、奴隷紋をどうにかしないと」


「そうだな」


そう、誰かの奴隷になった者には奴隷紋というものが首に付けられる。奴隷紋は黒い色で鞭が描かれているのだ。


今の奴隷主はハジメということになっている。


「わ、私はこのままでいいわ」


ハジメとデイズがどうするか話しているとリーズベルがそう言った。


「え?どうしてだ?」


「誰かの奴隷になった者は、その奴隷主が解放するか死なないと一生奴隷になるのよ」


「あぁ、だからこそ奴隷紋を取った方がいい」


「だ、だからっ‼︎その奴隷主の一生奴隷になるのよ‼︎」


「だからこそ奴隷紋取った方がいいんだろ?」


「〜っ‼︎なんで分からないのよ‼︎」


「おいおい、小僧本気で言ってんのか?」


すると、ハジメとリーズベルの会話を見守っていたデイズが口を出す。


「どう意味だ?」


「嬢ちゃんはな、小僧にこう言いたいんだよ。・・・・・私は貴方と一生一緒に居たいの、ってな」


「・・・・・・え」


固まるハジメ。


「ち、違うわよ‼︎」


「違うのか?」


「わ、私が言いたかったのは、奴隷紋があれば他の人の奴隷になることがないってことよ‼︎」


「・・・・・・それって同じことじゃないのか?」


「違うわよ‼︎」


「そうか・・・おい小僧、そろそろ復活したらどうだ」


デイズはハジメの顔の前で手をヒラヒラさせる。


「・・・・・・はっ⁉︎」


「大丈夫か小僧」


「俺は何をしてたんだ?」


「いや、ただ嬢ちゃんの話をしてただけだぞ」


「リーズベルの話・・・・・あぁ奴隷紋をどうしようかっていう話だったな」


「小僧本当に大丈夫か?」


「あぁ大丈夫だぞ?それで、リーズベルはどうしたいんだ?」


神様は記憶を消してでもハジメを鈍感系主人公にしたいらしい。


「わ、私はこのままでいいわ。奴隷紋を取るにはかなりのお金がかかるらしいし」


リーズベルは理由を変えることにした。


「そうなのかデイズ?」


「あぁ、奴隷を買った時の値段の1.5倍増しで金を払えば解放される」


「ウソだろ・・・・・」


リーズベルを買った値段は白金貨2枚。つまり、リーズベルを奴隷から解放するには白金貨3枚が必要ということだ。


「悪いが、小僧に貸してやれる金はもう無いぞ?」


「あぁ、もとよりそのつもりはないぜ」


(そうか、そうするとデイズから借りた金を含めると白金貨5枚か)


「ハジメどうする?」


リーズベルも必要とする金の多さに気付いたようだ。


「どうしようか・・・・・・」


「小僧」


ハジメとリーズベルがどうやって金を稼ごうか考えていると、デイズが声を掛けてきた。


「なんだ?」


「金を稼げる方法はあるぞ。しかもうまくいけば一攫千金もあり得る」


「本当か⁉︎」


「あぁ、だが危険もかなり伴う。それでもやるか?」


「リーズベル、お前はどうしたい?」


「私は貴方について行くわ」


「・・・・そうか、デイズその方法を教えてくれ」


ハジメは決心してデイズからの言葉を待つ。そして、デイズは口を開く。


「冒険者になることだ」


「冒険者?」


「あぁ、冒険者は魔物を狩ることで収入を得る仕事だ」


「へぇ」


「だが、魔物と戦うということはそれだけ危険が伴うということでもある」


「あぁ」


「だから、まずはお前ら2人を鍛えるところから始める」


「おう‼︎」


「はい‼︎」


ハジメとリーズベルは気合を入れる。


「あ、それと冒険者になれるのは12歳からだからな。それまで訓練だ‼︎がっはっはっ」






「「は?」」




















ーーーーーー7年後ーーーーーー



日の光を浴びて、剣を振るう少年の金色の髪は、まるで光の線を描くかのように舞っている。


「ハジメっ‼︎そろそろ行くわよ‼︎」


すると、少年の名前を呼ぶ少女が1人。少女は腰まである紅色の髪を輝かせ、目は透き通るような蒼色をしている。街通る人が見れば全員振り返るほどの美しさだろう。


「おう‼︎分かってる‼︎」


ハジメは長くなった金髪を縛っていた白い紐を解き、今日の朝稽古を終わらせる。


「ちょいと水浴びてくるわ」


「まったく、早くしなさいよね」


ハジメは急いで汗を流しに水を浴びに行くのだった。






「おう、お前ら準備はできたようだな」


ハジメとリーズベルの目の前には、7年前に会った時よりも白髪が増えた壮年?の男がいた。


「おう‼︎でもデイズ本当についてこなくていいからな」


「えぇ、私達はもう子供じゃないんだから」


そう、2人はこの世界ではもう立派な成人なのだ。


「がっはっはっ、俺にとってはまだまだ子供よ」


「へいへい。んじゃ、ちょいとドラゴンあたりを軽くひねってくらぁ」


「おうおう行ってこいや‼︎怪我には気を付けろよ‼︎」


「おうよ」


そう言って、ハジメはまるで買い物に行くかのように外に出て行った。


「デイズさん」


「ん?」


「もっと、厳しく注意して下さいよ」


「いや、仕方ねぇだろ。・・・・あいつの今の実力ならドラゴンくらい瞬殺だろ?何を心配しろってんだ?」


「・・・・・・・それもそうね。じゃあ私も行ってくるわ」


「おう、気をつけて行けよ」


「はい」


リーズベルは先に行ったハジメを追いかけるように走って行った。


「いやー、あいつなら本当に初日にドラゴン討伐とかやりかねんな。がっはっはっ」


しばらくデイズの笑い声が駐屯地に響き渡っていた。











ハジメとリーズベルは冒険者ギルドの前に立っていた。


「よし、リズ入るぞ」


「えぇ」


ハジメは冒険者ギルドの扉開け、中に入る。


とその前に、諸君気付いただろうか、ハジメがリーズベルを愛称で呼んでいるのを。誰だ?おせぇよとか言ったやつ?出てこいやジョセフといっしょパンチしてやる。・・・ジョセフ元気にしてるかな?


と、冗談は終わりにして話を進めよう。


「「うわぁー」」


冒険者ギルドは2人が想像していたものと同じものだった。


扉を開けた先には受付のようなところがあり、女性が3人座っている。視線を右に動かすと、そこは酒場になっており男達が酒を飲んでいる。今度は左に動かすと掲示板があり、そこには紙がビッシリと貼り付けられている。


ハジメとリーズベルはギルド内を観察した後、受付に向かって歩き出した。


「なぁ、お約束起きねぇかな‼︎」


「さぁ、私はどっちでもいいわ」


「なんだよつれねぇな」


「はいはい」


そうこうしているうちに、2人は受付の前まで来た。


「本日はなんのご用件でしょうか?」


目の前の受付嬢が笑顔で2人に声をかける。


「あ、俺達冒険者に登録しに来たんですけど」


(うわっめっちゃキレイ)


目の前の受付嬢はハジメよりも少し色が抜けたような金髪をしていた。髪はサイドテールにして、肩の前に垂らしている。そして、なによりデカイ。何がとは言わないが。隣からの視線が痛いので。


「分かりました。では、こちらのほうに記入をお願いいたします」


受付嬢は紙を2枚渡してきた。


「こちらには、おふたりの名前と使える魔法を書いてもらいます。使える魔法は隠したいものがあるのなら、書く必要はありません。ただ最低限書かないと、それを元にクエストを受注してもらう可能性もあるので、考えて書いてください」


ハジメは名前の欄には、ハジメ・カムイと書き、魔法の欄には光魔法と書いておいた。


リーズベルは名前の欄にはリーズベル・スワンと書き、魔法の欄には炎魔法と書いておいた。こういう時には俺の家名を使ってもいいとデイズにも言われていたので使わせてもらった。


「はい。ではハジメさんにリーズベルさんですね。冒険者ギルドについての説明は致しますか?」


「あ、お願いします」


「はい。冒険者ギルドとは依頼者から依頼をいただき、その依頼をクエストとして冒険者に受注、達成していただく場所です。成功報酬は各クエストによって異なりますが、大まかにクエストランクで決まってくると言えます。クエストランクというのはクエストの難易度です。クエストランクは下からF、E、D、C、B、A、S、SSがあります。ちなみにこのSSランクは天帝級(ワールド)なので滅多に無いですね。これらのクエストを受けるにはそれ相応の冒険者ランクを持っていなければなりません。冒険者ランクはクエストランクと同じでFからSSまでありますが、さらにその上SSSがあります。このランクSSSを持っている冒険者は今の所世界に10人います。なんとその内の7人が『十帝剣(エストール)』に入っているんですよ」


「『十帝剣(エストール)』?」


初めて聞いた言葉についてハジメが尋ねる。


「え⁉︎『十帝剣(エストール)』を知らないんですか⁉︎」


すると、受付嬢は身を乗り出して大きな声を上げる。


「は、はい」


思わず、後ろに一歩下がるハジメ。


「いいですか‼︎『十帝剣(エストール)』というのは国に、いや世界に認められた者達が集まる超精鋭戦闘組織なんです‼︎」


「世界に?」


「はい‼︎この世界には元老院機関があるのは知っていますよね?」


「一応は」


(確か、世界の国々を管轄する中心機関だったか)


「その元老院機関が持つ戦闘組織を『十帝剣(エストール)』と言うんです‼︎」


「はぁ」


「分かっていますか⁉︎元老院機関が持つ戦闘組織ということは、世界最強の組織ということなんですよ⁉︎」


「なるほど」


「分かって頂けましたか⁉︎」


「はい」


「ふぅ、では先ほどの続きを話しますね」


「お願いします」


受付嬢は興奮したのを落ち着けるように、一度息を吐く。


「冒険者ランクがSSSまであると話をしましたね。これらの冒険者ランクを付けるにはちゃんとした理由があります。それは、クエストランクに対して実力を伴わない冒険者を受けさせないためです。なので冒険者ギルドでは、クエストランクと同じ冒険者ランクで受けるように決められています。しかし、例外があります。それはパーティでクエストを受ける時です。その際、パーティの中で一番ランクの高い冒険者と同じランクのクエストを受けることができます。また、冒険者登録を済ませるとギルドカードが発行されます。このギルドカードは、他の街に行く際などで自身の身分証明となるので大切に保管してください。それと、Sランク以上になるとギルドカードの縁の色が変わるようになっています。Sランクで黒色、SSランクで銀色、SSSランクで金色です。以上で分からないことはありますか」


「クエストランクが実質Sまでということになると、ランクSS以上の冒険者はランクが高いだけで、なんのメリットもない気がするんだけど」


「いいえ、SランクのクエストをSS以上のランクの持つ冒険者が達成すると、達成報酬だけでなく、さらに報酬を追加で貰うことができます。Aランク以下のクエストは貰えませんが。さらに、どの冒険者よりもクエストを優先して受諾されますし、SSランク以上の冒険者は滅多にいないので、それ以外でも色々な所で優遇されます。これでよろしいでしょうか?」


「あ、はい。ありがとうございます」


「では、次はコレで魔力の測定を行います。コレは魔力測定装置といって、個人の魔力を測ることができます。魔力の強さはこの装置が光った色で決められます。白、黄、緑、青、紫、黒の順番で魔力が強いと言えます」


「キタコレ」


「なんでしょうか?」


「あ、いえ何でもありません」


「貴方ちょっと黙ってなさい」


リーズベルがそう言ってハジメを睨む。


「では、どちらから行いますか?」


「じゃあ、私から行くわ」


「え?リズそんなに自信あるのか?」


「違うわよ。私がやる前に貴方にコレを壊されるのが嫌なのよ」


そう言って魔力測定装置に手を置く。


「?」


受付嬢はリーズベルの言葉に、頭にハテナマークを浮かばせる。


リーズベルが手を装置に置いていると、輝き始め青色に光った。


「リーズベルさんは青ですね。そのご年齢で優秀なんですね」


「ありがとうございます」


「次はハジメさんですね。お願いします」


そして、ハジメが装置に手を乗せた。その瞬間。



ーーーーーーバリーンッ



装置が粉々に割れた。


「あぁ、やっぱりこうなるのね」


リーズベルは頭をうな垂れていた。


「っ⁉︎えっ⁉︎ちょ、え⁉︎」


受付嬢は目を白黒させ、ハジメと粉々になった装置を交互に見ている。


「す、少し待っていてください‼︎」


すると、そう言い残して後ろの階段に消えていった。


5分くらいして受付嬢が戻ってくると、ハジメを見て口を開く。


「ハジメさん、私についてきて下さい」


「は、はい」


(これ、テンプレだよな‼︎)


「えぇ、そうよ」


「なぜ、俺の心の声が⁉︎」


「いや、貴方分かりやすいのよ」


「あの〜、早くついてきて貰ってよろしいですか?」


「あ、すいません」


ハジメとリーズベルは受付嬢の後ろについて行くのだった。





階段を上ると、目の前には少し大きいくらいで、あとはなんの変哲もない扉があった。



コンコン



受付嬢がその扉をノックする。すると、奥から野太い声が聞こえてきた。



ーーーーー入れ



「失礼します。ギルドマスター、ハジメさんをお連れいたしました」


「そうかご苦労、ん?そちらのお嬢さんは?」


「こちらはハジメさんのお連れ様のリーズベルさんです」


「なるほど、分かった。もう下がっていいぞ」


「はい、失礼します」


受付嬢は一礼すると部屋から出ていった。


「さて、ハジメ君」


「はい」


受付嬢にギルドマスターと言われた男は体を脱力し、椅子に体を預ける。


「私の名前はメンフィス・イール・バックスと言う。先ほどの受付嬢が言った通り、ここの冒険者ギルドのマスターをやっている」


「はぁ」


メンフィスは筋骨隆々の白髪のおじいさんであった。歳は70にいかないくらいだろうか。かなり鋭い目つきをしている。


「それで、君が魔力測定装置を粉々にしたと聞いたのだが、それは本当かね?」


「はい、しました」


「ふむ・・・・・・・」


するとメンフィスは体を起こし、手を組み顎の下に載せながら、ハジメの目を覗くように見る。


「なるほどな、それだけの魔力があるのなら納得だ」


「・・・・俺の魔力を見たんですか?」


「あぁ、隠し通せるとでも思ったか?これでも、昔は名を馳せた冒険者だったんだぞ」


「へぇ、そうなんですか」


「どうしたものか・・・・・」


メンフィスは眉を寄せて何かを考える。


「何がですか?」


「魔力測定装置を粉々にしたのが12歳の少年というのがな・・・・・・上に報告するときに何と言われるか。おそらく、馬鹿にしてるのかと言われるのがオチだ」


「上というのは?」


「国のお偉いさんだ。冒険者ギルドってのは国とは密接な関係にあってな。国は冒険者ギルドで強い奴を引き抜こうと必死だ。逆に冒険者ギルドは金を国から引き抜こうと必死になってる。まぁ、今の所は相互利益関係は築けているってところだな」


「はぁそうなんですね」


「そういうわけで、だ。ハジメ君、こんな話をしよう」


「?」


「魔力は分かっても、そいつの強さが分かる訳じゃない」


「そうですね」


「持つ魔力が多くても、それを使いこなせていないのなら、そいつは強いとは言えないからだ」


「はぁ」


いまいちメンフィスの意図が見えないハジメ。


「ならば、強さを証明するものがあればいい。ここは冒険者ギルドだからな」


「・・・・・・あぁ」


ここで、やっとメンフィスの話の意図を理解したハジメ。


「うむ、分かったようだな。ハジメ君、君にはこれから私と一度模擬戦をしてもらう」


「模擬戦ですか?クエストではなく?」


「あぁ、君にはそこそこ(・・・・)難易度の高いクエストを受けてもらうために、一度私の目で君の強さを知っておく必要がある」


「え?でもランクの高いクエストは、さっき登録したばかりの俺には受けれないんじゃ?」


「そこは大丈夫だ。ギルドマスターが直々に依頼するクエストは、それを受ける冒険者のランクを無視できるのだ」


「へぇ」


「だから、俺と模擬戦をしてもらう。分かったか?」


「でもこれって、結局ギルドマスターが上の報告と時に楽をしたいだけなんじゃ・・・」


「分かったか?」


「え?だ、だから」


「分かったか?」


「・・・・・・・はい」


メンフィスに、無理やり模擬戦を受けさせられるハジメだった。







冒険者ギルド訓練場。


そこには、12歳の少年とその5倍は生きているだろう筋骨隆々の老人が、剣を抜いて向き合っていた。


「あれ?冒険者(かんきゃく)はいないのか?」


ハジメが周りを見渡すと、そこにはあの受付嬢とリーズベルしかいない。


「あぁ、ギルドマスターである俺が12歳の少年をボコボコにしているところを見られるとマズイのでな」


「ほぉー、言うじゃねーかジジイ」


「口が悪いぞ少年」


「あぁ、それが俺の取り柄なんでな」


「ふんっ」


そして、ハジメとメンフィスは剣を構える。


「この鉄貨が地面に落ちたら開始だ、いいなハジメ君?」


「あぁ」


メンフィスが鉄貨をちょうど2人の真ん中に投げる。



ーーーーチャリンッ



そして鉄貨が地面に落ちた。


それと同時にハジメとメンフィスが地面を蹴る。


「しっ‼︎」


「おらっ‼︎」


2人の剣が鉄貨の真上で交わる。


「老人のくせにはえーな‼︎」


「ハジメ君こそ12歳の少年の速さじゃないぞ‼︎」


実際、受付嬢の目は2人が見えたと思ったらすぐに消え、また現れたと思ったら消えを繰り返していた。


「キリがない‼︎」


「なら魔法を使えばいいではないか‼︎」


「あんたが使ったら俺も使うよ‼︎」


「うむ、ならば使うとするか」


メンフィスはハジメから距離を取ると魔法を放った。凄まじい魔力だ。


雷撃弾(ライトニングバレット)‼︎』


「ちっ‼︎無詠唱か‼︎」


ハジメは腰をひねるようにして剣を構え魔力を溜める、そして振り抜く。


「はぁっ‼︎」


剣を振り抜くと、そこから刃の形をした魔力が飛んでいき、『雷撃弾(ライトニングバレット)』を迎え撃つ。



ーーーーーーーズドンッ



雷撃弾(ライトニングバレット)』と魔力の刃が激突すると、爆風により砂埃が舞い辺り一帯を見えなくする。


ハジメが砂埃の先を睨んでいると、再び『雷撃弾(ライトニングバレット)』が砂埃を消しながら飛んできた。


「ふっ‼︎」


ハジメはそれを剣で綺麗に受け流す。


「いやいや、まさかその歳で『魔刃(マジックブレード)』を使うとはな」


魔刃(マジックブレード)』というのは、魔力を溜めてそれを刃にして繰り出す魔闘技である。魔闘技というのはその名の通り、魔力だけを使って技を出し戦うものだ。ほかには『魔鎧(マジックアーマー)』などの魔闘技がある。


すると、剣を片手にメンフィスが近づいてくる。


「ジジイもあんな高魔力の『雷撃弾(ライトニングバレット)』を無詠唱で、それも一瞬で発動するとはな」


「はっはっはっ‼︎もっと本気でこい‼︎」


「いいのか?」


「何を言っている。本気で来なければ俺のクエストは受けさせんぞ」


「はぁ、別に俺はまだ望んでねぇんだけどな・・・・・ま、金が早く稼げるようになると考えればいっか」


ハジメは剣を納める。


「お?」


それを見たメンフィスは、期待するような目でハジメを見る。


「いくぜ」


ハジメが呟いた瞬間、強大な魔力が吹き荒れる。


「ぬぅ、これは凄まじい‼︎」


すると、ハジメがメンフィスの目から消えた。


「なに⁉︎」


気付くと、ハジメはメンフィスの目の前に現れ魔法を放っていた。


聖光の十字架(ホーリークロス)


「っ⁉︎天級を無詠唱だと⁉︎」


その瞬間メンフィスは目の前が真っ白になり、その後意識を無くすのだった。



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