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住田圭一
アイツと会って半月
月日は滞る事無く流れ
私は高校二年生になった。
天気は快晴
ついこの間までの冬景色は一転し
桜が咲き乱れている
「えー、私が担任の細野です。
この一年間宜しくな。」
細野という名前に似つかわしくない
緩みきった狸オヤジが朝の挨拶をした。
「そして、新学期早々だが今日からこの教室に
新しい仲間が増える。」
教室内がざわめく
「じゃあ、入れ」
ガラガラ
「転校生の住田だ。仲良くするように」
細野がそう紹介した転校生は
紛れも無いアイツだった。
「東京から転校してきました。
住田圭一です
宜しくお願いします」
クラスメイトたちは、まだざわついている。
「じゃあ、席は一番右の列の一番後ろだ。」
私の隣だということはすぐにわかった
「はい」
アイツがゆっくり歩いてこっちに向かってくる
季節はまだ春になったばかり
桜は当分散りそうには無い。