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乙女が奏でる恋の協奏曲  作者: 八重桜
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8/8

8話 試験の結果と意外な特技①

今回と次回は春樹のとある力というか特技が明らかになります。


その後は2,3話本編の内容にそこまで関係ない内容をはなしつつ、タイムリミットが近づいていく感じになると思います。



Q,なぜそこが未来形なのですか?

A、そもそも執筆し終わるのが、投稿する5分前だからです。no書き貯め。

「それにしても、ここの学生はよく毎日この坂を上っていられるな」

編入してきて3日目の朝、春樹はボソッと愚痴をこぼした。昨日は待ち合わせ時間などを決めてなかったため1人で登校した春樹だが、今日は待ち合わせ時間を決めていたため、里奈、翠、麗華、直哉の4人共に登校していた。

「まあ、ここに1か月もかよってりゃ、嫌でも慣れるさ」

「できれば慣れたくないけどな」

一昨日は学園の屋上からの景色を見て感動していた春樹だが、その景色を作り出しているこの傾斜を実際に体験してみると少しげっそりしていた。

「じつは春先輩って運動できないキャラですか?」

「う~ん、できないってことはないし、徹夜することも多いから体力はあるとは思うけど、ちゃんとした運動はあまりしたことないかな」

学校の体育ではしっかりと運動していたものの自分から運動することがなかったため、自分の運動神経すら春樹は認識できていなかった。

「まあ、どっちにしろ、うちの学園もあまり体育はないしね」

「麗華ちゃんはそれで入学当初は随分落ち込んでいたもんね」

その光景を張る気が容易に想像できてしまったあたり、麗華がどれだけ性格的に女の子らしくないかがよく分る。

「まあ、音楽やるやつは指とか大事だしな」

直哉の言うとおり、体育の授業でけがをして、音楽ができないとなれば本末転倒である。

「どうせこの坂で十分足腰は鍛えられそうだしな」

春樹はようやくのぼり切った上り坂を振り返って、その後学校の敷地内へと足を踏み入れた。

校門を通ると、すぐ広いスペースになっており、上り坂を背に向けた状態で右側が高等部の校舎、左側が中等部の校舎であった。そしてそのスペースには大きな掲示板が設置されており、何かの連絡事項から、入試のときの合格発表の掲示まで様々な用途で使われている。

そして、今その掲示板の前は多くの人でにぎわっていた。

「なあ、あれはなんであんなに集まっているんだ?」

昨日、一昨日はこんなに人が集まっていていなかったため、春樹にとっては初見の光景だった。

「あれはね、昨日と一昨日に受けた試験の結果が張り出されてるんだよ」

翠の返答を聞いて春樹は少し驚く。

「昨日一昨日の結果が今日って・・・採点早すぎるだろ」

「個室の関係がありますからね。できる早くしたいんでしょう」

「なるほどなぁ」

個室の配分を決めるテストだったことを春樹は今の今まですっかり忘れていたのは秘密である。

「まあ、今年も翠がAランクなのは確定だろうな」

「そうなのか?」

2日前に各々が何の楽器をやっているかなどは把握していたが、個室に関しては春樹はまったく知らなかった。

「翠は基本的にテストで1位か2位しかとらないし、コンクールで入賞もしてるからな。あとは、コンクールで優勝でもしたら確実にSランクだろうな」

「へぇ~」

春樹は翠に視線を向けてみると、翠は恥ずかしそうに顔をそらした。

「で、直哉はどうなんだ?」

「さあ、結果を見に行こうぜ」

そう言って、直哉はひとり先にその人混みの中に行ってしまった。

「逃げたな」

「逃げたわね」

「逃げましたね」

「逃げたね」

春樹たち4人は冷ややかな目で直哉の後姿を見ていた。だが、それも長くは続かなかった。

直哉が後ろからやってきたことで、後ろを振り向いた男子が、春樹たちの姿を見つけ、それをつぶやいたせいで、掲示板の前で騒いでいた生徒たちはいっせいに春樹たちの方を見た。

「な、なに?」

さすがに50人以上の人間に一斉にみられると誰だって恐怖を感じてしまう。そんななか先行していた直哉はその原因を確かめるべく、掲示板の前までいった。

そして、春樹たちに向かって手招きをする。

その手招きを見て、春樹たちが掲示板に向けて歩き出すと、先ほどまで前に集まっていた生徒たちはいっせいに道を開け始めた。

「これはいったいなんなのよ・・・。もしかして翠がなんかした?初めて3位以下に落ちたとか」

「え、知らないよ。そもそも今回はかなりできた気がするし」

麗華と翠がそんな会話をしている中、里奈だけは春樹の方を見ていた。

「里奈、その視線はなんだ?」

「いえ、どうせ春先輩が原因なんだろうと思いまして」

里奈は小声でつぶやく。

「人聞きの悪いことを言うな。それに『どうせ』ってなんだ、『どうせ』って・・・」

こちらも小声でいい争いをしながら掲示板へと向かっていった。

そして、4人が掲示板までたどり着くと、

「え?」

「すごい・・・」

「やっぱり・・・」

女の子3人は三者三様の反応を示していた。

そして春樹も、

「あ~」

すこしやってしまったなといった感じの表情を浮かべていた。

その掲示板に掲示されていたのは確かにテストの結果だった。学年別に各科目ごと、そして総合で学年のピンからケツまでずらっと名前が並んでいた。

しかし、いつもと違うことがあったのだ。

「全教科満点って・・・」

そう、各科目の1位にはすべて同じ名前が並んでいた。それも同じ点数で。そしてそれは、1つのテストでとれる唯一の3桁の数字だった。

「翠ですら917点で2位だっていうのに、まさか1200点とはな」

直哉もさすがに驚いた様子だった。ちなみに翠は相変わらず入学してから2位以内という記録はキープしていた。

そんな時、後ろから1人の女子生徒が声を春樹に声をかけてきた。

「春樹さん、おめでとうございます」

その女子生徒は、桜嵐学園の理事長の娘兼現生徒会長の優衣だった。

優衣は、春樹たちが掲示板に向かってくる時にできた道を通って春樹たちのもとにやってきた。

「「会長、おはようございます」」

翠と麗華はとっさに挨拶し、直哉と春樹と里奈は頭を下げた。

「みなさん、おはようございます。あと、そんなに固くならないでください」

優衣は少し困った様子だったが、そのまま話を続けた。

「春樹さん、全教科満点はこの学園が始まって100年来、初めてのことらしいです」

その言葉を聞いて周りにいた生徒たちも歓声をあげた。

そもそもこの学園のテストは基本的に7割とればかなりいい方なのだ。というのも、英語数学などはともかく、理科系社会系科目は25分で、50分かかって終わるかどうかという分量の問題をとかさせれるのだ。そして数学に関しても50分で高校環境の全範囲の問題をとくことになるし、英語に関しては専門的な単語がかなり多いのだ。

そんな中で全教科満点というのは異常なことだった。

「てか、春樹、おまえなんで日本史まで満点とってるんだよ」

直哉の突っ込みももっともだった。

「なんでって言っても、優衣さんから借りた教科書で山を張って勉強したからとしか・・・」

そう言って、春樹はカバンの中から教科書を取り出して、優衣に差し出す。

「これ、ありがとうございました」

「いえいえ、春樹さんに使っていただいて、この教科書も喜んでいると思います」

その発言を聞いて、一部の男子生徒から春樹に殺意がこもった視線が送られたのは言うまでもない。

「そういえば、会長はどうしてこちらに?」

「あ、そうでした」

優衣はその言葉で何かを思い出した。

「春樹さん、お父様がお呼びなので、一緒に来ていただけますでしょうか?」

「あ、はい」

そう言って、麗華たちにお辞儀をした後に父親のいる理事長室に向かって歩き出した優衣と一緒に春樹も去ろうとするが、その前に一言、小声で

「昼にちゃんと説明するから」

と、ほかの4人だけに聞こえるようにつぶやいて、そのまま、優衣について行った。



そして、掲示板の前に残された4人は何も言わずに立っているだけで、それは残された周りの生徒たちも同じだった。

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