第1話:帰ってきた男
それは、ある日突然、母国を去った男……。
だが、この男は、再び、母国に帰ってきたのだ……。
ある高校の部を救うために……。
プロローグ~帰ってきた男~
2012年 4月
東京某区、銀髪でサングラスを掛けた青年、真は今、飛行機から降りたところだった。
彼がここ、日本に帰るのは4年ぶりである。彼はこの4年間、父の転勤でアメリカに行っていた。だが、彼はある友人に呼ばれて一人で日本に帰ってきたのだ。
最初は両親ともに、真が一人で日本に帰るのは反対していたがなんとか説得させて、無事、日本に帰ることができたのだ。
彼が久しぶりに帰ってきた日本の天候はとても気持ちの良い快晴である。
「よし、じゃあ、行くとするか」
真は自分の家に向かう事にした。真の家はここから1時間はかかる。彼は疲れているため、とても歩きで家に向かうのはかなりきつい事である。そこで彼は日本に帰る前、真の父が用意してくれたバイクがある事を思い出した。そのバイクがある場所は空港の近くの駐輪場である。彼はすぐさま駆け足で駐輪場に向かった。
「あった、これだな」
数分後、真のバイクは見つかった。
彼のバイクは黒を基調とした赤いラインの入ったバイクである。因みにこのバイクは彼が選んだわけではなく、父親が勝手に用意してくれたものであるとか。
当初、真は少々納得していなかった部分もあったが、今となっては気に入っているようだ。
「いざっ! 自分の家へ!」
真はそう叫ぶとバイクの鍵を開け、大きめのエンジン音を鳴らすとともにバイクを豪快に走らせ、1分も経たずとも、姿見えなくなるくらいのスピードを出して、自分の家へと向かった。
*
「ふう~、何とか着いた」
1時間後、真は無事に家にたどり着いた。そのためか、彼の顔からはほっとした感じが出ている。
真の家は普通の貸し切りのアパートである。真一人で住むには快適な家である。その外見はぼろく、古臭い感じがした。これを見た真は「まあ、しょうがないな。貸切のアパートだし」と認めた。
バイク同様、この家も父が用意してくれたものであり、これは真の母も協力して選んだものである。
「よし、入るか」
真はバイクの後ろに積んであった荷物とその玄関に置いてある荷物と郵便物を持って、家の中に入って行った。
*
「お、部屋はきちんと掃除をしているな」
部屋に入るとそこはきれいに掃除したばっかりの部屋だった。新しい家にして当然のことである。
因みに彼の部屋の番号は103号室である。外からは近く何があってもすぐに逃げられるので安心している面もある。
こんないい場所をと思っているが、父と母曰く、開いている部屋がたまたまこの部屋しかいい場所はなかったらしいみたいだ。
「明日から、また、新しい人生が始まるんだな」
いよいよ明日から本格的に彼が日本に帰ってきた後の人生が始まる。どんな人生が待ち受けているのだろうか。そして、真がある友人に呼ばれた理由は何なのか!?
アメリカから帰ってきた男、瀬田真の第二の人生がたった今、プレイボールしていようとした―――!!
第1話:帰ってきた男~ 終