種明かしでぐったり
人の多い展示室も一応見て回り、ファミレスでお昼ごはんを食べて帰った。
高いお店は、やっぱり何だか落ち着かなくて、もう当分遠慮する。
家に帰ると、何故だか芳彰も一緒に上がり込んで、母親と妹とすっかり仲良し状態でお茶をしている。
・・・何だ、私だけ理解出来てない、この一人蚊帳の外みたいな状態は?
「ねぇ・・・昨日もそうだったけど、何でそんなに仲がいいの?」
当然の疑問を口にすると、その場にいる全員が私の方を向いた。
ねぇ、だから何でそんなに嬉しそうなの???
「知りたい?」
意味ありげな言い方をする母さんに、「いい、聞かない。」と言いたくなるのをグッと我慢して、
「・・・知りたい。」
と、負けを認めた。
「ふーん、今日は素直ね?」
にんまりとする母さんに反抗心が湧いたが、我慢だ美晴! と、必死に耐えた。
「・・・さすがに状況が見えないもん。」
「あら、簡単な話よ? 美晴のいない所でコッソリ会ってただけだもの。」
母さんは事もなげに言ってくれるが、私には十分衝撃的な内容だ。
ねぇ、本当にコッソリって何?
「いつまで経っても美晴が紹介してくれないから、直接連絡取っただけよ? 携帯の番号は和歌奈が知ってたからね、ねー。」
「ねー。」
ねーじゃない!
「・・・和歌奈は何で、芳彰の番号知ってんの?」
・・・面識があるのは事実だけど、それくらいで番号の交換までするか?
「えー、前に追いかけて、芳彰さんを家に連れ込んだからだよ。」
「何それ!?」
寝ちゃった私を送ってくれた時じゃないよねそれ!?
「だって、おねぇちゃん秘密主義者なんだもん。」
してやったりの顔をしているが、納得できる訳は無い。
・・・どうして私の周りの人間は、こんなのばっかりなんだろう?
「俺も二人のやる事に驚かされたけど、本当にお前の家族だなあって思ったよ。」
芳彰も達観したような事を言うな。
何か一気に疲れた・・・脱力感でクラクラする。
「・・・ごめん、私逃げていい?」
「あーら、駄目に決まってるじゃない。まだデートの感想聞いてないもの。」
当然だと言わんばかりの母さんの台詞に、私は泣きたくなった。
・・・私は、母さんに勝てる日が来るんだろうか?
月曜の朝になっても、私のショックは癒えなかった。
おかげで学校に着いてからも、苛々していた・・・もちろん悔しくてだ。
教室でぼんやりと、何か報復はできないかと頭を巡らせていたら不意に葵の声がした。
「美晴、これプレゼント。」
細かな模様の入ったピンクにの紙に、茶色い線でシンプルな花の描かれた封筒を机の上に置かれた。
「何これ?」
「んー? いいから。見たらわかるわよ。」
そう言って見事な笑顔を向けてくれるから、物凄く嫌な予感がした。
・・・既視感。
少し前に同じ様なやり取りがあった・・・ただし立場は逆で。
おまけに、葵がこんなに良い笑顔を意図的に作る時には碌な事が無い。
嫌な気分で封筒を開けると、予想通り中身は写真だ。
以前、私が葵と聡太くんにやった事を、見事にやり返してくれたって事か・・・さぁ、私は何を撮られた?
覚悟を決めて写真を取り出すと、一昨日の姿でげんなりした。
芳彰と手を繋いで歩いている所、ジュエリーショップの前で抱きついた時、
水族館で笑いあってる姿に、ホテルに向かって歩く後ろ姿。
・・・もういいです。
もう私はこの件でやり返そうなんて思いません。・・・たぶん。
溜息を吐いて机に突っ伏すと、
「ホテルに泊まって、何してたかは聞かないでおいてあ・げ・る。」
と、葵は楽しそうに私の耳元で囁いてくれた。
・・・本当に、どうして私の周りには、こんなのばっかりなんだろう?
読んで頂きありがとうございます。
本編終了、でもあと2話あります。
類は友を呼ぶって事で。
牡羊座のB型女の内面を描いてみました。
考えてる事全部は喋らないので、周りは「?」なんですよきっと!(自己正当化)
自分から見た外の世界、勝ち負けにはこだわる。そんな感じで~
えーと、読んでもらって判るとおり、どうも葵はおまけです(汗)
美晴、芳彰、聡太にはがっつり入れるのですが、葵にはどうにも入れない。
もう少しキャラに愛着を持とう。
時系列的にこの次が「炭酸水」で、もちろん暗躍してた美晴の話を書く気満々です。
他の話3本上げた後ですが・・・。
夏休みの航の話も書きたいと思っているのですが、大丈夫か私?
とりあえず、残り2話分の推敲します。
(2011.07.21)




